デビューするならここ!おすすめの美術館3つを選んでみました
ここまで、子供と一緒に美術館に出かけるときのコツや注意点を、個人的な体験も交えて紹介してきました。
森美術館以外にも、小さな子供と美術館デビューするならここがおすすめ! という関東近郊の美術館3つをご紹介したいと思います。
【1、ちひろ美術館・東京】
いわさきちひろと世界の絵本画家の作品を収蔵する「ちひろ美術館」は、東京・練馬と長野・安曇野の2か所にあります。
ちひろの自宅兼アトリエがあった場所に建つちひろ美術館・東京は、人生で初めて訪れる美術館「ファーストミュージアム」として親しまれています。
館内の作品は子供が見やすいように、中心が床から135cmの位置にくるよう工夫されているほか、木や布のおもちゃで遊べる「こどものへや」には授乳室やベビーシートがあるなど赤ちゃんや小さい子供ウエルカムの環境で迎えてくれます。
撮影:大槻志穂
また、ちひろ美術館の図書室には、常時約3,000冊の世界の絵本が置かれています。展示室の作品近くにも絵本を読むスペースがあり、作品と絵本を見比べながら鑑賞すると、より理解が深まりおすすめです。
撮影:嶋本麻利沙
そして、不定期で開催されるのが、0~2歳児を対象にした「あかちゃんのための鑑賞会」です。これは講師の話を聞いたあと作品を鑑賞し、展示室での赤ちゃんの様子を振り返りながら、美術館の楽しみ方や鑑賞のヒントを知ることができるプログラムです。ぜひ公式サイトで開催の予定をチェックしてくださいね。
◆ちひろ美術館・東京
住所 東京都練馬区下石神井4-7-2
公式サイト
【2、東京都美術館】
東京・上野にある「東京都美術館」のミッションは「アートへの入り口」となること。
東京都美術館の特別展では、絵の前で模写する子供の姿があちこちでみられます。海外の美術館でよく目にするあの光景です。子供たちが使っているのは、中学生以下の子供たち限定で貸し出される「とびらボード」。自由に消し描きできる磁気式のお絵かきボードに、消しては描きを繰り返す子供や、じっくりとひとつの作品に集中する子供など、どの子も真剣な目が印象的です。(特別展のみ)
ボストン美術館の至宝展(2017年)キッズデーでのとびらボード使用の様子 撮影:中島佑輔
美術館の屋外には彫刻作品が置かれています。デビューにはまず野外彫刻を見に訪れるのも良いかもしれません。ランチは館内にあるカフェで食べれば、美術館に行くことが楽しみになり、次回は展覧会を見ることにつながるかもしれませんね。
美術館のある上野恩賜公園は自然が多く家族連れでにぎわうエリアです。美術館のすぐそばにも遊具のある公園があり、子供が楽しめる環境はデビューにおすすめのポイントです。
また過去には、休室日の月曜日を特別開室して、子供のための鑑賞日を設けたり、ベビーカーツアーがおこなわれたことも。小さな子供たちが楽しめるプログラムは今後の予定をぜひチェックしてみてください。
ボストン美術館の至宝展(2017年)キッズデーの様子 撮影:中島佑輔
◆東京都美術館
住所 東京都台東区上野公園8-36
公式サイト
【3、彫刻の森美術館】
観光地として有名な箱根には、たくさんのミュージアムが集まっています。
中でも美術館デビューにおすすめしたいのが「彫刻の森美術館」です。日本で初めての野外美術館として開館した彫刻の森美術館は、広い庭園を散策しながら自然もアートも楽しめるので、お散歩に行くように美術館を訪れることができます。
その敷地面積はなんと7万㎡、東京ドーム約1.5倍の広さ。自然豊かな館内を歩きまわる子供たちは、大きな彫刻に次々と興味を示します。美術館というと静かに過ごすのが基本ですが、彫刻の森美術館では室内展示室以外は会話を楽しみながらアートを鑑賞することができます。
屋外展示場では撮影OKなので、美術館デビューの記念日をたくさん写真におさめることも可能です。
小さな子供が特に集まるのが体験型アート作品です。カラフルな手編みのネットがつなぎ合わさってできた巨大なハンモック「ネットの森」では、跳んだり転がったりして色彩感覚と造形感覚をからだ全体で感じます。
登ることのできない赤ちゃんも、ネットの下から遊ぶ子供たちを目で追って、一緒に作品の中に入っているよう。色や光が表現する美しさを遊びながら全身で感じることができるアート作品は彫刻の森美術館でも大人気です。
◆彫刻の森美術館
住所 神奈川県足柄下郡箱根町二ノ平1121
公式サイト
暮らしの豊かさや心のより所になるかもしれないアートとの出会い。その第一歩である子供たちの美術館デビューの日が、楽しい1日になりますように!
※掲載のイベントなどについて、その都度、名称や内容が変更となることがあります。
※緊急事態宣言の期間中、臨時休館となる場合があります。 詳細・最新情報は、各美術館のHPをご確認ください。
文・写真/木村一実