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2025.01.27

片岡千之助の連載 Que sais-je「自分が何も知らない」ということを知る旅へ!#004 初めてのNY

“Que sais-je(クセジュ)?”とは、フランス語で「私は何を知っているのか」。自分に問いかけるニュアンスのフレーズです。人生とは、自分が何も知らないということを知る旅ではないでしょうか。僕はこのエッセイで、日々のインプットを文字に残し、皆さんと共有します。第4回の「旅」は…初めてのニューヨーク。

初のNY エネルギーに溢れる街

まず本年もどうぞよろしくお願い致します。
2025年初回は昨年末にお仕事で初めて伺わせていただいたニューヨークについて書けたらと思います。

アメリカには旅行でロサンゼルスを訪れたことはあったのですが、同じアメリカと言えどもNYは大きく違うと前々から聞いていました。洋画などを通して多くの作品の舞台にもなっていたりで自分の中で色々なイメージが膨らんでいました。そしていざ到着してみますと、そのイメージ通りと言いますか、都会に住み慣れている人間からすると、想像していた雰囲気と大差ないように最初は感じられました。

今回のお仕事は東京観光のプロモーションで、グランド・セントラル駅で獅子の扮装で毛振りを披露させていただきました。3日ほどでその仕事を終えて、そこから約1週間、初のNYに滞在をしました。

舞台観劇で感じた気づき

イメージ通りだと感じたNYですが、数日間過ごしてみると自分の想像を上回るポイントが一つ見えてきました。

それは街に住む人や仕事で通う人々、旅行客など人種も限りなく多種多様な人間模様などなど、挙げたらキリのない多様性から生み出される人間のエネルギーや街の活気です。これは今の日本では見られない点でした。

滞在中には、舞台観劇ではブロードウェイへ行ってミュージカル「MJ」を拝見したり、アメリカンクラシックバレエの新作「罪と罰」を拝見しました。僕自身マイケル・ジャクソンは小さい頃からのファンでいつまでも憧れるスターなので「MJ」のキャストさん皆さんの熱量やMJ愛がほとばしるステージは涙が出るほどに元気をもらえました。

バレエに関しては、基本的に日本でしか見たことがなかったのでアメリカという国のバレエは如何なるものかと期待をしていました。実際に見てみるとダンサーの方々の技術は素晴らしく圧倒されるものがありました。ですが演出に対してはやたらと映像や字幕などの解説が伴ったためか、バレエの持つ身体表現の真髄から少し遠のいていたような気がしました。

ただそこで嬉しかったのはアメリカという国のスケールの大きさや華やかなイメージがありながら、その「期待を若干ながら下回っている」という感覚を経験できたのは日本人としてこれからまた何かNYでお仕事をさせていただく上での伸び代がまだまだあると思えたことです。

実際に触れてみないと分からなかった、実寸のスケールのNYを見られたことによって、心のどこかしらにあった“海外上げ日本下げ”のような意識がなくなり、日本人としての誇りやポテンシャルなどこれから自分が突き進んでいく表現の道に新たな光を得られた感覚でした。
またいつかNYで様々な人々に見ていただける舞台や表現が心からしたいと思える初ニューヨーク旅でした。

あ、最後に一つ
物価高すぎ。。。

関連情報

映画『わたくしどもは。』
2024年12月4日DVD発売&レンタル開始
https://watakushidomowa.com/

映画『九十歳。何がめでたい』
2025年1月8日ブルーレイ&DVD発売&レンタル開始
https://movies.shochiku.co.jp/90-medetai/

ルネサンス音楽劇『ハムレット』
2025年9月
主演:片岡 千之助
原作:ウィリアム・シェイクスピア
演出:彌勒忠史
会場:新国立劇場 小劇場
https://artistjapan.co.jp/performance/aj_hamlet2025/

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片岡千之助

2000年生まれ。2004年歌舞伎座にて4歳で初代片岡千之助として初舞台を踏む。2011年、片岡仁左衛門と戦後初の祖父、孫での「連獅子」を実現させる。2012年(当時12歳)から自主公演「千之会」を主催するなど芸事への研鑽を積みながら、2017年にはペニンシュラ・パリにて歌舞伎舞踊を披露、2020年『カルティエ』腕時計パシャのアチバー(達成者)に選ばれる。また昨今では大学に復学しながら、主演映画を続けて勤め、現代劇舞台、ドラマと様々な分野で表現者として邁進している。
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