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2021.11.07

2024年の酉の日は3回!酉の市とは?歴史・開運フード・日程をわかりやすく解説

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11月になり、年の瀬が迫ると、酉の市(とりのいち)の話題がちらほらと耳に入ってきます。意外と知らない酉の市の起源や、縁起物の「熊手(くまで)」について知識を深めましょう。知って得する開運情報も盛り込みました。

絶対得したい。

まず、酉の市についてザックリ紹介

「酉の市」は、毎年11月の「酉」の日、各地の鷲(おおとり)神社や大鳥神社などの寺社で開かれる祭礼に立つ市のこと。主に関東地方で、「おとりさま」と親しまれています。酉の市の日は、境内や参道に熊手などの縁起物を売る店のほか、さまざまな食べ物の屋台が立ち並び、多くの人でにぎわいます。

『十二月ノ内 霜月酉のまち』豊国 国立国会図書館デジタルコレクションより

さて、「酉」といっても生物の鳥ではなく、十二支の酉です。ちょっと十二支の話をすると、古代中国で、年月や日時、方角を、子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥の12文字で表す方法が誕生。それが日本に伝わると、子=ネズミ、丑=ウシなどの動物が当てはめられました。

私は辰年生まれ!

12の干支がある中、なぜ「酉」なの?

なぜ、酉の日に行うのか? それについては諸説があります。

そのうちのひとつが、伝説上の英雄である日本武尊(ヤマトタケルノミコト)にちなむ説。鷲神社の御祭神である日本武尊が、松の木に熊手をかけて勝ち戦を祝ったのが11月酉の日だったという内容です。

もうひとつの説は、浅草の鷲神社に隣接する長國寺(ちょうこくじ)に伝わる日蓮聖人の伝説。この長國寺には、「鎌倉時代、日蓮聖人が鷲妙見大菩薩を見た」のが11月酉の日だったという伝説が残ります。

どちらにしてもメデタイのですね!

浅草・鷲神社の江戸・東京屈指の酉の市

鷲神社、長國寺に伝わる起源のほか、「農民が花畑大鷲神社(足立区)に熊手を奉納したのが、酉の市のはじまり」という説もあります。しかしながら、花畑大鷲神社は江戸の郊外であるため、前述の浅草の鷲神社の酉の市が大いににぎわったようです。

また、浅草といえば、遊郭・吉原に近い土地柄。酉の市が立つ日には、遊郭内の通行が許可されるなど、吉原と結びついて栄えたという事情もあります。

その日は遊郭も儲かったのかな~!

▼吉原に関する記事はこちら
遊女と疑似恋愛できる性のテーマパーク!宮本武蔵も通った遊郭・吉原の光と闇

熊手の飾り方と開運フード

『一陽来復酉の市』 豊国 国立国会図書館デジタルコレクション

酉の市といえば、縁起物の熊手が知られています。熊手は穀物などをかき集める竹製の道具で、お金や幸運の象徴のような存在。酉の市が行われる11月は米の収穫期であり、豊作や商売繁盛をイメージさせるラッキーアイテムそのものです。熊手は1年飾ったら社寺に納め、お焚き上げをしてもらいます。新年用に新しい熊手を求め、新たな運をゲットしましょう。

ところで、熊手以外にも、酉の市ならではのラッキーアイテムがあるのをご存じでしょうか。それは、里芋の一種「八つ頭(やつがしら)」や「切り山椒(きりざんしょう)」。八つ頭は「頭の芋(とうのいも)」とも呼ばれ、「人の頭に立つ」=出世を連想させる開運フードです。また、ひとつの芋からたくさんの芽が出るため、子授けのご利益があると信仰されています。切り山椒は、山椒をきかせた和菓子のこと。山椒は生薬であり、花や実、樹皮などすべてが利用できるありがたい食べ物なのです。

カラフルで愛らしい切り山椒

最近の酉の市では、じゃがバターやたこ焼きなどの現代的なフードがメインですが、八つ頭や切り山椒といった伝統的な屋台にもご注目を。

山椒が効いたスイーツってどんな味なんだろう? 食べてみたい!

2024年の酉の日は?

11月の酉の日(酉が巡る日)は、毎年変わります。2024年は以下の通り。

一の酉……11月5日(火) 癸酉(みずのととり)
二の酉……11月17日(日) 乙酉(きのととり)
三の酉……11月29日(金) 丁酉(ひのととり)

11月に酉の日が3回ある年があり、そうした年は火事が多いという言い伝えもあります。2024年はその「酉の日が3回」の年。火の始末や寒さ対策をしっかりして、新年の福を探しに酉の市へ出かけませんか。

参考資料:
日本国語大辞典
日本大百科全書(ニッポニカ)
世界大百科事典
東京消防庁

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書いた人

出版社勤務後、編プロ「ミトシロ書房」創業。著書に『入りにくいけど素敵な店』『似ている動物「見分け方」事典』など。民謡、盆踊り、俗信、食文化など、人の営みや祈りを感じさせるものが好き。四柱推命・易占を行い、わりと当たる。

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大学で源氏物語を専攻していた。が、この話をしても「へーそうなんだ」以上の会話が生まれたことはないので、わざわざ誰かに話すことはない。学生時代は茶道や華道、歌舞伎などの日本文化を楽しんでいたものの、子育てに追われる今残ったのは小さな茶箱のみ。旅行によく出かけ、好きな場所は海辺のリゾート地。