女性を褒めるときの定番、美しい髪。
平安時代の美女の基準にも、長くつややかなストレートの黒髪というのがあったといいます。
でも、褒めるほうも褒められるほうも、「きれいだね」だけでは味気ないし、「つやつやだね」だけでも飽きちゃいます。
せっかくだから、髪を褒めるいろいろな言葉のバリエーション、知っておきたい!
これをおさえておけば、デートにも役立つ、かもしれない!?
髪ホメバリエーション、盛りだくさん!
平安美人の基準の1つとあって、古くから使われてきた髪の褒め言葉、たくさんありました。
が、今の感覚からすると、ちょっと不思議なものも。
では、髪ホメ表現ザ・ベスト、ご紹介していきます!
絹糸(絹)みたいだね
絹の柔らかくてしなやかな手触り。あんな風な髪だね、と褒められたら、きっと嬉しいはず。
ちなみに、ハムスターの別名は「キヌゲネズミ」。まるで絹のような柔らかい体毛を持つ、ほわほわな生き物です。
きれいな漆黒の髪だね
漆の黒はとても味のある美しい色です。もちろん、処理の技法によって風合いは変わるのですが、「漆のような黒髪」は、ちょっと想像しただけでもとても魅力的な褒め言葉ですね。
長くて豊かだね
これは時代によって変わってくるものですが、長くて豊かな髪はかつて、美人の大切な条件とされた時代がありました。
緑色に輝く黒髪だね
……これ、本当に黒髪を褒めてます? と言いたくなってしまいますが、ちゃんと褒めてるんです。
赤ちゃんを表す「みどりご」という言葉もあるように、緑は日本では、みずみずしい、いいイメージのある色。
「緑(翠、の字も使います)の黒髪」というように、つやのある美しい髪の代表的な褒め言葉です。
カラスの濡れた羽みたいな黒髪だね
いやこれは確実にディスってるでしょ!? だってカラスですよ? しかも濡れた羽って……。
と、混乱していると、窓の外に当の濡れカラス……はそんな都合よくいませんでしたが、思い出してみると、確かにカラスって実はけっこうきれいな羽の色をしています。黒いけれど、光に当たると、紫や青、緑、赤、金色なども見えてくるカラスの羽、それがさらに濡れたようなつややかさで光っている――。やっぱり褒め言葉ですね。「濡羽色(ぬればいろ)」という、日本の色名もあります。
現代では嫌われ者のような存在になってしまっているカラスですが、サッカー日本代表のエンブレムにもなっている熊野神社の八咫烏(やたがらす)はじめ、古くから神の使いとされている鳥なのです。
番外編:紫光りする黒髪
川端康成の『雪国』には、「鮮やかな紫光りの黒」という表現が出てきます。これも女性の美しい髪を表しています。
今は髪をいろいろな色に染めて楽しむ人も多く、男女ともにおしゃれポイントとなっています。美容師さんいわく、2020年は赤系が流行ったのだとか。
昔から使われてきた髪の褒め言葉、このままでもオリジナルのアレンジを加えても、お好みでちょっと使ってみませんか?