早起きが苦手な人も阿寒湖へ訪れたら絶対これだけは体験してほしい〜! 和樂web編集部おすすめ、早朝6時発の「阿寒湖マリモクルーズ」。その見どころをレポートします。
阿寒湖って、どんな場所?
北海道釧路市、釧路空港から車で60分の場所にある阿寒湖温泉。街の名前にもなっている阿寒湖は国立公園に指定されており、周辺には今も雄大な自然が残されています。
また街の中心部には120人ほどのアイヌの人々が暮らす、北海道最大の「アイヌコタン(集落)」があります。民芸品店や展示施設などが立ち並び、毎年観光客が多く訪れます。
そしてもうひとつ、阿寒湖を代表するものといえば「毬藻(まりも)」。丸いまりもが群生しているのは、世界でも阿寒湖のみ。その希少性から、国の特別天然記念物にも指定されているのです。
そんな阿寒湖の観光の目玉でもある雄大な自然とアイヌ文化、そしてまりもをまとめて楽しめるのが「阿寒湖マリモクルーズ」です。
早朝の1便がおすすめな理由
阿寒観光汽船の「阿寒湖マリモクルーズ」は、通常、街の中心部にある乗船場からスタートして湖をぐるりと一周するコース(所要時間85分)となっています。
ただし、早朝の1便のみ、湖北部にある島のマリモ展示観察センターとの往復のみの短縮ルートに、アイヌの語り部が付いた特別コース(所要時間60分)となっています。
つまり、この早朝の1便に乗れば、阿寒湖の自然とまりもを観られるだけでなく、アイヌ文化にも触れられる!というわけです。
いざ、乗船!
というわけで、朝6時の便に乗るために、当日は5時50分に乗り場へ集合。
秋のはじまりのひんやりとした空気。早朝のおだやかな湖はまるで鏡のようです。
こちらが乗船する「ましゅう丸」。船体にアイヌの文様が描かれています。
船内は座席にもアイヌの文様が施されているほか、壁面に、儀式に使う道具や装身具、楽器などアイヌの工芸品の数々が展示されています。壁面の品々を鑑賞しているうちに、出発の合図が鳴りました。そろそろ出航です。
アイヌの民話と歌と楽器演奏
出航してまもなく、船の1階前方で、アイヌの語り部によるお話が始まりました。
この日の語り部は、アイヌコタンでアイヌ料理の店民芸喫茶「ポロンノ」を営みアーティストとしても活動されている郷右近富貴子(ごううこんふきこ)さん。
往路は、窓の外に見える湖と雄阿寒岳(おあかんだけ)、雌阿寒岳(めあかんだけ)ふたつの山を眺めながら、アイヌに伝わる山の伝説をお話してくれました。
息を飲む美しさ!
さて、外の風景に目を向けてみましょう。
阿寒湖は、約15万年前の噴火によって誕生した北海道で5番目に大きい淡水湖。国立公園に指定されていて、阿寒湖周辺の森には、アイヌの人々が「コタンコロカムイ(村を守る神様)」として崇めるシマフクロウをはじめ、世界最大級のオオワシ、エゾシカやキタキツネ、ヒグマなどが生息しています。
遊覧船から眺める湖は、それはもう、息を飲む美しさ。
雲が時折木々を覆い、それを写す湖の表情を一刻一刻変化させます。
ああ、早起きしてよかった…!
マリモ展示観察センター
出航してから20分ほどして、島が見えてきました。チュウルイ島です。
阿寒湖にある島は4つ。そのなかのひとつ、チュウルイ島には、マリモ展示観察センターがあり、ここでしか見ることのできない巨大な球状まりもの展示とその生態を学ぶことができます。なお、チュウルイ島の滞在時間は15分です。
というわけで、先を急ぎましょう。
船から降りて駆け足で、すぐに展示観察センターへ。中央にどどーんと、まりもの水槽が見えてきました。
近づいてみましょう。
小動物くらいの大きさのまりもが、ごろんごろん。こちらが、国の特別天然記念物である阿寒湖のマリモです。
阿寒湖に生育するまりもの数は6億5000万個…!ものすごい数ですよね。
しかし、球状のまりもが群生しているのは、世界でたった一箇所、この阿寒湖のみ。
阿寒湖のまりもは特別天然記念物にも指定される大変貴重な存在のため、こうした展示など限られた場所でしか見ることができないのです。
…おっと、そろそろ時間のよう。
じっくりと観察したい気持ちをおさえ、足早にマリモ展示観察センターを後にします。
1度で3つ楽しめる早朝遊覧船!
民謡と楽器の演奏をBGMに、乗船場へと船は戻ります。
演奏されたアイヌの弦楽器「トンコリ」は眠気を誘うといわれる、不思議な音色。
いや〜大満足の60分。あっというまに戻ってきてしまいました。
幻想的な風景と巨大なまりもに、アイヌの音楽。夢のような時間を1回のクルーズで体験することができました。阿寒湖旅行を堪能するなら、自信をもってこのクルーズをおすすめします。
阿寒観光汽船 阿寒湖マリモクルーズ
通常料金: 遊覧船一周コース 大人2,000円 子ども1,040円
団体料金(15名様以上): 大人1,740円 子ども910円
公式サイト: http://www.akankisen.com/exBoat1.html
※料金にはマリモ展示観察センター入場料金が含まれています
※12月〜4月上旬は冬季休航。4月下旬は不定期。