森美術館に聞きました。赤ちゃんとの美術館、何が良いの? 鑑賞のコツは?
いや、でもやっぱり一般の来館者に交じって子供と鑑賞するのはどうしても勇気がいる…という家族におすすめなのが子供向けイベントでのデビューです。
森美術館「おやこでアート ファミリーアワー」風景(「六本木クロッシング2019展」)撮影:田山達之 画像提供:森美術館
東京・六本木にある森美術館では開館前の美術館を貸し切り、ベビーカーや抱っこの赤ちゃんと一緒に自由にアートを鑑賞できる「おやこでアート ファミリーアワー」(要予約)が開催されています。対象は未就学児(0~6歳)の子供や妊婦さんとその家族。子供連れのためのプログラムならば、親子ともに安心して参加できそうですね。
森美術館「おやこでアート ファミリーアワー」風景(「六本木クロッシング2019展」)撮影:田山達之 画像提供:森美術館
森美術館ラーニング・リーダー 高島純佳さんに聞きました。
――赤ちゃんや小さな子供との美術館での楽しみとは?
「子供の視点から見る『気になるもの』『色』『形』など、大人の視点からでは気付かないたくさんの面白さを共有することができます。」
――では、興味を引き出すコツとは?
「子どもたちの日常にあるものを例えに、それと何が同じで何が違うのか、どんな色や形が好きかなど、それぞれに合わせた会話をしながら手を繋いで一緒に楽しむことです。」そうすることで、子供にも大人にも新たな発見があるんですね。
――注意したい点とは?
「美術の知識や正解を押し付けないことです。『子供向けの展示ではないから』とか『自分が分からないから』と決めつけず、ゆったりとした気持ちで、お気に入りの1つを見つける、宝探しをしに美術館を訪れてみてはいかがでしょうか。」
子供と一緒に大人も楽しむことが、家族みんなで楽しむポイント。宝ものを探しに美術館に行くなんて素敵ですね。
自信につなげる! 鑑賞後がチャンス
作品を見た直後は、親子ともにほやほやの気持ちで感想を話す機会を持てると良いですね。子供は今見てきたことを思い出し、言葉にすることで再び心が動かされる瞬間でもあります。自分の感想にママやパパが共感してくれることは、自信を持つことにもつながります。
帰宅後はパンフレットなどを見ながら作品を思い出して話をしたり、作品を真似て絵を描いたり、出発前に読んだ絵本を再び見返すのも良いですね。子供の観察力や創作意欲には、ママやパパも刺激されることが多そうです。
家族ふれあいの日や無料開館日はデビューのねらい目
美術館は未就学児の入館料が大半は無料、大人も常設展ならば数百円~1,000円前後と、良心的な金額で楽しむことができます。
また、東京都では毎月第3土曜日と翌日曜日を「家族ふれあいの日」と設定していて、例えば東京都美術館では特別展や企画展などの対象となる展覧会が半額になります。(18歳未満の子を同伴する保護者、2名まで、要証明書)
東京都美術館は入り口からアートがいっぱい! 筆者撮影
さらに、美術館や博物館には入館が無料(一部、有料)となる日があります。5月18日の国際博物館の日、11月3日の文化の日、各都道府県民の日などは全国的に多くの施設で無料(一部を除く)となることが多く、いずれも家族連れでにぎわうので、美術館デビューの絶好のねらい目でもあります。