一生ものにふさわしい米沢緞通のできるまで
こちらが緞通の織機で、なんと鉄製。先代が開発したオリジナルで「滝沢織機」という名前で特許も取得しているのだとか。現在は2台稼働しています。
米沢緞通に使われているのは、おもにニュージーランド産の羊毛。色の種類も豊富です。
織機には、綿のタテ糸が前後2本ずつかけられています。
タテ糸が設定されたら、ウール糸を入れていくのですが、その方法は企業秘密だそう。写真上部にちらりと見えるデザイン画を参考に、色も細かく変えて。
ひと通り織ったところで、ヨコ糸の綿糸を通して固定し、表裏のタテ糸にからみ糸をからませて組織は完成。その後クシで毛並みをそろえていきます。
作業途中の織機を見せてもらいました。カラフルな色合いがきれいです。
織り上がった緞通を織機から外したら、表面を削りなめらかに。シャーリングという芝刈りのような作業ですね。
最後にブラッシングしながら洗いをかければ米沢緞通のできあがり。水と洗剤で洗うことで2%縮み、よりしっかりしたつくりに。毛羽も取れツヤが増し、風合いがやわらかく仕上がります。
デザインから織り、そして洗いまでを手がける工房は山形でもふたつしかないのだとか。また「滝沢工房」はメンテナンスも行なっているため、アフターケアも万全です。「一生大事にしてほしい」――そんな緞通愛を感じることのできる工房でした。
現在、茶の間ラボでは「米沢緞通 滝沢工房」との新商品を開発中です。またまた名品完成の予感⁉︎ 詳細についてはもう少しお待ちください。
写真協力/吉田勝信