身近な存在なのに、漢字で書くといきなり読めなくなる――。そんなものってけっこうありますよね。
その中でも難易度が高い1つかもしれないのが、「御御御付」。御が3つも並んでいますが、とても高貴なものでしょうか?
意外にも、日本人に馴染み深い食べ物を指す単語なのですが、普段使っている言葉より丁寧に表現したもの。さて、何でしょう?
答えは「おみおつけ」
答えは「おみおつけ」。でも、「おみおつけ」ってなに? そんな名前の食べ物、知らない、食べたことがない、というかたも多いはず。
実はこれ、味噌汁なのです。どうしてこんな言い回しをするのでしょう?
「おみ」と「おつけ」に分けられる
おみおつけ、は、室町時代に宮中に仕えていた女房たちの使っていた言葉が由来とされます。
意味の上では、「おみ」と「おつけ」に分けられ、「おつけ」は、本膳の飯と並べて「付ける」汁物を丁寧に表現した「御付」です。現在でも「御付(御汁とも)」のみで味噌汁を表します。
「おみ」にはいくつかの語源説があり、「おみあし(足を丁寧に言った言葉、御御足)」や「おみき(神の酒、本来は御御酒と書いたとされる)」と同じ、御を重ねて丁寧な表現をしたケースだと考える説があります。
また、味噌の「味」を丁寧に言った「御味」から来たとする説もあり、「御味御付」と書くケースも見られるようです。
▼全国のお味噌汁を試してみる? ひかり味噌 産地のみそ汁めぐり 60食
味噌は戦国武将の勝負飯!
戦国武将たちも、戦場に味噌玉などを作って持っていき、湯に溶かして味噌汁を作りました。武田信玄は味噌づくりを奨励して信州味噌の原形を、伊達政宗も仙台味噌の原形を作ったとされます。
戦国の勝負飯、味噌汁――御御御付を食べて、疲れた心も体もほっこりしたいですね。
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クイズ「曼珠沙華」って何と読む?別名、地獄花。ゾッとする妖しい魅力のあの花……
アイキャッチ画像:豊原国周『役者錦絵帖より 信玄芝翫・鬼小僧左団次』国立国会図書館デジタルコレクションより