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Culture

2024.04.11

『和樂web』リニューアルから1年! 鈴木深編集長が語る「日本文化への想い」とは?

2023年4月に全面リニューアルした『和樂web』。新生『和樂web』を牽引してきた、鈴木深(すずき ふかし)編集長に、日本文化への想いや、独断と偏見で選んだおすすめ記事などを聞きました。

『和樂web』は「和文化」の素晴らしさに光を当て、世に伝えるメディアです!

みなさまこんにちは。『和樂web』編集長の鈴木 深です。2023年春に『和樂web』を全面リニューアルして1年がたちました。サイト全体の世界観や佇まいが『和樂』本誌とグッと近くなり、おかげさまで各方面から大変好評をいただいています。
『和樂web』は「和文化」の楽しさ、素晴らしさをみなさんに発信するメディアです。ともすると知らずに通り過ぎてしまう「和文化」のおもしろさを、ぜひとも多くの人に知ってもらいたい! そんな想いで、日々「和」にまつわる記事を中心に、幅広い世代に向けて“濃厚で熱い”情報をお届けしています。

たとえば2024年NHK大河ドラマの主人公・紫式部が書いた『源氏物語』。この大長編小説は、当時の平安貴族たちの生活を克明に記録した王朝絵巻であり、恋愛や出世争いの複雑な感情やさまざまな葛藤を掘り下げた心理考察書であり、文・絵・詩・書などについてくわしく言及する芸術評論であり、なんといっても宮廷内に実在したさまざまな人物をモデルにした大長編の一大エンターテイメント文学作品です。
よくフランスの大作家・プルーストの書いた長編小説『失われた時を求めて』と『源氏物語』の類似性を指摘する評論家がいますが、プルーストがこの作品を書いたのはつい100年前のこと。『源氏物語』は1000年前からこのクオリティで世に存在し、多くの人に親しまれてきました。

つまり…「日本ってスゴイ!」んです。このような「和」のすばらしさは、私たちのまわりにたくさん存在します。歌舞伎や能や文楽のような伝統芸能、漆や刺繍などの職人たちの超絶技巧、茶の湯や日本美術、洗練を極めた食と器、和装の美しさなど……例を挙げればきりがありません。『和樂web』は、これら「和文化」の素晴らしさに光を当て、広く世に周知させる照明装置でありたい!と思っています。

作り手の「手の良さ」を伝えたい

僕はこれまでPrecious、Men’s Precious等ファッション誌に長く携わってきました。そのような中で強く思ったことは、ファッションで最終的に行き着くところは、服や靴、バッグやジュエリーなどをつくる職人たちの「手のすばらしさ」です。
その最たるものはビスポークの服やオーダーメイドのジュエリーなどの一点もの。つまり職人たちの手仕事でつくられた自分のためのユニークピースです。これらは高い価格だから価値があるのではなく、「自分にぴったり合う自分だけのものを纏っている」という精神的な豊かさを与えてくれるから素晴らしいのです。そしてその豊かさを支えているのは、作り手の卓越した技術(=超絶技巧)です。

作り手の「手の良さ」が大切に受け継がれているのは、日本も海外も同じこと。『和樂web』では、素晴らしい職人技やアート作品を、日本はもちろん、海外のものも広く発信していきます。

連載陣の発信をお見逃しなく!

連載陣の顔ぶれもグッと幅広くなり、以前から人気の高い彬子女王殿下を筆頭に、直木賞作家の澤田瞳子さん、人気モデルのSHIHOさん、原 由美さん、俳優の阿部顕嵐さん、女優の蘭乃はなさん、美容家の石井美保さん、次世代を担う狂言師の野村万之丞さん、これから先の文楽を牽引していく織太夫さんなど、実に多様な才能が集結しています。
決して「和」の専門家が上から目線でキッチリと語る、というようなスタンスではなく、幅広いキャラクターの人たちが様々な視点で自由に「和文化」への愛情を語る、というスタイルで連載を進めていきます。

独断と偏見で選んだオススメ記事はこれ!

『和樂web』のオリジナル記事に加えて、これまでに『和樂』本誌で掲載して大人気を博した伝説的な特集なども、『和樂web』では積極的にアーカイブ掲載しています。『和樂』も『和樂web』もそうですが、「和」の専門家たちが心血注いでつくりあげたクオリティの高い記事を、一回限りで眠らせてしまうのは本当にもったいない!『和樂』本誌でも『和樂web』でも、タイムレスで魅力的な過去の記事は山ほどあるので、今後もいい記事は何度でもアーカイブしていくつもりです。
周りを見渡すと、ひたすら記事のボリュームで勝負するサイトや、とにかくクリック数を稼ごうとするサイトが散見されますが、『和樂web』はあくまでも記事の内容重視で今後も突っ走っていきます。「和のおもしろさ、奥深さを掘り下げて、ひろく紹介すること」が『和樂web』の命題です。

ちなみに最近の数ヶ月で、私が勝手に選んだリコメンド記事は、以下の通りです。
縫えども、縫えども、終わらない挑戦。世界を魅了する長艸敏明さんの「京繡」超絶技巧
愛する人が、子を宿したまま死去。花山天皇は悲劇の君?それとも破天荒な好色家?
愛しい女性の“人形”が、返事をしたら…人を惑わす人形たちの怪異譚
見せしめに手鎖の刑も。吉原を愛したメルチクリエイター・山東京伝の生涯
忠臣蔵に込める「熱くなくては伝わらないもの」歌舞伎俳優の尾上松緑が語る、あのときあの舞台の“こしらえ”
明智光秀は生きていた?将軍・家光の秘密と暗号から、天海=光秀説に迫る

これからも『和樂web』では、「和文化」のおもしろさを様々な角度から発信していきます。
私たちの人生を豊かにする”職人たちの超絶技巧”、心に深く刺さる“濃厚な歴史トピックス”、専門性を極めた“ストイックな考察記事”、どんどん進化する“日本芸能の現在”、あるいは目をそらしてはいけない“日本の黒歴史”まで、濃密で奥深い『和樂web』の記事にご期待ください。

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和樂web編集部

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