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2021.03.08

クイズ!うどんの注文方法「ひやあつ」の意味は?うどん大国讃岐に行く前に知りたい!

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ここはうどん大国讃岐。よくぞ参られた。さてそちは何を所望いたすか?
ひやひや? ひやあつ?
それとも……しっぽくにする?
なんと! 意味が分からないとは何事か! 皆の者、曲者じゃ! であえぇぇ!

んんん?何のはなしかさっぱりわからんぞ(汗)

などということにはなりませんが「ひやひや」「ひやあつ」は、れっきとした讃岐うどんの注文方法のバリエーションなのです。つい最近、ぶっかけを知ったという方にはなじみのない言葉かもしれません。そこでこの魔訶不識な呪文のような言葉の歴史を紐解くため、発祥の地にお邪魔してきました。

「ひやひや」「ひやあつ」聞いたことなかった!

まずは知りたいひやひや、ひやあつの意味

なんとなく可愛い「ひやひや」「ひやあつ」などという注文方法。実は麺とだしそれぞれの温度をさします。つまり「ひやひや」は麺もだしも冷たいのがいい、という時。「ひやあつ」は麺は冷たいのがいいけどだしは温かいほうがいい、という時のオーダー方法なんですね。うどん大国ならではのこだわりの食べ方といえそうです。

麺とだしの温度も自分好みに注文できるなんて……さすがうどん大国!

讃岐うどんのレジェンド!元祖「宮武うどん」が発祥

“ひやひや”“ひやあつ”うどんの発祥は、讃岐うどん巡りブームの人気店として知られた琴平町の元祖「宮武うどん」です。大将の宮武さんは映画『UDON』のモデルとしても知られ、讃岐うどんの「レジェンド」となりましたが、2009年に惜しまれつつ閉店となりました。しかし宮武さんの親戚や孫弟子から多くの人気店も生まれました。この元祖「宮武うどん」で生まれたうどんの注文方法が「ひやひや」「ひやあつ」「あつあつ」なのです。お店を訪れていた常連のお客さんから自然発生的に生まれた注文方法が次第にほかのお客さんへ定着し、正式なメニューとなったというのが歴史だそうです。

常連さんの注文方法がどんどん浸透していったんだ!

最後の愛弟子がその味と技を継承

元祖「宮武うどん」が閉店した翌年の2010年、宮武さんの最後の愛弟子といわれる谷本和正さんがのれん分けという形で高松市に「宮武うどん」を開業。昭和30年頃から使われていたという麺棒、まな板、包丁、釜、食器はもちろん店内のメニュー看板まですべて琴平の店舗で使っていたものをそのまま譲り受けたそうです。

もちろん譲り受けたのはそれらに加え、師匠が作り上げた昔ながらの技法と味。製麺機を一切使わず、生地作りはその日の気温と湿度を考慮して塩と水の分量を決めて粉を合わせます。その生地でだんごを作り、一晩じっくりと熟成させ、早朝から菊もみをして麺棒で伸ばした生地を、一本一本手包丁で切り、釜で約8~9分茹で上げます。俗にエッジが効いたと表現される角の立った四角い麺で、ねじれと縮みがあり、ダシがよく絡むように仕上げられています。

手間暇かけて、人の手でつくられているんですね。

すべて人力によって作り上げられるうどんについて「これは師匠である宮武一郎氏から受け継いだ技。うどんは層が命と教わりました」と谷本さん。人間の手でこね、足で踏み、伸ばし、切ることにより生地に美しい層がうまれるのだといいます。

いよいよ実食!

さてそろそろ美味しいうどんが茹で上がったようなので実食!

