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非日常のくつろぎを与える日本初の文化財登録喫茶店
フランソア喫茶室
朝10時の開店から店内はすでにムーディな雰囲気。全身を包み込むほどのボリュームで、壮大なバロック音楽が流れていました。まるでフランソア喫茶室が誕生した昭和9(1934)年にタイムワープしたみたい。つかの間の、日常からの逃避行を楽しみます。
接客をしてくれたウエイトレスさんは製菓学校の先生の紹介で入社して2年目だそう。「ここは今でも機械を使わずに手でケーキをつくっているから、勉強になるよと言われました」。こういう話が思いがけず聞けるから、旅先のおしゃべりはやめられません。
この店といえばレアチーズケーキが人気ですが、特製プリンやコーヒーゼリー、サンドイッチやトースト類も、完璧に整えられていて、味も抜群。ネルドリップで淹れるコーヒーしかり、手の力から生まれるおいしさがこの店を支えているのでした。
歴史のある店でありながら、その重みを主張しないところも、心地いい。1から234番まで決められているというBGMも「お客様のリクエストに応じて音楽を変えたりするんですよ」。底知れない魅力をたたえた喫茶室です。
フランソア喫茶室 ふらんそあきっさしつ
住所:京都市下京区西木屋町通四条下ル船頭町184
電話:075-351-4042
営業時間:10時~22時(食事20時L.O.、飲み物とケーキ21時30分L.O.) 年末年始・夏季2日休
公式サイト:https://francois1934.com/
構成/藤田 優 ※本記事は雑誌『和樂(2018年4・5月号)』の転載です。