この相撲一番にて、千秋楽にござります~。
15日間の大相撲本場所、最終日、最後の取り組み直前。行司の美声が土俵に響くと、場内に大歓声が沸き起こります。
大相撲や歌舞伎・芝居など、長期間に及んだ興行の最終日「千秋楽」は、特別なすがすがしさを感じる瞬間ですよね。
でも、「千秋楽」って、そもそも何なのでしょう? どうして「千」の「秋」が「楽しい」のでしょうか?
「千秋楽」とは?
デジタル大辞泉によると、「千秋楽」とはこんな意味。
・芝居・相撲などの興行の最後の日
・物事の最後。終わり
異体字として「千穐楽」などもありますが、これは縁起を担いだもので、芝居小屋を「火(秋、の右側)」から避ける意味と、「亀」の字はおめでたいものだから。
また、別の呼び方に「千歳楽(せんざいらく)」「楽日(らくび)」「楽(らく)」などもあります。
「千秋楽」の語源は?
千秋楽の語源はいくつかありますが、法要・法会(ほうえ)などの最後に演奏されたのが、雅楽の「千秋楽」という曲だったから、という説が有力です。
この「千秋楽」は平安時代の後三条(ごさんじょう)天皇が、秋の収穫を祝う大嘗会(だいじょうえ)のために作らせたもので、曲名は中国皇帝の誕生日「千秋楽節」にちなむともいわれます。
また、婚礼などでもよく聞く謡曲『高砂』の最後に謡われる「千秋楽は民を撫で、万歳楽には命を延ぶ。相生の松風、颯々の声ぞ楽しむ、颯々の声ぞ楽しむ」からきているという説もあります。
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アイキャッチ画像:葛飾北斎『和田原甚四郎 花項山五郎吉』、メトロポリタン美術館より