カウンターに置かれているトレーを取り、元気よく「ひやあつ!小!」と好みの注文方法と麺のサイズをオーダーします。カウンター越しからうどんが手渡されますから、トレーに乗せて会計に。会計後に好みの薬味などを加えて席に着きます。そしていよいよ実食です。「いただきます!」

ここで「ひやひや」「ひやあつ」とはどのようなものかもう少し詳しくご紹介しますね。

その日の気分や気候によって注文方法を変える人もいれば「この店ではコレと決めている! 」というこだわり派までうどん県人もさまざまのようです。
・あつあつ……うどん(熱)×だし(熱)
麺もだしもアツアツで体の芯からあたたまる優しい麺

・あつひや……うどん(熱)×だし(冷)
少々ぬるめのうどん。うどんのコシは少々控えめ。

・ひやあつ……うどん(冷)×だし(熱)
少々ぬるめのうどんながら、コシの強いうどんが味わえる。

・ひやひや……うどん(冷)×だし(冷)
うどんのコシも甘みもだしの味もしっかり味わえる。

うーん、私の好みは「ひやあつ」かなぁ〜

名物”ひやあつ”のお味は?

まずは宮武うどんの一番人気だという「ひやあつ」をいただきました。

その日の天気や気温によって塩分濃度を微妙に変えて作られるという由緒正しきうどん。おおお!しっかり水でしめられたうどんはコシがあってモチモチ!包丁で切った麺だけに生まれるねじれが薫り高いだしをしっかりと纏って何とも言えない美味しさです。

うどんツウもハマる!究極のシンプルうどん

続いていただいたのは珍しい「しょうゆうどん」です。

水でしめたうどんにしょうゆを1回しだけかけていただくシンプルの極みともいえるメニュー。それだけにごまかしがきかない麺の真価を問われるメニューでもあります。

シンプル イズ ザ ベスト……!食べたい!!!

宮武うどんのメニューは“あつあつ“”あつひや”ひやあつ”“ひやひや”が選べる「だしかけうどん」と「湯だめ」「冷やしつけ」(小250円・大350円・特大450円)としょうゆうどん(小200円・大300円・特大400円)。手打ち、手切りならではの味が楽しめます。

うどん豆知識!見た目は似てるけど何が違うの?

番外編としてうどんのメニューでよく混同されがちなメニューをまとめてみました。ご参考になれば幸いです。

釜揚げVS湯だめ


釜揚げは、茹で上がったうどんをゆで汁に入れ、つけだしでいただくもの。対して湯だめは、茹で上がったうどんを水でしめ、熱いお湯に入れたものをつけだしでいただく。前者は水でしめていないのでふんわりとしたうどん、後者はコシのあるうどんです。

たしかに、何が違うのかよく分かってなかったな〜

ぶっかけVS釜玉

ぶっかけは、茹でて水でしめたうどんにぶっかけ専用のだしをかけたもの。温かいものと冷たいものがあるのが一般的です。釜玉は、釜から上げたままのうどんに生卵、しょうゆを加えて豪快にまぜていただきます。こちらは温かいうどんが一般的。釜玉はふんわりとしたうどんに絡む半生の卵がカルボナーラを思わせる味わいです。

しっぽくうどん


香川県ならではのうどんメニュー。大根、ニンジン、サトイモ、鶏肉、練り物などを煮込んだたものを、うどんの上にだしと一緒にかけていただく具沢山のメニューで、讃岐の冬の風物詩です。

なおセルフのうどん店に置かれている薬味はネギ、しょうが、揚げ玉が一般的ですが、時々無料をいいことに山盛りのネギを乗せている人を見かけます。薬味の適量はうどんを食べ終わった際に残っていないこと。器の底にネギが大量に残っているのはうどん王国では“粋じゃない”とされていますのでご注意を。またうどんツアーと称して何件も巡る際に、食べきれないからと数人で1杯のうどんを注文するのもマナー違反。1人1メニューは必ず注文してくださいね。安くて美味しくてそれでいて奥が深い讃岐うどんの世界を味わってみませんか?

宮武うどん 基本情報


住所:香川県高松市円座町340-1
電話:087-886-0939
営業時間:9:30~15:00(麺がなくなり次第終了します)
休:水曜定休
席:60席
P:30台
公式ホームページ

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