お待たせしました!『坂東玉三郎の歌舞伎ぬりえ』ぬりえコンテストの結果発表です!!!!
昨年末から今年1月末までに募集した『坂東玉三郎の歌舞伎ぬりえ』コンテストには、全国より親子で参加した8歳から86歳までの多岐にわたる玉三郎ファン、ぬりえファンの方々が自作のぬりえを応募してくれました。審査員の坂東玉三郎さんと有職彩色絵師の林美木子さんは、それぞれ思い入れが感じられる作品に感心しつつ、一枚一枚の応募作品を丁寧に見ながら選出。なんといってもレベルの高さに驚いていました。
中でも群を抜いていたのは、鷺娘、夕霧、揚巻、藤娘、静御前と5種類のぬりえで応募した山中隆成さんです。
おや? 『坂東玉三郎の歌舞伎ぬりえ』の表紙を飾った『廓文章』夕霧の裲襠(うちかけ)が「梅の花」柄ではなく、この3月に歌舞伎座で『吉田屋』を上演した際に夕霧が着ていた「雪もち柳」の柄にアレンジされています。玉三郎さんの舞踊公演で『口上』の裲襠披露をご覧になった人なら、この柄に見覚えがあるかもしれません。実は、このぬりえを応募してくださった山中隆成さんとは、歌舞伎座の舞台美術を手掛けている絵描きさんだったのです。そして、なんと「雪もち柳」の裲襠をデザインしたのも山中さんでした。
「藤娘の背景には藤が描き足されています。なるほど、舞台美術の空気感が出ていますね。勉強になります」と、林美木子さん。審査にあたって、「絵のプロが描いたぬりえではあるけれど、このコンテストに応募しようという心意気が嬉しくて最優秀賞に選ばせていただきました」と玉三郎さん。一方、最優秀賞に選ばれた山中さんは「実は人生初の受賞です!じわじわと嬉しさが…。それにこのぬりえはとても勉強になりました。細部に描き進むに従って、林美木子先生の絵の良さが伝わってきて、林先生と対話をしながら描いているような感じでした」と感想を述べました。
ほかに優秀賞に選ばれたのは、髙橋未央さん(東京都在住)。
ぬりえ帖の説明に添えられている玉三郎さんのコメント「銀の簪とか、着物には金糸の刺繍がしてありますので、そういうところにはラメを入れて塗っても面白いかと思います」という言葉に忠実に描かれた作品です。
細部をご覧ください。ほら、簪がキラキラしています。
画材は水彩絵具、アクリル絵具に、金紙、銀紙を貼っています。
2人目の優秀賞は、林美木子さんと(飛び入り参加で審査員を務めてくださった)林さんの父で人間国宝の桐塑人形作家・林駒夫先生がイチ推しで選んだ福本案由実さん(山口県在住)のぬりえ。顔彩(がんさい)と不透明水彩絵具(ガッシュ)を使用し、丁寧な筆遣いで品のある作品は、林さんが描いた彩色原画を再現したかのような力量が光りました。
そして、3人目の優秀賞は匿名・南天さん(神奈川県在住)。様々な彩色方法を駆使しています。
彩色方法/背景は、ターナー アクリルガッシュ ジャパネスクカラー、吉祥 顔彩 チューブ糊粉、コピックマルチライナー、色鉛筆。人物は、吉祥 顔彩 チューブ糊粉、呉竹 顔彩耽美スターリーカラーズ、ファインテックパールカラー ゴールド、あかしや 彩極細毛筆thinLINE、シュミンケ マスキングインク マスキングテープ、水彩筆、水筆。お軽のほかに、夕霧、鷺娘を描いてくれた南天さん。なかなかの実力派で、芝居の空気感も出ています。
結果発表
最優秀賞=山中隆成さん
優秀賞=髙橋未央さん
優秀賞=福本案由実さん
優秀賞=南天さん
以上。最優秀賞には玉三郎さんのサイン入り原画が進呈され、優秀賞の3名には玉三郎さんのサイン入り『坂東玉三郎の歌舞伎ぬりえ』特装BOX版限定カバー(藤娘の表紙)の歌舞伎ぬりえが贈呈されました!
日本画絵具セット付き 特装BOX版を手に入れるチャンス!
玉三郎さんの押隈と家紋がデザインされた特装BOX版を手に入れるチャンスです!
話題の『坂東玉三郎の歌舞伎ぬりえ』は、書店では取り扱いがないスペシャルな特装BOX版があるのをご存じですか?
昨秋、抽選販売をして以来、多くのご要望をいただき、公式通販サイト「小学館百貨店」にて販売を始めました。また玉三郎さんが出演する鳳凰祭四月大歌舞伎の公演期間中(4月2~27日)、「吉兆 歌舞伎座店」では、林美木子さんの「歌舞伎ぬりえ」原画作品を展示し、食事をする方に楽しんでいただける他、1階「お土産処 木挽町」にて特装BOX版の特別販売を行います。
玉三郎さんの押隈と家紋がデザインされた特装BOXには、『坂東玉三郎の歌舞伎ぬりえ』限定の画材セットが収められていて、林さんが選んだ描きやすい筆や皿もついており、届いたその日から日本画絵具でぬりえを楽しむことができると評判です。
珠玉の十三役それぞれに添えられた玉三郎さんの解説に導かれるように、あなたもこの春、日本画絵具で歌舞伎ぬりえに挑戦してみませんか。