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2024.02.19

光源氏も帝も愛した「朧月夜」ってどんな女性?【源氏物語】

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女性としての余りある魅力をふりまき、移り気で堂々と浮気をしている。自分だけを愛してくれているわけではないけれど、なぜか男を虜にして離さない。そんな魅力のある女性は、どこへ行ってもモテてしまうもの。『源氏物語』にも、愛に奔放に正直に生きた美しい女性がいました。

その女性は、なんと時の天皇と光源氏を二股にかけていたのです。平安時代当時、日本の頂点に君臨していた時の天皇と、日本を代表するモテ男光源氏から愛されていた女性とは、一体どのような人物だったのでしょうか?

華やかで美人なお嬢様、その名も「朧月夜」

「朧月夜(おぼろづきよ)」。この呼び名は、光源氏と出会った夜に朧月夜が口ずさんだ「照りもせず 曇りもはてぬ 春の夜の 朧月夜にしくものぞなき」という大江千里の和歌の一節に由来します。

曇っているでも照っているでもない、春の夜の朧月夜ほど美しいものはない、という意味。

朧月夜は右大臣(エライ人)の六女で、姉は弘徽殿の女御(天皇の母)という非常に高貴な身分です。容姿は華やかな当世風美人で才気があり、時の天皇も光源氏も夢中になってしまいまいました。

ストレートで熱烈な愛情表現にメロメロ!

源氏物語の舞台となる平安時代では、女性が自分の気持ちをストレートに表現したり、愛に奔放に生きたりすることは良しとされていませんでした。しかし、朧月夜は自ら光源氏と逢う機会をつくるなど、ストレートな愛情表現をしていました。

国立国会図書館デジタルコレクション 「源氏五十四帖 八 花宴」 著者:月耕 

朧月夜と光源氏のやりとりは、まるで現代の恋愛映画を観ているかのようにドラマティックに描かれています。今のわたしたちでもドキドキするような展開なので、源氏物語を読んだことがない方でも楽しめるでしょう。朧月夜が最初に登場するのは『花宴(はなのえん)』の巻。ぜひご一読ください!

『源氏物語』あらすじはこちら

光源氏失脚の一因にも

楊貴妃と玄宗皇帝をはじめとし、愛にのめり込むあまり身を滅ぼした男女は数知れず。朧月夜もまた、光源氏を一時失脚へと追いやった一因となりました。

もともと朧月夜は光源氏の実の兄である時の天皇に嫁ぐ予定でしたが、光源氏との恋愛がバレてそれが白紙に。朧月夜の父は光源氏の政敵だったため、光源氏は京都から須磨へ移り住むことを余儀なくされました。

神戸の須磨は美しい場所だが、光源氏が京都から離れることは事実上の失脚を意味した。ただし、朧月夜と光源氏の恋愛が罪にあたるわけではない。

あなたのそばにも朧月夜が潜んでいるかも…?

「こんな美人になら騙されてもいいなぁ」なんて、世の男性は一度くらい想像したことがあるのでは?騙すつもりなんか全くなく、天性の小悪魔的魅力を備えた女性は現実世界にもたくさんいます。

もしかしたら既に身近に朧月夜がいて、いつの間にか後戻りできなくなるほどその魅力の虜になってしまっているかもしれません。ほら、あなたの後ろにも…。

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