石庭ってどこを見たらよいの?京都観光の前に知っておきたい、枯山水の鑑賞ポイント【PR】

石庭ってどこを見たらよいの?京都観光の前に知っておきたい、枯山水の鑑賞ポイント【PR】

目次

京都の寺院を巡るなら、建築や仏像はもちろん石庭も外せない見どころのひとつ。これまでなんとな〜く眺めていたとしたら、それはもったいない!? 石庭ファンがどんなところに注目して鑑賞しているのかを知れば、今まで知らなかった世界が広がるかもしれません。

今回は、日本庭園の様式の中から、水を使わずに石や砂で山水の景色を表現する「枯山水(かれさんすい)」を中心にご紹介。ボードゲーム「枯山水」のデザイナーである山田空太さんと和樂web編集長・セバスチャン高木が、京都の7つの石庭と共に枯山水の鑑賞ポイントを解説します。

左:山田空太さん 右:セバスチャン高木

【山田空太さん プロフィール】

1981年、兵庫県生まれ。兵庫県宝塚市でボードゲームの企画・制作をする「イマジンゲームズ」の代表でゲームデザイナー。代表作は第1回東京ドイツゲーム賞『枯山水』や『ポストマンレース』『でんしゃクジラ』『フタリマチ』ゲームマーケット大賞2017エキスパート賞の『エンデの建国者』。最新作は『サイ富豪』

枯山水の鑑賞のベストシーズンは?

高: 今回、枯山水をいくつか周ってみて、冬って良い時期だなと感じました。

山: まず、春や秋に比べて邪魔するものが圧倒的に少ないですよね。

高: それは私も感じました。他のシーズンだと桜や紅葉に目を奪われて、庭の要素に集中して見ずに終わってしまうことがあります。あとは、比較的人が少なく、ゆったりと鑑賞できるのも冬の枯山水の良いところです。

妙心寺退蔵院から「元信の庭」を眺めながらの対談です。

枯山水、まずはどこから見るべき?

高: 江戸時代までにつくられた王道の枯山水なら、まず滝(※)を探すとわかりやすいですよね?

山: そうそう。僕は滝のような石をみつけたら、次は鶴島と亀島(※)を探します。

※滝・・・「枯滝(かれたき)」という、石を水に見立てて滝を表現する手法が枯山水ではよく用いられている。鏡石(かがみいし)と呼ばれる滝が落ちる様子を表現するための石を中心に構成されている場合が多い。
※鶴島と亀島・・・石や松で縁起の良い「鶴」と「亀」を表したもの。

高: 滝と鶴と亀。たしかにこの3つを見つけると、その庭がどんな水の流れを描いているのか、庭が描いている世界にグッと入り込めます。

初心者にオススメの枯山水は?

高: 最初に見るなら大徳寺大仙院のような「枯山水の王道パターン」と、龍安寺のような「哲学的な思想の庭」でしょうか? 大仙院と龍安寺は、枯山水を代表する名庭園ですが、全く違う特性を持っていますよね。

これぞ王道!大徳寺大仙院

永正6(1509)年、古岳宗亘を開祖として創建。方丈は国宝で、室中には相阿弥筆『瀟湘八景図』、檀那の間には狩野元信筆『四季花鳥図』の襖絵があります。

山: 大仙院の庭は、水墨画を立体化したような枯山水です。

高: 庭全体がまるで狩野派の山水画のような庭だから、アート好きには一押しですね。僕は、あえて奥行きを排除して真正面から座って見ることをおすすめします。斜めから見たり歩いて見ると、もったいないんですよ。大きな庭ほど移動して鑑賞したくなりますけど、この庭は小ぶりにして王道。だからこそ、じっと座ってじっくり堪能してもらいたいですね。

山: たしかに、大仙院の庭は、他に比べて少し狭いのに、凝縮されたパワーを感じます。

どこから見ても美!龍安寺

宝徳2(1450)年、細川勝元が徳大寺家の別荘を譲り受け、妙心寺・義天和尚を開山とし禅寺に改めました。方丈庭園は三方が築地塀の枯山水の平庭で、「虎の子渡しの庭」とも呼ばれています。

