一生懸命やっても、そこまでが限界。そんな意味を持つ「関の山(せきのやま)」。ものすごくディスられている気がして、ちょっと苦手な言葉……。
でも意外なことに、語源は最上級の褒め言葉だったようなのです。
関の山の「関」って? 「山」って? 言われて落ち込んだらぜひ思い出してほしい、キラキラな語源をご紹介します!
関の山、それは地名とお祭りと……
関の山、考えてみたら、ちょっと不思議な言葉じゃありませんか? 山は高くて見上げるものなのに……。
関って?
関の山の「関」は三重県関町(現・亀山市)のこと。東海道五十三次の1つで、江戸時代には畿内と東とを結ぶ交通の要衝として大変な賑わいを見せた宿場町でした。旧関宿には今も昔の町並みが残されており、風情ある景色を楽しむことができます。
ちなみに、忍者の里として有名な伊賀・甲賀に隣接した地です。
山って?
山とは、祭りの山車(だし)のこと。
関町の八坂神社祭礼祇園会に出る山車が非常に豪華で、それ以上の贅沢はできない、と言われたことから、「そこが頂点である」という意味の「関の山」が生まれたとされます。
そんなところが関の山だよ、なんて言葉を聞いたら、ぜひこれ以上ないくらいきらびやかで豪華な祭りの山車を想像してみてください。ちょっと元気が湧いてくる、かも?
▼三重県の記事、いろいろあります!
ひな祭りの定番食材!はまぐりの名産地、三重県桑名で絶品料理に舌鼓!
三重県桑名の奇祭。若武者が馬で急坂を駆け上がる「多度大祭上げ馬神事」
妖刀村正は本当に「妖刀」なのか?その実像を解説!徳川家康も持ってたの?
アイキャッチ画像:小泉壇山画 『富岳写真』メトロポリタン美術館より
参考文献:
・『デジタル大辞泉』小学館
・『日本国語大辞典』小学館
・『故事俗信ことわざ大辞典』小学館
・『日本歴史地名大系』平凡社