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読み物
Art
2017.07.18

和やかなひとときが流れる『書』のある現代空間を楽しみましょう!

この記事を書いた人

それは知的な建築空間に合う、最高の現代アートでした

とかく難解なイメージの書ですが、見方を変えてアートとして見てみると、意外と素直に対峙できることに気がつきます。しかもそれは意外なほど現代空間にマッチするのです。ここでは、なぜ『書』が建築空間に合う最高のモダン・アートと言えるのかを考えるとともに、京都で見つけた『書』のある居心地のよい現代空間をご紹介します。
①-min当代屈指の書家・石川九楊さんが揮毫(きごう)した李賀の詩。

現代空間で書を眺めていると時を忘れそうになる

アートと書の垣根を易々と超えたかのように見える石川九楊さんの書は、京都を代表する老舗の本店の売り場でも、私たちを迎えてくれます。それが、創業江戸・享保年間という老舗の和菓子屋『鍵善良房(かぎぜんよしふさ)』と慶応元(1865)年に創業した女性の髪まわりの小物を扱う『かづら清老舗』です。そのいずれの書も、老舗が醸し出す独特の風格と現代建築という空間と相まって、「書こそ最高のアート」という言葉をそっと私たちに伝えてくれているかのようです。
スクリーンショット 2017-07-11 16.28.47『鍵善良房』の本店売り場には、石川九楊の書『茶前酒後不可無(ちゃぜんしゅごになくべからず)』とともに、白樺派の作家・武者小路実篤が『鍵善良房』と揮毫した書がかかる。

歴史をひもとくと、そもそも日本に美術=アートという概念がもたらされたのは明治時代になってからのことです。それまで私たちは絵や書を、それがアートかアートでないかを意識することなく慈しみ楽しんできました。この美術という概念の導入によって、日本の美術界を中心として、はたして書はアートなのか?という議論が巻き起こりました。ある人は、書が人に感動を巻き起こすのはその詩句、つまりは内容からなので美術ではないと言いました。また、別の人は、書は字の大小、空間の構成などを工夫するから美術であると唱えました。

しかしながら、私たちにとってなじみがある現代空間で、石川九楊さんの書を眺めていると、そんな議論はさておき、この書を時間を忘れて心ゆくまで楽しみたいという気持ちになってくるのです。そしてこのことこそが、書は現代空間を彩るにふさわしい最高のアートであると私たちに思わせる所以なのかもしれません。
スクリーンショット 2017-07-11 16.27.30『かづら清老舗』は慶応元年の創業。祇園本店の店内には、書家・石川九楊さんの手になる店名を記す書が飾られている。

京都で現代空間の書を楽しめる老舗をご紹介

鍵善良房・四条本店

創業享保年間という京都でも屈指の老舗和菓子屋。正確な創業年は定かではないが、享保11(1726)年と記された漆塗り螺鈿模様の菓子を運ぶための外箱が伝わっていることから、少なくともこのころには菓子屋として商いをはじめていたという。美しい店内の調度は、民藝運動の中心的存在として知られた木工作家の黒田辰秋の手によるもの。店内に併設された喫茶では、店の代名詞ともいえる『くずきり』をはじめ、伝統の京菓子がいただける。
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公式サイト:鍵善良房

かづら清老舗・祇園本店

創業は慶応元(1865)年という、こちらも京の雅を宿す祇園の地にある老舗。櫛やかんざしなど、髪まわりの小物の専門店で、『かづら清』の名は、『かづら』を扱う『清三郎』の店からきている。女性の髪を美しく装うための櫛やかんざしは、材質を吟味し、丹念な手技によって仕上げられている。ひと口にかんざしと言っても、実にさまざまな種類があり、貴重なべっ甲を用いたものや、本漆と純金による蒔絵を施した美術品のような逸品も。ここにしかないひと品を手に入れたい。
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公式サイト:かづら清老舗

石川九楊さんの展覧会が開催!(※会期は終了しました)

2017年7月5日(水)から、制作作品1,000点到達記念展『書だ!石川九楊』が開催されます。会場は上野駅から徒歩約3分の上野の森美術館。「書は筆蝕の芸術である」ということを解き明かし、書家として活躍を続ける石川九楊。その不思議な書の世界を堪能できる展覧会になっています。その気になる展示内容は、石川九楊の青年期の実験的作品から歎異抄、源氏物語書巻五十五帖等の日本古典文学、さらにはドストエフスキー、9.11、3.11をめぐる作品から、最新の書にいたるまでを一挙に公開!
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公式サイト

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