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2018.02.14

【速報】葛井寺の秘仏「千手観音菩薩坐像」ついに東京へ!

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2018年3月11日まで、東京国立博物館 平成館で開催中の特別展「仁和寺と御室派のみほとけ -天平と真言密教の名宝-」。2月14日からの後期展示に、葛井寺(ふじいでら)の国宝「千手観音菩薩坐像」がついに登場しました!

東京で公開されるのは、江戸時代の出開帳以来となります。

千手観音「千手観音菩薩坐像」国宝 奈良時代・8世紀 大阪・葛井寺 展示期間:2月14日~3月11日

「千手観音菩薩坐像」は、現存する千手観音の中で日本最古といわれています。さらに、実際に千本以上の手を持つのは、本像しか確認されていないとか。とても貴重な仏様です。

「本像が40日間もお寺を空けるのは初めて。寂しさを感じました」と語るのは、葛井寺のご住職さま。「千手観音菩薩坐像」の見どころをお話しいただきました。

「荒々しい力強さというより、繊細な優しさが感じられます。合掌されている手や膝の丸み、しなやかで綺麗な指やふっくらとした唇から、天平仏ならではの優しさを見ていただければ」

千手の秘密は後ろに!

全部で1041本の手を持つことで有名ですが、合掌する手以外の1039本は、本体にくっついていないということをご存知でしょうか?

本体の後ろにある、2本の柱に打ち付けられていて、正面から見ると、本体から千の手が生えているかのように見える構造になっているのです。

本展では、360度どの位置からでも拝見できる大胆な展示。後ろからしか見ることのできない、千本の手の構造は注目ポイントです。

千手観音

千の手に千の眼

「千手観音菩薩」の正式な名前は、「千手千眼観音自在菩薩」。困っている人を見逃さないように、千の手に千の眼をもちます。

葛井寺の「千手観音菩薩坐像」にも、ひとつひとつの手のひらに墨でうっすらと描かれた眼が。じっくりと見て、確認してみてください!

千手観音「千手観音菩薩坐像」国宝 奈良時代・8世紀 大阪・葛井寺 展示期間:2月14日〜3月11日 撮影:小野祐次

普段は、葛井寺で毎月18日と8月9日の千日まいりの日のみ開帳されていますが、厨子(戸棚形の仏具)に安置されているため、ここまで近くで拝見することはできません。またとない貴重な機会なので、東京国立博物館に足を運んで、ぜひ実物をご堪能ください。

特別展 仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-

会期/2018年1月16日〜3月11日
会場/東京国立博物館 平成館
公式サイト