Culture
2019.03.29

家紋のデザインで円満解決!? 紋章上絵師・波戸場承龍さんのクリエイティブな仕事術

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進化し続ける家紋デザイン。「デザインあ展」をはじめ、波戸場承龍さんの今後の活動も要チェック!

武士が裃に家紋を入れるようになったのは、室町時代中期ごろと言われています。その後、江戸時代に入り、庶民も家紋をもつようになると町中に「紋章上絵師」が登場し、日本の家紋は多彩なバリエーションの展開を見せました。しかし生活文化の変化とともに、紋章上絵師の仕事は徐々に既存の家紋の加工が主体に。そうした中で、波戸場承龍さんは、現在でも往時の上絵師同様に、新しい紋を生み出し続ける数少ない紋章上絵師のひとりです。

根っからの職人肌でありながら、柔軟な発想をもち進取の気性に富む承龍さん。そしてそんな承龍さんの一番の理解者であり、細やかな気配りとプレゼン能力でお父様をサポートする耀次さん。「家」や「家族」といったつながりの意味合いが、徐々に変わりつつある時代の中で、「家紋」の伝統を通じて親子お二人が取り組む新しいデザインやブランディングのお仕事には、たくさんのヒントが隠されているように思いました。

ここではご紹介できなかったプロジェクトも多数進行中とのこと。今後のご活躍にますます目が離せません。さて、インタビュー中にもたびたび話題に上がったTV番組「デザインあ」の世界を、文字通り「体験」できる展覧会「デザインあ展」が、この春、山梨県立美術館に巡回決定です! 会期は2019年4月13日〜6月9日。週末やゴールデンウィークにご家族やお友達と遊びに行ってはいかがでしょうか。2013年の東京(六本木)、そして2018年の東京(お台場)、富山と毎回大盛況の「デザインあ展」。ぜひ会場で、波戸場承龍さんが演出するクリエイティブな家紋の世界をお楽しみください。

兄弟にも間違われる波戸場親子。
紋章上絵師・波戸場承龍さんと息子の耀次さん。2018年に富山県美術館で開催された「デザインあ展」会場にて。来館者の小学生から「どっちが弟?」と訊かれたとか。さて、左右どちらが承龍さんでしょうか。(画像提供:京源)

文・撮影/松崎未來

◆京源
公式サイト

◆デザインあ展 in YAMANASHI
会 期 2019年4月13日〜6月9日
会 場 山梨県立美術館(山梨県甲府市貢川1-4-27)
休館日 4月15日、22日、5月7日、13日、20日、27日、6月3日
時 間 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
展覧会ウェブサイト(山梨県立美術館)

書いた人

東京都出身、亥年のおうし座。絵の描けない芸大卒。浮世絵の版元、日本料理屋、骨董商、ゴールデン街のバー、美術館、ウェブマガジン編集部、ギャラリーカフェ……と職を転々としながら、性別まで転換しちゃった浮世の根無し草。米も麦も液体で摂る派。好きな言葉は「士魂商才」「酔生夢死」。結構ひきずる一途な両刀。