Culture
2020.03.06

人骨も見つかる、かつての最恐スポット「由比ヶ浜」の歴史

この記事を書いた人

キラキラ輝く海と、焼けた君の素肌が眩しい…。古都鎌倉の風光明媚な名所として有名な「由比ヶ浜(ゆいがはま)」。きらめく青い海とサンドビーチが美しく、夏にはおしゃれな海の家が開かれ多くの海水浴客で賑わいます。

そんな由比ヶ浜が、昔はとっても怖~い場所だったことを知っていますか?あの美しい海岸では処刑や火葬が行われ、今でも人骨が出土するのだとか…。そんな由比ヶ浜の歴史と、実際に行って見てきた鎌倉の観光スポットについてご紹介します!

処刑に合戦、火葬まで!?由比ヶ浜で人骨が見つかる理由とは

由比ヶ浜通りに、平盛久が由比ヶ浜で処刑寸前まで追い詰められたことが記されている石碑があります。鎌倉時代、由比ヶ浜は武士の首を落とす処刑場として使われていたのです。さらに御家人同士の争いも由比ヶ浜で多発しており、火葬場が由比ヶ浜にあったことも調査でわかっています。遺跡調査の際は、およそ5千体もの遺骨が見つかったとか。

現在の美しい由比ヶ浜。遠浅のビーチは海水浴にぴったり。

楽しく砂遊びをしていたら、ひょっこり骸骨が顔を出す…なんて恐ろしい目に遭うかもしれません。

生まれたばかりのわが子を由比ヶ浜に…。静御前の悲しみと政子の同情

鎌倉幕府の初代征夷大将軍、源頼朝の弟として知られる源義経には、静御前という愛妾がいました。頼朝の命令で鶴岡八幡宮の社前で白拍子を舞った際、妊娠していた静御前は義経への想いを歌い、頼朝を激怒させます。それほどまでに愛し合っていた義経と静御前ですが、二人が引き裂かれるばかりか愛するわが子まで失ってしまうのです。

「古今名婦伝 静御前」著者:豊国,柳亭梅彦 国立国会図書館デジタルコレクションより

頼朝は、「静御前の産んだ子が女なら助け男なら殺せ」と命じていました。生まれた子は男の子だったため、すぐに由比ヶ浜に沈められてしまったと伝えられています。その時のエピソードをご紹介しましょう。

静御前の出産後すぐに頼朝の使いが子どもを奪いに訪れましたが、生まれたばかりの愛するわが子を静御前は離そうとしませんでした。それをなんとか奪い取ったのが、静御前の母、磯禅師。これから殺される孫を娘から引き離した磯禅師の悲しみも、一体どれほどのものだったでしょう。「赤ちゃんに情が移る前に一刻も早く」というせめてもの親心だったのかもしれません。

その後静御前は鎌倉を離れますが、さすがにかわいそうに思った北条政子とその娘によって、たくさんの宝物を授かったそうです。このエピソードから、自身も母である政子が静御前に同情を禁じえなかったことがわかりますが、どんな宝物を得てもその悲しみが癒えることはなかったでしょう。一説には、静御前はそのまま由比ヶ浜に身を投げたとも言われています。

▼静御前に関する記事はこちらもどうぞ
幸せな恋が一転悲劇へ。義経に愛された静御前のその後が寂しすぎる…

由比ヶ浜がおしゃれなビーチになったのは明治時代から!

恐ろしい歴史や悲しいエピソードの残る由比ヶ浜ですが、今は関東エリアきってのおしゃれビーチとして人気を集めています。海水浴場としての由比ヶ浜は、どのような歴史を歩んできたのでしょうか?

海水浴を由比ヶ浜でレジャーとして楽しむようになったのは、明治時代になってからのことです。明治の中頃に入ると汽車が開通し、鎌倉は外国人や日本のセレブたちが集まる別荘地として発展。由比ヶ浜でおしゃれに海水浴を楽しむ人々が見られるようになりました。

明治時代の海水浴の様子。「大礒海水浴 富士遠景図」著者:小国政 国立国会デジタルコレクションより

大正時代に入ると庶民層にも海水浴が浸透しますが、大正12年に起きた関東大震災で鎌倉は壊滅的なダメージを受け、しばらく海水浴は下火となります。

由比ヶ浜が今のような賑やかな場所になったのは、昭和に入ってからのこと。花火大会やカーニバルが開催され、海の家も続々とオープン。サーフィンやボディーボードなどのアクティビティも楽しまれるようになり、今の由比ヶ浜の姿となりました。

今大人気の鎌倉に行ってみたら、おしゃれ&素敵すぎてハマった

埼玉育ち・東京在住の私ですが、実は鎌倉には一度も行ったことがありませんでした。鎌倉が歴史アリ、おしゃれスポットアリの人気エリアであることは知っていたので、今回満を持して遊びに行ってみました!そしたらすっかり鎌倉の魅力の虜に…。

港町らしい洗練されたストリート「御成通り」


まずは鎌倉駅西口を出て「御成通り」へ。上品で洗練された雰囲気で、おしゃれなお店がズラリと軒を連ねています。

中でも目を惹いたアメリカンヴィンテージを扱うお店。お店のキレイなお姉さんはなんと、学生時代にミス・インターナショナル出場経験があるのだとか!!恐るべし御成通り…。

Deep Blue Fiction の響子さん

店内全てがオシャレ!!さすが鎌倉!

御成通りでスイーツを買ったり食事をしたりしましたが、本当にどれもおいしくて、もう御成通りだけでも大大大満足です!!

【御成通り商店街】
アクセス:鎌倉駅西口すぐ

外国のお客様にも喜ばれそう!感度の高い「小町通り」で食べ歩き

鎌倉駅から鶴岡八幡宮までを結ぶ「小町通り」。御成通りとはまた雰囲気が違い、賑やかで流行感度の高いお店がひしめいています。

外国人観光客向けのお店も多く、海外からのお客様をお連れしたらとっても喜ばれそう!カジュアルに頂けるスイーツ店が多いので、話題のスイーツをいくつも食べちゃいましょう!

【小町通り商店街】
アクセス:鎌倉駅東口すぐ

【番外編】江ノ電に乗るもの楽しい!!

鎌倉市内は、江ノ島電鉄、通称「江ノ電」に乗って移動します。これがまたおしゃれで古都鎌倉にぴったりのボディ。線路の上だけでなく、路面電車のように道路も走ります。

特に電車好きというわけではありませんが、江ノ電のかわいさにすっかり魅了されてしまいました。

関連記事
江ノ電のカワイイ行先表示をチェック!

遊びも歴史も盛りだくさんな鎌倉へ行くっきゃない!

今回ご紹介したほかにも、鎌倉にはたくさんの寺社仏閣・グルメスポット・観光地があります。およそ140年続いた鎌倉時代の深い歴史とともに、ここまでたくさんのエンターテイメントが楽しめる場所は珍しいのではないでしょうか?

由比ヶ浜を訪れた際は、静御前の気持ちを思って涙なしでは歩けませんでしたが、また鎌倉を訪れて美しい景色やおいしい料理、おしゃれなお店の数々を楽しみたいと思います。

書いた人

大学で源氏物語を専攻していた。が、この話をしても「へーそうなんだ」以上の会話が生まれたことはないので、わざわざ誰かに話すことはない。学生時代は茶道や華道、歌舞伎などの日本文化を楽しんでいたものの、子育てに追われる今残ったのは小さな茶箱のみ。旅行によく出かけ、好きな場所は海辺のリゾート地。