皆さんは、おやつに何を食べますか? 私は、3日に1回ぐらい、食べたくなってしまうお菓子があります。その訳は、現在放送中の朝の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』に、ドはまりしているから。京都編から、ドラマを盛り上げる重要な位置を占めているアレです!
Q:それは、回転焼? それとも今川焼?
さて、答えは?
答えは、どちらも正解です!(スミマセン)
カムカムエヴリバディでは、回転焼と呼ばれていますが、関東では主に今川焼と呼ばれます。他にも大判焼など、地域によっても違うようですね。
なぜ今川焼?
さて今川焼は、なぜこの名前なんでしょう? 最初に販売したのは、江戸時代の菓子職人・那須屋弥平と、『冨貴地座位(ふきじざい)』※に書かれています。現在の東京都墨田区で、当時あった今川橋のたもとで売られていたので、その名がつけられました。
今川焼は明治時代に入ると、より人気を博したようで、夏目漱石の小説『野分(のわき)』にも登場しています。
あんこのおまじない
カムカムエヴリバディでは、深津絵里演じる、るいが、お鍋であんこを作る場面があります。「小豆の声を聞け 時計に頼るな 目を離すな 何をして欲しいか小豆が教えてくれる。 食べる人の幸せそうな顔を思い浮かべ」このセリフの後に、「おいしゅうなれ」と魔法の呪文のように三度唱えてから、「その気持が小豆に乗り移る うんとおいしゅうなってくれる 甘いあんこが出来上がる」で締められます。
この言葉を言いながら、愛しそうにあんこを作るシーンを見ると、毎回温かい気持ちになります。るいは、幼い頃に母からこのおまじないの言葉と、あんこの作り方を教わりました。運命のいたずらで、生き別れになった母との、絆を感じる場面でもあります。
日本では、無病息災や魔除けを祈願する行事に小豆が食べられてきました。そんな祈りの気持が、世代を越えて受け継がれるあんこに込められている気がします。
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参考文献:『事典 和菓子の世界』中山圭子著 岩波書店