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窯元に行くと、よりうつわへの愛着が湧いてきます
まずは、鳥取市河原町(かわはらちょう)の牛ノ戸焼の窯元へ。江戸時代末期より続く牛ノ戸焼(うしのとやき)は、地元の粘土と灰を使って梅模様の徳利など日用雑器を生産していましたが、昭和6(1931)年に「五郎八茶碗」が縁で吉田璋也の指導を受けた4代目小林秀晴が、緑釉黒釉の染分皿(そめわけざら)を最初に製作。柳宗悦より「形極めて美しい。将来牛ノ戸のものとして名を長く残すであろう」と、高く評価され、日本で最初の新作民藝の窯となりました。現在、6代目小林孝男さんと7代目小林遼司さんが日々作陶に勤しんでいます。
もう一軒は、鳥取市河原町の曳田川(ひけたがわ)の傍らにある人気の窯元、因州・中井窯(いんしゅう・なかいがま)へ。天然素材で調合する緑・黒・白の釉薬が特徴的な窯元です。2代目坂本實男(さかもとちかお)が吉田璋也の指導を受け、新作民藝の窯元としての礎を築き、当代の坂本章(あきら)さんが柳宗理(やなぎそうり)とのコラボレーションでさらに発展させました。日本陶芸展優秀作品賞を受賞する腕前で、手に馴染む質感にシェイプした、現代に合う〝用〟のうつわに仕上げています。
日本で最初の新作民藝運動の窯「牛ノ戸焼」
【窯元情報】牛ノ戸焼
うしのとやき
住所:鳥取県鳥取市河原町牛戸185
電話:0858-85-0655
営業時間:9時~17時
休み:不定(訪問時は要予約)
現代の暮らしに合う染分のうつわ「因州・中井窯」
【窯元情報】因州・中井窯
いんしゅう・なかいがま
住所:鳥取県鳥取市河原町中井243-5
電話:0858-85-0239
営業時間:9時~17時
休み:不定休(訪問時は要予約)
https://www.nakaigama.jp
撮影/伊藤 信 構成/新居典子
※本記事は雑誌『和樂(2021~2022年12・1月号)』の転載です。
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