高: 大仙院の庭は視点が計算しつくされているから少し動いただけで絵画のような風景が壊れてしまう。ところが、龍安寺の庭には、ルールのようなものが感じられない。この庭は、大仙院と反対でとにかく動き回って見てしまうんですが、これが、不思議とどこから見ても美しいんですよね。

山: そうなんですよ、眺めているうちに、だんだんと自分がどこを見ているのかわからなくなるんです。龍安寺の庭はパーツの凄さというよりもレイアウトで訴えてくる。言葉に表せない感動があります。

高: どこから見ても美しいということは、きっと見る人がどう解釈しても許される庭なんですよね。ものすごく寛大なんですよ。自分だけの場所をみつけて、鑑賞してほしいですね。

庭以外にも目を向けるとおもしろい?

コントラストを楽しむ!正伝寺

文永10(1273)年、東巌慧安が渡来僧・兀菴普寧を開山として烏丸今出川に創建。その後、西賀茂の地に荘園を寄付され、弘安5年(1282)に現在地に移りました。

高: あのデヴィッド・ボウイが涙したといわれる庭! 僕はそんなイメージでしたが、山田さんはいかがですか?

山: 僕は、正伝寺といえば借景(※)です。比叡山をバックに刈り込みと白砂だけで形成されている庭というイメージ。

※借景・・・庭園の外にある山や樹木などの風景を、庭を形成する背景として取り入れる技法。

高: それがですね、つくられた当初、江戸時代は比叡山の借景ありきの庭ではなかったんですよ! 庭の奥には森があったそうです。

山: それは知らなかった!

高: 枯山水は時代によって見方も大きく変わると思って、今は比叡山を見るための庭のように思われがちですが、実はそうじゃなかった。しかも刈り込みや白砂だけで構成された庭って、石組みがメインだった当時の枯山水の中では、ものすごくアバンギャルドですよね?

山: 刈り込みだけでつくられている枯山水って、なかなか見ません。荒々しい森と、人工的な刈り込みや白砂の対比。想像してみると、コントラスの美しい庭です。

高: 借景に目を奪われて、私たちはこの庭の本質を見過ごしていたのかもしれませんね。

庭は見るタイミングで変わる?

高: 時代に限らず、枯山水は同じ庭でも見るタイミングによって印象が異なります。四季でも違いますし、1日の中でも朝と夕の時間でも違う。その違いが如実に感じられるのは、枯山水のシンプルさならではです。

山: 歳月による庭の変化もそうですし、見る人自身の変化もあるかもしれません。

重森三玲の傑作!大徳寺瑞峯院

天文4(1535)年、豊後のキリシタン大名・大友宗麟が創建。広縁の東端に唐門と玄関を付属する方丈は創建当時の建物で重文。「独坐庭」と北側の庭「閑眠庭」は昭和の巨匠・重森三玲作。

山: 瑞峯院とかも徐々に変わってるんですよ。だんだんとまろやかになっているというか。初めは猛々しいイメージだったのが、今はやさしいイメージのように感じられます。僕はこの庭、大好きです。

高: この庭をつくった重森三玲、山田さんはお好きでしたよね?

山: はい。重森は、もともと日本庭園の研究家で『日本庭園史図鑑』を書かれた方です。40代から本格的に作庭を始めて、有名なものだと東福寺の庭など手がけています。瑞峯院は、重森が主宰する「京都林泉協会」の創立30周年記念として手がけたものだそうです。

高: 重森三玲は日本庭園界の支柱。彼なしには現代の日本庭園は存在しないと私は思います。千利休や柳宗理と並ぶ、永遠のモダン。

山: 日本庭園の革命家ですね。

高: 革命家! たしかに彼の登場により、新しい価値観をもつ枯山水が生まれました。

山: 瑞峯院の「独坐庭(どくざてい)」は、盛り上がった苔と石のつながり、荒波のようにうねる砂紋、この動きがおもしろいんです。しかも、縦と横の対比に加えて、荒々しさと静けさ、2つの対比もある。そもそも音が聞こえるような庭って、やっぱり革命です。

山: そうです。ディレクターでもあり、プロデューサーであり、職人的なところもある人です。そんな重森三玲がトータルデザインしているので、どこを見ても美しいんですよね。

高: たしかに、今でいうアートディレクションが入ってるので、個別に見るというよりは、茶室とのマッチングなど、俯瞰して見るとより魅力が際立ちますね。瑞峯院は重森の美意識が端々まで行き届いているからこそ、アート作品としてのクオリティが高いように感じられます。

いろんな庭を楽しめる場所はある?

