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2023.04.10

『鬼滅の刃』で注目!刀鍛治の里は今もある?刀鍛治って何する人?

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大人気作品『鬼滅の刃』は、原作漫画が完結した現在でも能狂言『鬼滅の刃』追加公演が決定するなど、話題沸騰中です。
テレビアニメでも2023年4月から「刀鍛冶(かたなかじ)の里」編が放送されますね。

ところで、令和の現代でも刀鍛冶の里ってあるのでしょうか?
そして、刀鍛冶って何をする人?
3分でざっくり解説します!

刀鍛治って、はっきりわかってないかも……。

刀鍛冶の里は今もある?

作中の設定のような秘密の地、ということではないのですが、今も「刀鍛冶の里」のように刀の職人が集まっている場所があります。

岐阜県関市

岐阜県関(せき)市は、現在でも刃物の街としてよく知られています。
明智光秀の愛刀を生んだ美濃国・岐阜県。スミカマ本社で関刃物の真髄を再発見

関は「孫六兼元(まごろくかねもと)」「和泉守兼定(いずみのかみかねさだ)」はじめ、昔から名刀工を輩出してきました。
現在でも、「この街の中ですべての刀製作の工程が完結する※」と言われるほど、刀の職人が多い場所です。

「関鍛冶伝承館」(岐阜県関市南春日町9番地1)では、刀に関連した展示や、古式日本刀鍛錬・日本刀にまつわる各分野の職人の実演を見学することができます(実演は月1回、詳細は公式サイトにてご確認ください)。

※日本刀製作は、作業工程をいくつかに分けてそれぞれ専門の職人が存在する分業制です。

岡山県瀬戸内市

かつて備前国と呼ばれていた岡山県東部は、古くから刀剣の産地として知られ、国宝指定品はじめ数々の名刀がこの地で生み出されました。

「備前おさふね刀剣の里 備前長船刀剣博物館」(岡山県瀬戸内市長船町長船966)では、備前刀を中心とした刀剣展示のほか、全国的にも珍しい、日本刀にまつわる各分野の職人の常駐実演や、月1回の刀鍛冶による古式鍛錬が公開されています。また、一般向けの小刀製作講座・日本刀手入れ講習会・ペーパーナイフ製作講座なども定期的に行われています(詳細は公式サイトにてご確認ください)。

日本刀の聖地・備前長船!「山鳥毛」など至高の刀剣が守るまちの姿

刀鍛冶とは何をする人?

刀鍛冶とは、簡単に言うと「刀を作る人」です。

1振の刀ができるまでには、刀鍛冶・研師(とぎし/刀の形を最終的に整えて仕上げる)・白銀師(しろがねし/はばきを作る)・鞘師(さやし/鞘を作る)・柄巻師(つかまきし/持ち手部分の柄に糸を巻くなどしてきれいに仕上げる)・塗師(ぬし/鞘に漆を塗る)・装剣金工師(そうけんきんこうし/刀の金具を作る、刀身に彫刻を施す)などが関わっていますが、刀鍛冶は「刀を鉄から形作り・刃文を焼き・作者の銘を切る」といった作業を行っています。

こんなに作業工程があるのですね!!

そう、現在でも日本刀を作っている人がいるんです!(※日本刀製作には国家資格が必要です)
職人に刀剣の魅力を聞く!若手刀匠、黒本 知輝さんインタビュー

アイキャッチ画像:岳亭 春信『本朝二十四孝 楠帯刀正行 太平記』メトロポリタン美術館より

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人生の総ては必然と信じる不動明王ファン。経歴に節操がなさすぎて不思議がられることがよくあるが、一期は夢よ、ただ狂へ。熱しやすく冷めにくく、息切れするよ、と周囲が呆れるような劫火の情熱を平気で10年単位で保てる高性能魔法瓶。日本刀剣は永遠の恋人。愛ハムスターに日々齧られるのが本業。

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幼い頃より舞台芸術に親しみながら育つ。一時勘違いして舞台女優を目指すが、挫折。育児雑誌や外国人向け雑誌、古民家保存雑誌などに参加。能、狂言、文楽、歌舞伎、上方落語をこよなく愛す。ずっと浮世離れしていると言われ続けていて、多分一生直らないと諦めている。