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2025.03.29

花魁・瀬川が掲載された「豪華本」が贅沢すぎるっ! 大河ドラマ「べらぼう」を100倍楽しむAtoZ【G】

吉原に生まれ、自力で江戸の〝メディア王〟となった男・蔦屋重三郎(つたやじゅうざぶろう)の仕事からプライベートまでを、AからZで始まる26の項目で解説するシリーズ【大河ドラマ「べらぼう」を100倍楽しむAtoZ】。第5回は、花魁・五代目瀬川(せがわ)も掲載された「G=豪華本」をご紹介します! Zまで毎日更新中! 明日もお楽しみに。

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蔦重AtoZ
G=豪華本『青楼美人合姿鏡』で出版業に本格参入

デビュー作『一目千本(ひとめせんぼん)』刊行の2年後、蔦重は自ら企画・構成した『青楼美人合姿鏡(せいろうじびんあわせすがたかがみ)』を耕書堂(こうしょどう)から出版しました。

絵師は当時の人気を二分していた勝川春章(かつかわしゅんしょう)と北尾重政(きたおしげまさ)の共作で、彫師(ほりし)や摺師(すりし)を一流のスタッフを起用。現在も高級和紙として知られる美濃紙(みのがみ)を使用した3冊組の豪華本でした。

「家田屋」の花魁はお外でまったり

右側のページの絵の上にあるのが妓楼の名。各妓楼のきれいどころの日常が華やかに描かれている。この豪華本を出版したことで、蔦重は一躍時の人となった。

作品の舞台は吉原。大河ドラマ「べらぼう」でも描かれていたように、妓楼ごとに分かれた見開きには、花魁(おいらん)や若手の新造(しんぞう)、少女の禿(かむろ)たちの日常が色鮮やかに描かれています。

最終ページの奥付には絵師の北尾重政と勝川春章のほか、共同版元として蔦屋重三郎のほかに山崎金兵衛(やまざききんべえ)の名が記されています。
これは、駆け出しの蔦重が出版の手続きを容易にするため、山崎金兵衛に許しを得て名だけ借りたという巧妙な手口。実際には蔦重がすべての編集を受け持ちました。

3冊組の豪華本は、春夏、秋冬と季節の情景で別れた2冊と、花魁たちが詠(よ)んだ発句(ほっく)を掲載した員外の巻末で構成。費用は掲載した妓楼や花魁から得ており、これほど贅沢なつくりの絵本はかつてないものでした。

これにより、版元である蔦重の名が知られるきっかけとなり、吉原のイメージアップにもつながったそうです。

「松葉屋」の花魁、五代目瀬川の姿も!

『青楼美人合姿鏡(せいろうびじんあわせすがたかがみ)』 北尾重政、勝川春章 彩色摺絵本3冊 安永5(1776)年 東京国立博物館 出典:ColBase( https://colbase.nich.go.jp)

最初のページには最高ランクの花魁・五代目瀬川(せがわ)を擁する「松葉屋」の様子が描かれている。大河ドラマ「べらぼう」では、瀬川へのはなむけとして、初めて瀬川を描いた絵だったことが明かされていて、切ない物語を盛り上げた。

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和樂web編集部


構成/山本 毅 ※本記事は雑誌『和樂(2025年2・3月号)』の転載です。 参考文献/『歴史人 別冊』2023年12月号増刊(ABCアーク)、『蔦屋重三郎と江戸文化を創った13人 歌麿にも写楽にも仕掛人がいた!』車浮代著(PHP研究所)、『これ1冊でわかる! 蔦屋重三郎と江戸文化』伊藤賀一著(Gakken)
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