帯が主役の秋コーデ
今日はなんといっても薔薇の帯が主役! この帯は、私の中学生時代からの親友が、「祖母の形見なんだけど……」と譲ってくれたもの。

「今回のアフタヌーンティーのテーマはアンティーク・ローズです」と連絡があり、手元にはちょうど取材の1ヶ月前に我が家へやってきた、この薔薇の帯。これは運命に違いない! 即決でした!!
ベージュの縦縞江戸小紋で、薔薇の甘さを引き締めて
アフタヌーンティーの「アンティーク・ローズ」が秋らしい色合いだったので、着物もシックなベージュの色味と柄をチョイス。

縦縞は西洋でも和物でも“男性の柄”として使われてきました。男物の着物やスーツではよくストライプが多用されますよね。日本では江戸時代に遊女たちが縦縞の着物を好んで着たことが、浮世絵で市井に広まり、庶民の中でも大流行したのは有名な話。今でも粋な着物の柄として親しまれています。
今日は甘くなりすぎないように、薔薇柄の帯に対して縦縞を選びましたが、色味は柔らかいベージュにして、お店やアフタヌーンティーに合うようにしました♪
浅葱の帯締めと緑の扇子で差し色をプラス
薔薇の帯と縦縞の着物で甘辛コーデをベースにしつつも、全体の色味は“甘め”なので、小物で差し色をして“辛み”を足しています。
まずは帯締め。帯の薔薇が切花だったので、お水を吸えるように……という意味で浅葱色の帯締めをチョイス。この浅葱色が万能なんですよ〜! かなりの頻度で使っています。

扇子は緑で、これも薔薇の茎をイメージ。友人からのプレゼントでMARNIの普段用のお扇子を挿しています。開くと水玉が出て急にポップになってしまうのであおがない前提で……お茶扇と同じ部類だと思うようにしています(笑)
帯揚げ・バッグ・髪型で、アンティーク・ローズの世界を完成
帯揚げはチョイ甘で、飛び柄の絞り。

深い紅色で帯と色味を揃えつつ、襦袢の色の白と合わせることで、清涼感も残します。万が一暑くて水玉の扇子であおいでいても、「帯揚げも水玉模様だから、合わせたの♪」と言い訳もできるようにしています(笑)。
ほら、着物は着る人の中にある物語が大切だから、ねっ?
そして、バッグは超辛口! ステラマッカートニーのファラベラをON!

帯と色を合わせつつ抜け感を取り入れています。えんじ色に近い赤だからか意外と着物にも合う気がして、普段の着物のお出かけに選ぶことが多いです。キメキメにしたくない時に。ちょっと不良風です。
ヘアスタイルは、最近マイブームの、ふんわり団子。

今回はサイドは少しふんわりさせ、お団子にボリュームを出しました。お団子を小さくして、サイドや後頭部にさらにボリュームを持たせると、よりクラシカルな印象になると思うので挑戦してみたいです。

正面は辛口アイテムが多かったので、後ろ姿は甘く。スワロフスキーがあしらわれたミハエルネグリンのバレッタをつけました。これは宝塚の娘役時代に愛用していたもので、今では着物の時にしかつけませんが大切にしています。クラシカルな雰囲気があって合わせやすいです。
友人から託された薔薇の帯。想いを受け継いで
冒頭でもお話しましたが、主役にした薔薇の帯は、親友のお祖母様の形見です。
「私は着物のことは疎いけれど、この帯はすごく可愛く素敵に感じて、蘭にあげないといけない気がして」そんな言葉とともに、譲ってくれたもの。よく見たら、しっかり折り跡もついていたので、お祖母様もお気に入りの帯だったのだろうな……と涙が。しっかりヘビロテして大切にする所存です!
身近な人の想いを大切にできる着物って素敵だな、と改めて思いました♪
撮影/根本佳代子

