悪いことをした人に対して、「大事な人が草葉の陰で泣いているぞ!」などという表現をすることがあります。
言っている意味は分かるけれど、「くさば」って何だろう? どうして「陰」なんだろう?
何となくふわっとしか知らなかったので、調べてみました!
草葉の陰、ってそういう意味だったんだ!
「草葉」とは、草の葉っぱのこと。「陰」は、木陰などと同じく「~の下・物陰」を表します。
「草葉の陰」は、純粋に草の葉っぱの下、という意味もありますが、草の下=土の中ということから、お墓の下・あの世・黄泉の国を指しています。
つまり、草葉の陰で泣いている、とは、この世の人の非行・非運を悲しんで、あの世の人(特に親戚縁者)が泣いている、ということになります。
より歴史の古い「草の陰」
「草葉の陰」という表現は、実は室町時代後半から見られるもの。それより前の軍記物や和歌には「草の陰」と書かれており、言い回しに少し変化があったことが分かっています。
たしかに「草葉の陰」のほうがどっしりとした印象があるし、語呂もいいかもしれませんね。
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アイキャッチ画像:喜多川歌麿『画本虫撰 蚓 こうろき』メトロポリタン美術館より
参考文献:
・『日本国語大辞典』小学館
・『デジタル大辞泉』小学館
・『故事俗信ことわざ大辞典』小学館