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2017.02.16

光琳に仁清!国宝3点、重文66点を所蔵する熱海のMOA美術館

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内覧会狂想曲第2弾!

MOA美術館は、岡田茂吉氏のコレクションをもとに、岡田氏の生誕100年の年=1982(昭和57)年に開館しました。岡田氏は、美術品は人々の心に福音をもたらすとの考えから、戦後いくつかの美術館を開設。同時に、美術品の海外流出を防ぐことに尽力したと言われています。

この岡田茂吉氏の意志を引き継ぎ、同美術館を運営しているのが、公益財団法人岡田茂吉美術文化財団です。そしてその頭文字、Mokichi Okada International Associationをとって、MOA美術館となったのです。
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光琳最晩年の名作「紅白梅図屏風」は何度みてもすごい!

さて、MOA美術館といえば、なんといっても尾形光琳作の国宝「紅白梅図屏風」。二曲一双の屏風に描かれた、紅梅と白梅、そしてその間に描かれた水流。金地屛風の華やかさもさることながら、その構図の妙はみるものを圧倒します。豊穣なる女性のボディラインをも想起させる水流と、そこに描かれたグラフカルな流水紋。紅梅の力強い幹の描き方と、白梅の繊細な枝ぶり。琳派の特徴を表すたらし込みの技法・・・。これぞ、世界に名だたる日本美術の極み!といえる作品です。

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同作品は、毎年、熱海の梅林に梅が咲き誇る2月頃、展示されることが多いので、今年みられなかった人も、来年、再来年と公開を期待したい作品です。

もうひとつ、同館を代表する美術品といえば、野々村仁清の「色絵藤花文茶壺」。やはり国宝です。丸みのあるみごとなフォルムと、そこに巧みな構図で描かれた藤の花!一度みたら、その前から立ち去りがたい気持ちにさせる、魅力ある作品。仁清の作品の中でも最高傑作とされるものだそうです。
3番目の写真

これまでも同館を代表する作品でしたが、今回の杉本氏によるリニューアルで、この仁清の壷だけのための特別室が新設。

これまでは、他の作品と同じ展示室内での鑑賞でしたが、日本美術史を代表するにふさわしいスーパースター用の“個室”が用意されたわけです。このスーパースターの“個室”は、ライティングもスーパースターにふさわしいもので、上からスターを照らし出すスポットライトのような照明で、実にドラマティックに仁清畢生の作品が浮かび上がってみえるように展示されています。

同館の看板作品だけに、“いつ来ても会える国宝”として、今後は常時展示されるということです。

国宝3点! 重要文化財66点!絵画、工芸品、茶道具・・・日本美術の殿堂

この2つの国宝は、MOA美術館を語る上で、欠かせない存在ですが、実は同館にはこれ以外にも恐ろしい量の、貴重な美術品が所蔵されています。上記2点を含む国宝3点、さらに重要文化財はなんと66点!しかもそのジャンルは、琳派ばかりではなく、水墨画、南蛮美術、浮世絵、中国絵画、仏教美術、書跡、日本の陶磁器、中国陶磁器、漆芸や金工などの工芸品、茶道具まで・・・多岐にわたっているのです。そしてどの分野でも、重要文化財、重要美術品などの貴重な作品が含まれているので、その展示は、季節ごとに、訪れる度に新しいものに出合えるし、またさながら日本美術の教科書のようでもあるのです。
 
創立者・岡田茂吉氏は「熱海に世界的な美術館を」と願ったと言われますが、まさに世界的美術館と呼ぶにふさわしい存在です。
第2弾最後の写真

今回のリニューアル・オープンを記念して、2月5日から3月14日(火曜日)まで「リニューアル記念名品展」が開催されていますが、そこでは、このMOA美術館のもつ名品が、ほぼ全部に近く登場しています。内覧会に来たジャーナリストたちからは「知ってたつもりだけれど、こんなにたくさんの名品、特に重要文化財をもっていたことを、改めて思い出てビックリした」との言葉が出ていました。
 
全ジャンルに渡っての名品目白押しの、今回の「リニューアル記念名品展」の中味については・・・さらに次回のご報告・・・ということで・・・(次号へ続く)

MOA美術館

住所/静岡県熱海市桃山町26-2 地図
開館時間/9時30分〜16時30分 (最終入館は16時まで)
休館日/木曜日(祝休日の場合は開館)、展示替日、年末年始
観覧料/一般1,600円 (1,300円)高大生1,000円 (700円)シニア割引1,400円障害者割引800円小中生無料
    
ホームページ/http://www.moaart.or.jp

【内覧会協奏曲(MOA美術館)】
第1弾 杉本博司の設計でリニューアルのMOA美術館に大感動!
完結編 北斎も歌麿も登場!リニューアル記念名品展はこんなにすごいぞ!