大祭の成功を祈りスタッフ43名で現地を訪れる
毎年、夏から秋にかけて石川県・能登地方各地で開催される「キリコ祭り」。五穀豊穣や大漁などを祈願しながら、大型の切子灯籠(きりことうろう)「キリコ」が神輿の先導役として担ぎ出され、町を練り歩く大きなお祭りです。なかでもこの日行われた「輪島大祭(わじまたいさい)」は、雅な総輪島塗のキリコが巡行することで知られ、太鼓の響きや笛の音、担ぎ手のかけ声に包まれる様子が、町に熱気を与えます。
キリコ祭りは江戸時代から開かれ、平成27(2015)年に日本遺産に認定。これまでは毎年200以上の祭りが行われていましたが、震災の影響で開催を見送らざるを得なかった地域も。しかしながら輪島では開催を決意。通常は市内にある4神社による祭礼ですが、今回は1300年の歴史がある重蔵(じゅうぞう)神社を中心に、規模を縮小しながらも、鎮魂の思いを込めて祭りを開くこととなりました。
7月に行われた輪島塗のイベントをきっかけに、キリコ祭りの開催を知った「ブルネロ クチネリ ジャパン」。代表取締役社長の宮川(みやかわ)ダビデさんの英断により、スタッフ43名が、この大祭にボランティアとして参加することとなりました。重蔵神社もまた、震災で建物が全壊している状況。祭りが開催される前の日中は、神社内の草むしりと瓦礫の撤去作業を敢行することに。神輿とキリコが出発し、帰着する神聖な場所として、少しでも美しい姿となるよう、スタッフたちにも気合いが入ります。
夕暮れからは輪島の人々と触れ合い、祭りを盛り上げる
夕方、日がだんだん暮れるころから、キリコ祭りの本番が始まります。重蔵神社が所有する神輿は、なんと重さ2t以上という、全国でも屈指の大神輿。担ぎ手が不足したため、輪島の人々に交ざり「ブルネロ クチネリ ジャパン」スタッフも参加しました。通常、女性は担げない神輿ですが、今回は可能だったため女性スタッフも挑戦。いつもとは違う華やかな活気を感じたという町の人の言葉が、印象深く残ります。
キリコは、町内を回ることで厄を集め、最後に神社にたどり着くことで祓い清められるといわれています。今回の祭りの開催にあたり、反対意見も、もちろんあったとか。しかしながら祭りとは、賑わい、祝うだけのものではないという思いも。震災で亡くなられた方々に鎮魂の祈りを捧げ、そして輪島の伝統を伝えていく。太鼓や笛の音が響く中、輪島の人々と触れ合い、ともに1日も早い復興を願う、「ブルネロ クチネリ ジャパン」にとっても、忘れられない日となりました。
問い合わせ
ブルネロ クチネリ ジャパン
03-5276-8300
www.brunellocucinelli.com