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2026.08.31

【琳派とマリメッコ、その美をつなぐもの】 マリメッコと琳派の人気の秘密と最新展覧会情報! 

和樂8・9月号の大特集「奇跡の『琳派』大解剖」では、江戸時代に登場した琳派という画派について深く掘り下げて紹介しました。そのなかで注目されたのが、「琳派」とフィンランドのテキスタイル・ブランド「マリメッコ」を比べた企画。マリメッコで活躍したデザイナー、石本藤雄さんの記事に続いて、今回は、琳派とマリメッコの共通項を探ると同時に、各地の美術館で巡回展が開催されているマリメッコの展覧会についてご紹介します。

江戸時代の日本生まれ! 時代を超えて愛される琳派の絵画や工藝

【琳派とマリメッコ、その美をつなぐもの】大人気の「マリメッコ」で活躍したデザイナー、石本藤雄さんを訪ねて」でご紹介したように、琳派の意匠と身近に接してきた私たちは、マリメッコに親近感を覚えることが少なくありません。琳派の作品には、可憐(かれん)な草花のモチーフが多く、現代に生きる私たちが見ても、思わず「かわいい!」と言いたくなる絵画や工藝作品がたくさんあります。時代を感じさせないモダンさは、琳派の大きな魅力といえるでしょう。

尾形光琳の『燕子花図屏風』や鈴木其一の『朝顔図屏風』のように、限られた色とかたちのパターンが反復する琳派の絵画の花々。時代も場所も遠く離れているのに、フィンランド生まれのマリメッコのデザインと、どこか通じるところがあるように思えるから不思議です。

色鮮やかにデフォルメされたモチーフの絵柄が、着物やうつわなどの工藝と相性がいいことも、琳派とマリメッコの共通項。「かわいい!」「美しい!」と思うもので、暮らしを豊かにしたいという気持ちは、古今東西、永遠です。

マリメッコ!? な琳派

『朝顔図屏風(あさがおずびょうぶ)』(右隻) 鈴木其一 江戸時代・19世紀 メトロポリタン美術館

金地を背景に、のびのびと広がる群青色(ぐんじょういろ)の朝顔の花々。其一は、群青色の岩絵具(いわえのぐ)に混ぜる膠(にかわ)の量を減らし、絵具の粒子に光を乱反射させる効果で、ビロードのような質感を出したという。

『黒縮緬地松霞模様着物(くろちりめんじまつがすみもようきもの)』 昭和時代 メトロポリタン美術館

光琳の画風に由来する「光琳松」を大胆にあしらったモダンな着物。

左/「芥子図 扇面(けしず せんめん)」 俵屋宗達 『光琳派扇面畫集』(京都書院 1953年) 画像出典:国立国会図書館 右/『色絵椿文輪花向付(いろえつばきもんりんかむこうづけ)』 尾形乾山 江戸時代・18世紀 メトロポリタン美術館

宗達をはじめ琳派の絵は、扇(おうぎ)の面としても人気があった。「芥子図 扇面」は、扇面にデフォルメして描かれた芥子の花が可憐。
『色絵椿文輪花向付』は江戸時代の町人たちに人気があった、尾形乾山(おがたけんざん)の洗練されたデザインのうつわ。

マリメッコの、幸福感あふれる唯一無二の色とデザイン

1951年にフィンランドで創業したライフスタイルブランド「マリメッコ」。ビビッドな色づかいのバリエーション豊かなプリントデザインは、これまでに3500種類以上が発表され、世界中で愛されています。

人々の毎日の暮らしに彩り、喜び、前向きな心をもたらすことが「マリメッコ」のブランド・ミッション。装飾性だけでなく、デザイナーやプリント製作の職人たちの人の手の温かみや、フィンランドの自然や文化を映すデザインは、琳派の美意識と近く感じます。

琳派!? なマリメッコ

左/《ウニッコ》 マイヤ・イソラ 1964年 (C)Marimekko Oyj Suomi-Finland Maija Isola 1964 右/図案・ドレス:アンニカ・リマラ《ランケッティ》1963年/《ピルヴィ》1964年 (C) Marimekko Oyj Suomi-Finland Annika Rimala 1963/1964

《ウニッコ》はマリメッコを象徴する、アイコン的なデザイン。明るく表情豊かな色とかたちは、世界中の人々の心を惹きつける。
ファッションとの相性のよさもマリメッコのプリントの魅力。ドレスの配色がモダンで美しい。

左/《セイレーニ》 マイヤ・イソラ 1964年 (C)Marimekko Oyj Suomi-Finland Maija Isola 1964 右/《セッペル》 アンッティ・ケッキ 2022年 (C) Marimekko Oyj Suomi-Finland Antti Kekki 2022

《セイレーニ》はギリシャ神話に登場する海の怪物セイレーンに由来するネーミング。水の動きからインスピレーションを得た図柄は、インテリアから洋服まで幅広いバリエーションで展開されている。
フィンランド語で花輪を意味する《セッペル》。花の茎がやわらかな弧を描いて重なり合っているところをイメージした柄。紙を切り抜き、曲線を組み合わせてデザインされた。

大人気の世界的デザインを体感する展覧会が全国巡回!
「マリメッコ展 模様のちから Marimekko: Art of Printmaking — Beauty, Dream, Love」

展覧会キービジュアル 右上:Klaava, Annika Rimala, 1967/ 下:Viidakko, Pentti Rinta, 1981/ 左上:Seppel, Antti Kekki, 2022

マリメッコの創業者であるアルミ・ラティアの言葉を手がかりに、さまざまな年代のドレスやアートワーク、ファブリックを通じて、マリメッコの「模様のちから」を伝える展覧会。
この記事で紹介した作品が展示予定のほか、デザイナー・皆川 明によるインスタレーションも見どころのひとつ。

Fun in Finland (1964年) Photo: Tony Vaccaro / Tony Vaccaro Archives

●京都文化博物館/7月4日(土)~9月6日(日)
●東京都庭園美術館/10月3日(土)~12月20日(日)
●ひろしま美術館/2027年1月30日(土)~3月28日(日)
※北九州、富山、名古屋、長崎ほかへ巡回予定。
展覧会公式サイト:https://marimekko-ex2026-2028.jp/

※本記事は雑誌『和樂(2026年8・9月号)』の転載です。
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和樂web編集部


構成/高橋亜弥子、鈴木智恵(和樂)
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