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美しい! かわいい! もっているだけで幸せになる「箱藤商店」の絵付け桐箱
四季の変化に富む日本にとって、桐はとても重要な素材。湿度の高いときは湿気を取り込み、乾燥すると吐き出すなど、調湿性に優れているので、収納物をカビから守ってくれます。そのため桐は、桐簞笥(たんす)や美術品の保管箱によく用いられてきました。
「箱藤(はことう)商店」は、そんな桐箱を扱う専門店。より身近に親しめるよう、絵付けを施した美しい桐箱を製作しています。既製品は公式サイトから選べますが、特注の場合は、美大出身者や帯の図案を手がけてきたという店専属の絵師たちが、1点ずつはんなりとした趣で手描きをしてくれます。繊細なタッチの絵を、ぜひオーダーしてみてください。
「箱藤商店」店舗情報
読み方:はことうしょうてん
住所:京都市下京区堀川通五条下ル柿本町580‒8
電話:075-351-0232
営業時間:10 時~12時、13時~18時
休み:日曜・祝日
公式サイト:http://www.hakotou.co.jp/
京指物の伝統が息づいています。現代空間のアクセントに「興石」の和風照明
「興石(こうせき)」の和風照明の美しさは、唯一無二かもしれません。清らかな木の素材感が際立ち、空間にすっと溶け込むかのようです。
それもそのはず、「興石」は数寄屋(すきや)建築の名店、中村外二(なかむらそとじ)工務店の指物(さしもの)部。こちらの和風照明には、曲げ物・箍物(たがもの=桶・樽)・刳物(くりもの)・挽物(ひきもの=ろくろ)・指物からなる京指物の手わざが、隅々にまで詰め込まれているのです。
「数寄屋のスタイルに合わせて、できる限り木の線を細くし、なおかつ建築と同じくらいの寿命を保たせる、という相反することが、常に照明に求められてきました」と指物師の鳥原嘉博(とりはらよしひろ)さん。
ここで紹介している栗菊形(くりきくがた)や、陶筥(とうばこ)スタンドはかつて特注品として製作され、定番化した商品です。大きさや木の種類、コード、金具に至るまで、いろいろ柔軟に対応してもらえます!
「興石」店舗情報
読み方:こうせき
住所:京都市北区紫野西御所田町15
電話:075-451-8012
営業時間:10時~12時、13時~17時
休み:日曜・祝日
公式サイト:https://kohseki.com/akari2/
柄も色合いも自由自在に! 好きなように染めてもらえます「に志田」の座布団
「に志田だ」といえば、京呉服の名店として日本舞踊の家元や多くの著名人が、きものをオーダーしていることでも知られています。こちらの隠れた逸品が和の小物。風呂敷や座布団にも、伝統的なきものづくりの技が生かされています。
写真の5色座布団は、いかにも「に志田」らしい、むっくりとした色合い。生地は地厚な絹縮緬(きぬちりめん)なので独特な光沢があり、表は鹿(か)の子絞りで菊を、裏は帽子絞りで梅を表現しています。もちろんすべてを1色でそろえても素敵。
座布団は縦がやや長い長方形ですが、正方形のクッションもオーダー可能です。きっと暮らしの名脇役になってくれるはずです。
「に志田」店舗情報
読み方:にしだ
住所:京都市中京区円福寺町348
電話:075-231-3684
営業時間:10時~17時
休み:日曜・祝日
公式サイト:https://gofuku-nishida.co.jp/
※本記事は雑誌『和樂(2024年4・5月号)』の転載です。
※掲載価格はすべて税込で、価格や営業時間などは変更される場合があります。お出かけの前にご確認ください。
構成/植田伊津子 撮影/小池紀行(CASK)