江戸時代に書かれた天狗経によると、天狗は全国に12万5500匹もいるんだとか! そんな数多くの天狗たちの中から、最も力のある八大天狗「神8(エイト)」を、独断と偏見を交えてご紹介。
※想像するイメージは個人的な妄想によるものですので、一意見として受け入れてくださると幸いです。
天狗界の圧倒的センター!「愛宕山太郎坊」
本拠地:愛宕山(京都府)
愛宕神社の守護を仏から命じられた愛宕山太郎坊(あたごさんたろうぼう)は天狗界の総大将として知られています。センターでひときわ輝いてるタイプ。火を司る天狗ですが、時々大火事を起こすこともあるドジっ子(?)な面もあるらしく、ギャップ萌えって、きっとこういうこと?
筋肉なら負けないぜ「比良山次郎坊」
本拠地:比叡山(京都府)→比良山(滋賀県)
元は比叡山にいた比良山次郎坊(ひらさんじろうぼう)。最澄が延暦寺(えんりゃくじ)を開いたため、お引越しをしました。比良山では先住の龍と戦ったとも言い伝えられています。パワープレイが得意そうなので筋肉担当でしょうか。もしこの神8でライブをするとしたら衣装を脱いで筋肉披露してくれそう。
頼れる兄貴!「鞍馬山僧正坊」
本拠地:鞍馬山(京都府)
生前は壱演(いちえん)という真言宗の高僧でしたが、死後天狗になった鞍馬山僧正坊(くらまやまそうじょうぼう)。牛若丸(後の源義経)に剣術を教えたとして有名。グループのお兄ちゃん担当ですね。男気とかもありそう。でもそういう人の弱っているところを見ることができたらちょっとキュンとしちゃう。ガチ恋枠濃厚です(ガチ恋とは、応援したい気持ちを超えて実際に恋心を抱いてしまう状態のこと。類語としてリアコ-リアルに恋をしているの略-などと呼ぶ場合も)。
あなたのことを守護します「白峰相模坊」
本拠地:五色台白峰(香川県)
元は相模大山に住んでいた白峰相模坊(しらみねさがみぼう)ですが、保元の乱の敗戦により讃岐国(香川県)へ流罪となり非業の死を遂げた崇徳院を慰めるため、進んで讃岐に移住しました。そして、崇徳院を鎮めるだけではなく、多くの眷属(けんぞく。一族のこと)を従えながら白峰の地を護り続けたとされる白峰相模坊。……癒し担当でしょうねきっと。慰める=癒しに直結してしまうのは少し浅はかかもしれませんが、今回は癒し担当にさせていただきました。
何を知りたいか言ってごらん「相模大山伯耆坊」
本拠地:相模大山(神奈川県)
相模坊の後任として伯耆(ほうき)大山から引っ越してきた相模大山伯耆坊(さがみおおやまほうきぼう)。大山ネットワークがあったのか、富士講(ふじこう)講中に人気が高い。グループ内では欠かせないインテリ担当、というところでしょうか。きっとライブ中でも、ファンがなにをしたら喜ぶのか冷静沈着に計算し尽くしてそう。
ずっと見ててやるよ!「大峰山前鬼坊」
本拠地:大峰山(奈良県)
奈良の生駒山に棲む鬼でしたが、修験道の役子角(えんのおづぬ)に改心させられ、仏教化で天狗になった大峰山前鬼坊(おおみねさんぜんきぼう)。修験者を守護するのは相変わらずなようで、面倒見がよい天狗。こちらはオカン担当(メンバーに対して母性を滲ませるキャラ)でしょうか。オカン担当はツッコミをすることもあるので(個人調べ)大変そうですね。神8メンバーのことを温かく見守ってそう。
正義感の強さはピカイチ!「彦山豊前坊」
本拠地:英彦山(福岡県/大分県)
実は、天照大神の子・天之忍穂耳尊(あまのおしほみみのみこと)という噂もある彦山豊前坊(ひこさんぶぜんぼう)。弱気を助け強きをくじく善神的性格が特徴。パッション担当でしょうか。例えば、有名芸能人を親にもち七光りだなんだとバッシングを受けていても、持ち前の明るさで吹っ飛ばす不屈の精神を持ってそう。
その流し目に気をつけて「飯綱三郎」
本拠地:飯綱山(長野県)
人の死ぬ6カ月前にそれを通力によって察知し、その人の心臓を取って食べるといわれている仏教の鬼神・荼枳尼天(だきにてん)と同体の神として祀られ、白狐に乗った姿で表されることもある飯綱三郎(いづなさぶろう)。戦勝の神として武将たちに熱く信仰されただけではなく、一説によると不動明王の化身とされ、武田家や上杉家そして徳川家からも厚い信仰があったんだそう。そして、数々の妖術や忍術を生んだとされています。クール、またはミステリアス担当でしょうか。なんとなく羽生結弦さんを彷彿とさせます。切れ長の目で魅了してくれること間違いなしです。
神8をご紹介しましたが、推しは見つかりましたか? アイドルがいるからファンがいて、ファンがいるからアイドルがいるように、妖怪の存在も私たちが信じて信仰するからこそ成立するもの。妖怪とアイドル、全く異なるジャンルに思えますが、考え方次第では身近な存在に感じられたのではないでしょうか。
参考資料:ときめく妖怪図鑑 (ときめく図鑑+) (山と渓谷社)