鎌倉時代の仏教美術の粋が集積している蓮華王院三十三間堂。その目と鼻の先にあるのが、京都に訪れたら立ち寄りたい必見スポット「養源院(ようげんいん)」です。
宗達の代表作「白象図」を間近で体験!
養源院は、父・浅井長政(あざいながまさ)を追善して淀殿(よどどの)が建立。当時の建物は焼失しましたが、伏見城(ふしみじょう)の遺構を移して再建しました。その際、本堂の襖12面と杉戸8面を描いたのが、京都が生んだ琳派の天才絵師・俵屋宗達(たわらやそうたつ)です。
俵屋宗達「白象図」重要文化財 江戸時代・元和7(1621)年ごろ 杉戸2面 板地着色 各182×125cm 養源院
2枚の杉戸に描かれた「白象図(はくぞうず)」は、どちらも画面いっぱいに勇ましくもほのぼのとした象が。何より、描かれた往時の場所で当時のまま常時拝観できる点が、日本美術ファンにはたまらないポイントです。のちに国宝「風神雷神図屏風」(建仁寺蔵)を描く宗達のこの出世作、京都国立博物館や三十三間堂とともに楽しみたいものです。
◆養源院
住所 京都府京都市東山区三十三間堂廻町656
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