日本の辺境・異境を物ともせずに旅に出る和樂スタッフが、「自分史上最高のご飯のお供」を、自前のお茶碗に盛ってプレゼン。故郷を思い出す味、取材で知った味…個性あふれる和樂スタッフの生の声をお楽しみください。
第10回「カネキ水産のかえりちりめんのオリーブオイル漬」
選・美術担当 山本 毅
和樂で17年編集に携わってきた山本さん。長きにわたり、フードジャーナリスト・向笠千恵子さんとの食紀行や温泉宿を巡る連載などを担当してきました。日本のすみずみまで取材を重ねてきた先輩に旅取材の楽しみをたずねたところ、「道の駅巡り、それから駅の直売所をのぞくこと」とのこと。その土地のよさを直接的に感じられるのは風土に根付いたご飯のお供に勝るものはないそう。
買い物をするときのアドバイスは? 「加工品の場合は材料の表示を必ず見ます。名物といいながらその土地のものでないものも最近多いしね。添加物が入っていないものならベスト。原材料を見て、その味の想像がつくものなら間違いはないでしょ」
「かえりちりめんのオリーブオイル漬」は静岡県掛川市に出張の折、掛川駅の販売所で見つけた自慢の品。このあたりの漁場といえば駿河湾。しらすの産地として名が知られていますが、それは同時にしらすが成長した「かえりちりめん」の産地でもあるわけです。ところが粉末だしの人気に追いやられて、かえりちりめんの需要は少なくなり、とれても海に帰してしまうそう。それを見かねた加工会社・カネキ水産が、かえりちりめんを使ってオイルサーディンをつくったのがこの商品というわけです。
「釜ゆでするときに塩を足しているようだけど、ちりめんにあるほどよい塩気がご飯のお供にぴったり。栄養価も高いし、小さな体に旨みが凝縮されているのがいい。オレ、小魚が大好きなんだよ。マグロよりも好きだな」
◆カネキ水産
住所 静岡県榛原郡吉田町川尻3138-31
公式サイト
新米特集 全10回
第1回 ちりめん山椒
第2回 ふくやの明太子
第3回 生あみ
第4回 養肝漬
第5回 いか塩辛
第6回 細切り柚子昆布
第7回 金糸瓜の粕漬
第8回 特白とろろ
第9回 牛肉茶漬
第10回 かえりちりめん