米を炊くとき、どんな道具を揃えますか? まずは鍋や釜、ざる、そして水と米……。
え? 鍋も釜もない!?
でも、どうしても米が食べたいんだ~!
そんなお困り、華麗に解決できます。
そう、戦国の知恵ならね。
鍋も釜もないのにどうやって……?
もちろん、鍋や釜があったほうが便利ですし、土鍋ごはんなんて最高です。
和樂web編集長のセバスチャン高木さんなんて、土鍋ごはんを愛するあまり、和樂web公式キャラクター「土鍋ちゃん」と、ど根性ガエルみたいに一体化してしまったことも(訳:土鍋ちゃんTシャツを愛用しているみたいです)。
ちなみに、土鍋ちゃんグッズはこちらから購入できます。浮世絵グッズもカワイイヨ。
さて、鍋や釜がない、しかし炊き立てのおいしい米が食べたい、そんなときの方法を2つご紹介いたします!
包んで埋めて燃やせ!
まずは、器が何もない時の方法。
1:米を手ぬぐいに包み、水でびっちゃびちゃにします。この「びっちゃびちゃ」がポイントになるので、遠慮なく水攻めに。手ぬぐいでなくてもOKですが、タオル地や起毛のものだといろいろくっつきそうなので、ガーゼ地のものがおすすめ。
2:地面を掘って、先ほどの米を入れた手ぬぐいを埋めます。自分で掘るのが大変なら、犬に掘ってもらいましょう。
3:掘って埋めた真上で、焚き火をしましょう。ファイヤー!
4:掘り起こして手ぬぐいを開けば、食べられます。
細かな時間やら掘る深さやら火の加減やらは、適当に。適当にやっておけば何とかなります。ならなかったら、次がんばれ。
沈めて焼け石を放り込め!
次に、直火にはかけられないけれど、器はあるとき。といっても、溶けてしまう危険性のある器はやめましょう。
1:米と水を器に入れます。
2:石を、アッツアツに焼きます。ほっかほか程度ではだめ、焼け石になるまでアッツアツに。
3:米と水の入った器に、焼けた石をドボン! やけどにはくれぐれも注意。
4:あとは炊けるのを待ちましょう。
こちらも、ちっちゃいことは気にしない。石にお米くっついちゃわない? とかも気にしない。くっついたら、かじればよろし。石の大きさも、お好きなものを。要は炊ければいいのです。
以上、2つとも試行錯誤の楽しさが存分に味わえます。
生米は食べるな! by いえやす
空腹でも、生米はそのまま食べてはいけません。フリではありません、消化不良でお腹を壊します。
器もなければ火も起こせない。そんなときには、水に4時間ほど浸しておいてから食べろ。……と、徳川家康は家臣に指示したのだとか。
体を張って検証してみようかと思ったのですが、残念ながらワタクシとってもお腹が強い。参考にならない(ただし、脂身にはめっぽう弱いので、高級牛肉が食べられないお得な体質)。
でも確かに、1時間程度浸しているだけでも、一見して米が大きく膨らんでいるのが分かり、硬さも簡単に嚙み砕けるくらいになっています。現在の精米技術は当時に比べて飛躍的に進歩しているので、4時間までは必要ないのかもしれませんね。
どうしても米が食べたいけれど、鍋も釜も火も何にもない、というときには、試してみてもいいのかもしれません(お腹が弱いかた、あるいはお腹の強いかたも体調のすぐれないときには、できればやめておきましょう)。
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レシピ参考資料:永山久夫『たべもの戦国史』河出文庫