すでに予約困難!“ティファニー”のブルー ボックス カフェを訪問
アジア最大の旗艦店「ティファニー 銀座」に、日本初のブルー ボックス カフェ「Blue Box Café by Natsuko Shoji」がオープン。すでに予約が取りづらい!と、大きな話題となっています。
監修を務めるのは、1日1組限定のフレンチレストラン「été」のオーナーシェフであり、世界のベストレストラン50においてアジアのベスト女性シェフ、ベストパティシエの2冠に輝いた、国内外からの評価も高い庄司夏子さん。“ティファニー”が継承してきた麗しいジュエリーの伝統に、庄司さんの感性が重なった、特別な食体験が楽しめるダイニングとなっています。


あの『ティファニーで朝食を』を思わせるメニューも
メニューは、ブレックファースト、アフタヌーンティー、アラカルトが中心。なかでも名画『ティファニーで朝食を』を彷彿とさせる「Breakfast at Tiffany’s」(¥8,500/税込サ別)は、ニューヨークの正統派の朝食スタイルに、日本の食文化を組み合わせた、この店ならではの逸品です。

まずは、スープ、グラノーラ、フルーツジュース、フルーツサラダから。ティーポットで提供される野菜のコンソメスープは、日高昆布とアスパラガスの出汁に、セロリやタイムといった香味野菜で香りを足しているのだそう。優しく、どこかほっとする味わいは、素敵な一日のはじまりを予感させて。

ティースタンドで登場するメインは、サーブされた瞬間に感嘆が!この店のために特別につくられた「木内酒造」の低塩仕立ての生ハムと、山梨県産のキングサーモン「富士の介」は、日本の柑橘をかけてさっぱりと。発酵バターを贅沢に使うことで繊細な層を成すクロワッサンや、庄司シェフのシグネチャーであるブリオッシュは、バターやジャムとともに。

美しく、丁寧に盛りつけられた生ハムとキングサーモン。生ハムは極限まで薄く削り、シルクの布のように仕上げています。実際に口にしたときに、より脂の甘みが感じられるのだそう。

出汁巻き卵に着想を得たというスクランブルエッグ。卵は旨味が強い大分の「蘭王」を使用。乳製品をいっさい使用せず、鰹と昆布の出汁を加え、吉野の葛でとろみを出しているのが特徴です。さらにウニ、ベーコン、キャビアなど、トッピングも追加することが(※別料金)。とろとろ、ふわふわな口当たりに魅了されます。
「ジュエリーも料理も、私にとっては同じです」(庄司夏子さん)
“ティファニー”らしい美しさはもちろん、一見王道でありながら、実は日本的なこだわりも詰まった、革新的なブレックファースト。庄司さんは“ティファニー”をどのように受け止め、メニューを生み出したのでしょうか。

「プロジェクトがスタートしたのは約2年前なのですが、それまで“ティファニー”には、人気の高いジュエラーという認識でした。ただ実際にニューヨーク本店を訪れ、ハイジュエリーコレクションを拝見したりなど、ブランドの真髄に触れていくなかで、老舗としての伝統を守りながら、同時に革新的なことも取り入れていることを知り、感銘を受けたんです。私が料理で表現したいと、常に思っている部分と通じるなと」と、庄司さん。ジュエリーと料理の親和性の高さも感じるそうです。
「自然の恵みを美しい姿に仕上げるのは、どちらも同じ。日本の食材は、世界的に見ても、すばらしいクオリティです。野菜にしても卵にしても、生産者の方々が信じられないくらい丁寧に手をかけて、育ててくださっている。だからこそきれいな料理をつくることができますし、盛り付けも特別なものができると実感しています」。
美しい宝石をジュエリーとして生まれ変わらせる、“ティファニー”のクラフツマンシップに対するオマージュもあるのだとか。
「たとえば生ハムは、イタリアの老舗メーカー“ベルケル”の最高級スライサーで極限まで薄く削り、脂の甘みを引き出しています。またときにはピンセットを使い、細やかに盛り付けることも。本来これだけのスケールのお店で行う作業ではないのですが、“ティファニー”というジュエラーに見合うものを提供したいので」。
世界有数の食の街・銀座で伝えたいこと
最後に、庄司さんが「Blue Box Café by Natsuko Shoji」を通して伝えたいものとは何かをお聞きしました。
「料理という文化を、次世代へつないでいきたいです。“ティファニー”をはじめとする世界のジュエラーも同じ思いかもしれませんが、伝統を継承する職人というものに憧れる、若い世代が増えるといいですね。“ティファニー”が好きなお客様に、ここでおいしくて美しい料理に触れて、興味をもってもらう。そうすることでジャンルを超えた交流が生まれますし、社会全体がよい方向へ向かうと思うんです」。
ジャンルを超える挑戦のひとつとして、店内の個室には特別なアートが。『バード オン ア ロック』をはじめとする“ティファニー”のハイジュエリーが、庄司さんが制作するボックスケーキの上にあしらわれた写真が飾られています。そしてケーキの周りを囲むのは、東さんのフラワーアート……!

「内装を手がけたピーター・マリノ氏の世界観に、シェフが入り込むことは通常できないのですが、それを受け入れてくださったことは、とても光栄でした。」と、庄司さん。ひょっとしたら「Blue Box Café by Natsuko Shoji」は、食の街としても一流の銀座において、新しい食文化を生み出す場所となるのかもしれません。
「Blue Box Café by Natsuko Shoji」概要
住所:東京都中央区銀座 6-9-2 ティファニー 銀座4F
お問合せ電話番号: 03–5005–0107(カフェ直通)
営業時間:10時30分~20時30分 不定休
公式ウェブサイト
撮影/目黒智子
構成/湯口かおり、石川ともみ

