Culture

2025.03.24

大河ドラマ「べらぼう」を100倍楽しむ! 蔦重のすべてをAtoZで大解説

2025年のNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」の主役となり、これまで知る人ぞ知る存在であった蔦屋重三郎(つたやじゅうざぶろう)、通称蔦重(つたじゅう)も今や時の人。吉原に生まれ、自力で江戸の〝メディア王〟となった男の仕事からプライベートまでを、AからZで始まる26の項目で解説します!

第一回の本記事では「A=あれもこれもヒット!」「B=べらぼう!」をご紹介! Zまで毎日更新するのでお楽しみに。

A=あれもこれもヒット! 太く短い蔦重の生涯


蔦重の出生地は幕府公認の遊郭、江戸・吉原(よしわら)。父は尾張国(おわりのくに=愛知県)出身の丸山重助(じゅうすけ)、母は津与(つよ)。本名は柯理(からまる)で、重三郎は通称です。

幼いころ両親が離婚。吉原の引手茶屋(ひきてぢゃや)「蔦屋」の喜多川(きたがわ)家の養子となり、23歳で吉原に書店「耕書堂(こうしょどう)」をオープン。絵本『一目千本(ひとめせんぼん)』を皮切りに、豪華本『青楼美人合姿鏡(せいろうびじんあわせすがたかがみ)』や絵本などで知られる存在になっていきます。

関連記事:知らなかった!蔦屋重三郎が「耕書堂」を構えた日本橋通油町に、版元が集中していた理由

やがて吉原ガイド『吉原細見(よしわらさいけん)』の独占出版権を得て、日本橋通油町(にほんばしとおりあぶらちょう)に出店。狂歌会に参加してネットワークを広げ、大人向け娯楽本「黄表紙(きびょうし)」や浮世絵でヒットを連発!

松平定信(まつだいらさだのぶ)による寛政の改革では、出版の規制が強化され弾圧を受けますが、蔦重はむしろ発奮。規制に抗いながら、喜多川歌麿(うたまろ)や東洲斎写楽(とうしゅうさいしゃらく)を世に出し、江戸随一の版元となるも、最期は脚気(かっけ)によって47年の生涯を終えました。

戯作者(げさくしゃ)・山東京伝(さんとうきょうでん)の黄表紙(きびょうし=大人向けの絵本)に描かれた蔦重。『箱入娘面屋人魚(はこいりむすめめんやにんぎょう)』 作/山東京伝 画/歌川豊国 黄表紙 寛政3(1791)年 国立国会図書館デジタルコレクション

蔦重略年表

寛延3(1750)年
1月7日、江戸吉原に生まれ、のちに喜多川氏の養子となる。

明和4(1767)年
田沼意次(たぬまおきつぐ)が幕府の側用人(そばようにん)となり、〝田沼の時代〟が始まる。

安永元(1772)年
23歳で吉原に書店「耕書堂」をオープン。

安永3(1774)年
最初の出版物『一目千本』を刊行。

安永5(1776)年
『青楼美人合姿鏡』を出版。

安永6(1777)年
浄瑠璃(じょうるり)富本節(とみもとぶし)の稽古本(けいこぼん)などを出版。

安永9(1780)年
黄表紙、往来物(おうらいもの=教科書)の出版を始める。

天明3(1783)年
34歳で『吉原細見』を独占出版。日本橋通油町に「耕書堂」開店。狂歌ブームで「蔦唐丸(つたのからまる)」の名で狂歌会に参加。

天明6(1786)年 
10代将軍徳川家治(いえはる)の死去により、老中・田沼意次が失脚。

天明7(1787)年
老中・松平定信による〝寛政の改革〟開始。出版に対する規制が強化される。

寛政3(1791)年
42歳で出版統制令により山東京伝とともに処罰を受ける。このころから歌麿の美人大首絵(おおくびえ)を売り出す。

寛政6(1794)年
45歳。東洲斎写楽の役者絵を発売。

寛政9(1797)年
5月6日、脚気により病没。

関連記事:47歳・蔦屋重三郎の死因は“寛政の改革”!?車浮代さんと紐解く江戸の食文化

B=べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~


令和7年のNHK大河ドラマは蔦屋重三郎が主役の「べらぼう~ 蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)~」。主人公・蔦屋重三郎を演じるのは横浜流星。

このニュースが2024年に発表されてから、蔦重の名前は急速に知られるようになりました。

もともと、江戸時代の文化に興味のある人には有名だったものの、一般には無名に近かった蔦重。それがいきなり大河の主役ですから、多くの方は驚かれたことでしょう。

このオリジナル脚本を担当する森下佳子(よしこ)さんは、「世界の中心で、愛をさけぶ」「JIN-仁-」「義母と娘のブルース」のほか、NHKでは連続テレビ小説「ごちそうさん」、大河ドラマ「おんな城主 直虎(なおとら)」、ドラマ10「大奥」など数多くのヒット作を手がけていて、期待どおりの出来栄えに蔦重ファンが急増中!

出演者はほかに、田沼意次=渡辺謙、平賀源内(ひらがげんない)=安田 顕(けん)、花の井(五代目瀬川)= 小芝風花(こしばふうか)、喜多川歌麿= 染谷将太(そめたにしょうた)などのほか、若手アイドルや演技巧者の脇役から里見浩太朗、石坂浩二などの重鎮らが名を連ね、配役だけでも楽しめるほどです。

イケメンすぎる蔦重役、横浜流星さん


令和7年 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」 作/森下佳子 音楽/ジョン・グラム これまで描かれることが少なかった版元・蔦重の人生やいかに!? 放送予定:2025年1月5日スタート(NHK総合)日曜20時 (NHK BS)日曜18時 (NHK BSプレミアム4K)日曜12時15分 写真提供/NHK
NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」公式サイト https://www.nhk.jp/p/berabou/ts/42QY57MX24/

題字は『和樂』でもおなじみの石川九楊さん!


石川九楊(きゅうよう)先生は『和樂』の創刊号以来、「書」の企画や特集の監修や解説でお世話になっている、まさに書のレジェンド!

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和樂web編集部


構成/山本 毅 ※本記事は雑誌『和樂(2025年2・3月号)』の転載です。 参考文献/『歴史人 別冊』2023年12月号増刊(ABCアーク)、『蔦屋重三郎と江戸文化を創った13人 歌麿にも写楽にも仕掛人がいた!』車浮代著(PHP研究所)、『これ1冊でわかる! 蔦屋重三郎と江戸文化』伊藤賀一著(Gakken)
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小林明

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