昭和時代には、きれいに掃き集めて山にしたものを各家庭で燃やす光景がよく見られました。最近は様々な問題から禁止されているところが多いのですが、この落ち葉の山の中に高い頻度で埋まっていたのが、「甘藷」。
ここでクイズ!
この「甘藷」とは、何と読む、どんなものでしょうか?
答えは「かんしょ」!
答えは、「かんしょ」。さつまいものことです。
「藷」とは芋を指し、甘い芋だから、「甘藷」と呼ばれるようです。
さつまいもは「唐いも(からいも・とういも)」「琉球いも」とも呼ばれ、いずれも日本に伝来した経路の国名・地名を表しています。「蕃藷(ばんしょ)」「朱藷(しゅしょ)」「赤芋(あかいも)」などの別名もあります。
中南米原産と見られるさつまいもは、16世紀末~17世紀初頭にかけて日本にもたらされました。中国から複数ルートで国内に入ってきたのですが、琉球の宮古島・琉球全島・薩摩の順に伝わったとされています。
「甘藷先生」って誰?
「甘藷先生」という、ちょっと変わったあだ名を付けられた人がいました。
それは、青木昆陽(あおき こんよう)。徳川幕府8代将軍・吉宗の時代(1716~1745年)に、救荒作物としてのさつまいもの力を重視して栽培方法を研究した蘭学者(らんがくしゃ・オランダ語で西洋の学問や文化を研究する人)です。
ちなみに、江戸町奉行の大岡忠相(おおおか ただすけ)も小石川薬園・養生所(現・小石川植物園)で甘藷の試作を行わせて、その成果を江戸の近くの代官たちに伝えたのだそう。
これがきっかけとなって、関東では上総(千葉県)・下総(茨城県)を中心に甘藷栽培が盛んになっていったといい、現在でもこの2県はさつまいも生産量ランキングの上位常連となっています。
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参考文献:
・『デジタル大辞泉』小学館
・『日本国語大辞典』小学館
・『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館
・『国史大辞典』吉川弘文館
・『新選漢和辞典 Web版』小学館
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