2018年5月27日まで、和泉市久保惣記念美術館で開催中の特別陳列「所蔵名品撰-久保惣コレクションの絵巻-」。現在、国宝「青磁鳳凰耳花生 銘 万声」を公開中です。
国宝「青磁鳳凰耳花生 銘 万声」 中国・南宋時代(13世紀) 龍泉窯 1口 高30.8cm 口径10.8cm 胴径14.1cm 底径11.7cm 和泉市久保惣記念美術館 大阪 展示期間:展示中〜5月27日
茶人が憧れた「砧青磁」
中国浙江省地方で南宋時代に焼かれた質の高い青磁は、鎌倉時代から室町時代にかけて日本にさかんに輸入され、「砧青磁」という名で茶人によって珍重されてきた。本作は、鳳凰形の耳が付いた砧青磁の花生。江戸時代前期の後西天皇が、砧を打つ音の響く様子を表す「千声万声」の詩句にちなみ、銘を付けた。口縁や鳳凰の部分で、青緑色の釉薬から生地の白い土が透けて見える様子が美しい。肩などには釉薬が厚く掛かり、均整のとれた形ながら、丸みを帯びた柔らかい印象を与える。同形のものがいくつか伝世しているが、本作1点のみが、その端正な姿を評価され、国宝に指定されている。
◆ここで見られる!
和泉市久保惣記念美術館