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2018.07.05

縄文文化の基礎知識。土器はいつ作られたのか?

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縄文時代が始まったのはいつ? 縄文文化はどんな文化? 縄文土器はどんな人がなんのためにつくったの? そもそも“ジョウモン”って何? 知ってるようで知らなかった基礎知識を、駆け足でご紹介します!

世界初の土器を生み出したのが縄文文化です

縄文時代のスタートは、今から約1万5000年前。日本列島の温暖化が始まった旧石器時代終盤から弥生文化の直前まで、1万3000年ほど続きました。

「縄文」の名前は、人々がこの時代につくった縄目(なわめ)文様の土器に由来します。粘土に鉱物などを混ぜた胎土で自由な形をつくり、文様をつけた後、800~1000℃の低温で野焼(のや)きする。粘土が溶けることで硬く固まるという化学変化を利用した縄文土器は、「世界最古の土器」であり、「人類初の化学製品」でもありました。

縄文文化の基礎知識。土器はいつ作られたのか?「火焰型土器」国宝・新潟県 笹山遺跡出土 深鉢形土器 高さ46.5㎝ 新潟県十日町市博物館(写真/小川忠博)

また、特徴的な縄目文様は、植物繊維を撚(よ)った縄を、器の表面に押し付けたり転がしたりしてつけたもの。この表現は、土器以前につくられていた編籠(あみかご)のうつしだとも言われています。時代や地域によっては縄目文様のないタイプも多く見られますが、それらも含めて「縄文土器」と呼ぶのが一般的です。

ちなみに、「縄文」という言葉を考えたのは、明治10(1877)年に大森貝塚を発掘したアメリカの動物学者、エドワード・S・モース。貝塚の報告書に記した「Cord marked pottery」(縄目をつけられた土器)の日本語訳として「縄文」が定着したのです。

さて、この個性的な土器は、食料や水の貯蔵はもちろん、食物の煮炊きにも使われました。縄文時代は、暮らしのスタイルが「遊牧・遊動」から「定住」へ変わった時代でもありますが、その背景に、安定した食生活をもたらす土器の存在があったことも見逃せません。

縄文文化の基礎知識。土器はいつ作られたのか?“縄文ライフ”を再現した、新潟県十日町市博物館のジオラマ。

では、そんな縄文人たちの暮らしを具体的に見てみましょう。ひとつの集落に5~10軒の家族で集まり、住居は主に竪穴式(たてあなしき)。植物の繊維でつくられた編布(あんぎん)という布や、動物の毛皮でつくった服を着ていたのではないかと想像されています。そして、土器をつくっていたのは基本的に女性。あの造形を、芸術家でも専門の職人でもないふつうの人々がつくっていたことが驚きです。

日本列島のほぼ全域でつくられた縄文土器ですが、時代はもちろん、土地土地の気候や生態系によっても、その形に違いが生まれました。豊かな地域色を備えていることもまた、縄文土器の特徴なのです。

特別展「縄文―1万年の美の鼓動」

東京国立博物館 平成館では2018年9月2日まで、特別展「縄文―1万年の美の鼓動」が開催中です。「縄文の美」をテーマに、約1万3000年前に始まったとされる縄文時代に生まれた “美” が集結。「縄文の国宝6点すべてが一堂に会す」「重要文化財も数多く展示」「岡本太郎が愛した縄文土器」などなど、見どころ満載です!

展覧会詳細はこちらから