男女の情交のさまを描いた「春画」は、江戸時代に盛んに制作され、庶民に広がりました。さて、春画を描いた絵師は、次の誰でしょうか?
1 葛飾北斎
2 喜多川歌麿
3 歌川広重
答えは……。
全員です!
そもそも春画とは?
平安時代には、性描写を大胆に描いた絵画の存在が確認されています。なんと春画の始まりがそんな昔からあったとは、びっくりですね!! 戦国時代の武士が厄除けのお守りとして戦場に持参することもあったそうで、春画は脈々と続いていました。町人文化が栄えた江戸時代になると、「枕絵」や「笑い絵」などと呼ばれて最盛期を迎えます。版画技術の発展によって浮世絵が広まり、春画も庶民たちの間でブームとなりました。
歌麿や北斎をはじめとする実力のある絵師も描いたことから、当時の最高技術が使われた鮮やかな作品が多数生まれ、現代に伝わっています。長らく研究や展覧会が積極的に行われませんでしたが、近年の再評価によって春画の認知度が上がってきています。
2015年に開催された春画の大規模展から着想を得た映画『春画先生』※が、2023年10月に公開されます。一風変わった研究者を内野聖陽が演じる大人向けのコメディーは、どんな内容なのか? 気になりますね。
▼春画についての詳しい記事は、こちらからどうぞ
春画を徹底解説。エロティックな喜び、北斎も描いたって本当?
参考書籍:『ブリタニカ国際大百科事典』 ブリタニカジャパン、『日本大百科全集』小学館
アイキャッチ画像:喜多川歌麿 メトロポリタン美術館より