江戸時代の日本生まれ! 時代を超えて愛される琳派の絵画や工藝
「【琳派とマリメッコ、その美をつなぐもの】大人気の「マリメッコ」で活躍したデザイナー、石本藤雄さんを訪ねて」でご紹介したように、琳派の意匠と身近に接してきた私たちは、マリメッコに親近感を覚えることが少なくありません。琳派の作品には、可憐(かれん)な草花のモチーフが多く、現代に生きる私たちが見ても、思わず「かわいい!」と言いたくなる絵画や工藝作品がたくさんあります。時代を感じさせないモダンさは、琳派の大きな魅力といえるでしょう。
尾形光琳の『燕子花図屏風』や鈴木其一の『朝顔図屏風』のように、限られた色とかたちのパターンが反復する琳派の絵画の花々。時代も場所も遠く離れているのに、フィンランド生まれのマリメッコのデザインと、どこか通じるところがあるように思えるから不思議です。
色鮮やかにデフォルメされたモチーフの絵柄が、着物やうつわなどの工藝と相性がいいことも、琳派とマリメッコの共通項。「かわいい!」「美しい!」と思うもので、暮らしを豊かにしたいという気持ちは、古今東西、永遠です。
マリメッコ!? な琳派

金地を背景に、のびのびと広がる群青色(ぐんじょういろ)の朝顔の花々。其一は、群青色の岩絵具(いわえのぐ)に混ぜる膠(にかわ)の量を減らし、絵具の粒子に光を乱反射させる効果で、ビロードのような質感を出したという。

光琳の画風に由来する「光琳松」を大胆にあしらったモダンな着物。

宗達をはじめ琳派の絵は、扇(おうぎ)の面としても人気があった。「芥子図 扇面」は、扇面にデフォルメして描かれた芥子の花が可憐。
『色絵椿文輪花向付』は江戸時代の町人たちに人気があった、尾形乾山(おがたけんざん)の洗練されたデザインのうつわ。
マリメッコの、幸福感あふれる唯一無二の色とデザイン
1951年にフィンランドで創業したライフスタイルブランド「マリメッコ」。ビビッドな色づかいのバリエーション豊かなプリントデザインは、これまでに3500種類以上が発表され、世界中で愛されています。
人々の毎日の暮らしに彩り、喜び、前向きな心をもたらすことが「マリメッコ」のブランド・ミッション。装飾性だけでなく、デザイナーやプリント製作の職人たちの人の手の温かみや、フィンランドの自然や文化を映すデザインは、琳派の美意識と近く感じます。
琳派!? なマリメッコ

《ウニッコ》はマリメッコを象徴する、アイコン的なデザイン。明るく表情豊かな色とかたちは、世界中の人々の心を惹きつける。
ファッションとの相性のよさもマリメッコのプリントの魅力。ドレスの配色がモダンで美しい。

《セイレーニ》はギリシャ神話に登場する海の怪物セイレーンに由来するネーミング。水の動きからインスピレーションを得た図柄は、インテリアから洋服まで幅広いバリエーションで展開されている。
フィンランド語で花輪を意味する《セッペル》。花の茎がやわらかな弧を描いて重なり合っているところをイメージした柄。紙を切り抜き、曲線を組み合わせてデザインされた。
大人気の世界的デザインを体感する展覧会が全国巡回!
「マリメッコ展 模様のちから Marimekko: Art of Printmaking — Beauty, Dream, Love」

マリメッコの創業者であるアルミ・ラティアの言葉を手がかりに、さまざまな年代のドレスやアートワーク、ファブリックを通じて、マリメッコの「模様のちから」を伝える展覧会。
この記事で紹介した作品が展示予定のほか、デザイナー・皆川 明によるインスタレーションも見どころのひとつ。

●京都文化博物館/7月4日(土)~9月6日(日)
●東京都庭園美術館/10月3日(土)~12月20日(日)
●ひろしま美術館/2027年1月30日(土)~3月28日(日)
※北九州、富山、名古屋、長崎ほかへ巡回予定。
展覧会公式サイト:https://marimekko-ex2026-2028.jp/