名建築・名画・名庭園を楽しめる!大徳寺本坊

正和4(1315)年、宗峰妙超が開創。応仁の乱の荒廃後、一休宗純が復興。方丈庭園は江戸初期の枯山水で、正面に聚楽第から移築した国宝の唐門。襖絵は狩野探幽筆の重要文化財です。

山: 大徳寺本坊の第一印象は…広くてダイナミック! 刈り込みも二重になっていてボリュームがありますよね。

高: ここは名作といわれる作品をいくつも楽しめるのも特徴です。唐門、狩野探幽の襖、そして枯山水。この庭も、あの唐門がなければ、もしかすると淡白な印象だったんでは? と思います。

山: なるほど、広大な庭を成立させるための、独特な組み方なのかもしれませんね。僕は唐門も含めてこの庭を鑑賞していなかったので、新鮮な見方です。

高: この時代の作庭は都市計画にも似ているような気がしていて、それをこの庭で存分に堪能できます。庭以外の要素も含めて鑑賞できる。例えば襖に描かれた狩野探幽の絵も、彼が描いたのはきっと庭ができた後でしょうから、庭を見て、どんなことを想像したのかなと、そういう想像や解釈の広がりがありますね。

4つの庭の個性を楽しむ!大徳寺龍源院

文亀2(1502)年、能登の守護大名・畠山義元、豊後の大友義長らによって創建。客殿は室町時代後期の遺構で、唐門や表門と同じく創建当初の建物。4つの庭もよく知られています。写真は「東滴壺」

高: 私が思うこの庭の魅力は、方丈を囲む4つの異なる庭。先ほどの本坊が3つの名作を楽しめるのに対して、ここは時代もタイプも異なる4つの枯山水を楽しめるのが魅力です。ひとつずつ見ていきましょうか。

山: 方丈の北庭にあたる「龍吟庭」。この庭は直線上に石が並んでいて大徳寺本坊と少し似ています。おもしろいのは、一番大きな石が斜めになっている点。今見ても苔も佇まいも美しいんです。

高: 方丈と庫裡(くり)との間の狭い場所につくられた「東滴壺(とうてきこ)」。名写真家の撮る東滴壺の写真がどれも縦構図なので、同じようにして見てみると、これがすごくカッコいい。この庭に関しては、縦方向から見るのがおすすめです。

山: 「一枝坦(いっしだん)」は昭和につくられた比較的新しい庭で、苔の楕円形がインパクトありますね。

高: 庫裏の南側にある「滹沱底(こだてい)」は阿吽の石で有名な庭ですね。

高: 4つの特性が異なる庭を楽しめるから、どんな人でも気に入る庭をみつけられるかもしれません。

陰と陽で禅を感じる!妙心寺退蔵院


応永11(1404)年、無因宗因禅師が創建。方丈は慶長年間の建物で重要文化財。狩野元信作と伝わる枯山水庭園、昭和の中根金作による池泉回遊式庭園「余香苑」、石庭「陰陽の庭」があります。写真は上が「陰の庭」下が「陽の庭」

山: まず「元信の庭」はちょっと特殊で、他に同じような庭がないと思うんです。まるで絵画のような、石の形もまろやかですよね。尖っている石が少なくて、平面的な構成になってる。

高: でも大仙院と違って水墨画ではなく日本美術の影響がはいった絵のよう。それは山田さんのおっしゃるとおり石の曲線もそうですし、緑の使い方もそうですね。

山: 「陰陽の庭」もユニークですよね。枯山水に使われるのは白砂が多いので、黒砂の使われた陰の庭に驚かされます。白砂がまるで海のようでもあるし、余白の美も感じられます。

高: 白砂の陽と黒砂の陰、それぞれが人の心の二面性に通じているそうです。見る者に意味を問いかけているようで、禅の修行場ならではの矜持を感じます。

撮影/伊藤信(人物)

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特集「京都 石庭めぐりガイド」 :
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