刀のファッションアイテム、刀装具。いろいろなデザインがあり、眺めているだけでも楽しくなります。
今回はメトロポリタン美術館のパブリックドメイン作品を使って、おしゃれ鐔(つば)ファッションショー!
▼「鐔って何?」という方は、まずはこちらの記事をチェック!
鐔って何?刀剣の見るべきポイントは?刀剣好きのための刀装具鑑賞入門レポート!
家紋、カモ~ン
透かしで表現されている植物。全体に入れられた透かしがおしゃれです。
これは「五三(ごさん)桐/五三の桐」という家紋をあしらったもので、上部の花の中央が5つ、両端が3つの桐であることからこう呼ばれます。
桐はとても由緒正しい家紋で、足利尊氏や織田信長が天皇家から下賜されたもの、秀吉が使用したものも桐紋です。
8つなくても大丈夫!
これは何でしょう?
正解は、「八橋(やつはし)」。『伊勢物語』にも描かれた、8つの橋がかけられた光景を表すものなのですが、題材にするときには必ずしも橋が8つないといけない、というわけではないのだそうです。これは8つ全部ありますね。
ちなみに有名な京都のお菓子「八ッ橋」は、琴の名手・八橋検校(やつはし けんぎょう)から名づけられたそう。あの絶妙なアーチは琴の形なんだとか。
きっとここは暖かい場所
花が咲き、蝶が舞う、のどかな風景。
非常に小さな丸い粒が全体に打たれた真っ黒い赤銅(しゃくどう)の地に金・銀・銅で象嵌(ぞうがん)細工が施され、とても華やかですね。
鐔だってガラスと仲良くしたいんです
鉄地や金に交じって存在感を放っているのは何?
これは、七宝焼です。色とりどりの七宝焼を、鐔の中に効果的に象嵌しているんですね!
一見シンプルだけど……
一見、え~これがおしゃれ? と言ってしまいそうな、シンプルなデザイン。
でも、よ~~~~~く見てみてください。
富士山と雁(がん)が見えてきませんか?
さりげなくあしらわれたデザイン、とってもおしゃれです!
ちなみに、雁をもっと写実的にしてたくさん飛ばせたのが、こちら。
これもまたすてきですね!
なにかいいことあった?獅子さん
滝の下で楽しそうに戯れている2頭の獅子。なにか嬉しいことがあったんでしょうか?
え? 1頭しかいないって?
裏返してみると……
ほら、いましたよ!
表からは裏の獅子が見えず、裏からは表の獅子が見えないなんて、ニクい演出ですね。
「誰でもミュージアム」とは?
パブリックドメインの作品を使って、バーチャル上に自分だけの美術館をつくる「誰でもミュージアム」。和樂webでは、スタッフ一人ひとりが独自の視点で日本美術や工芸の魅力を探り、それぞれの美術館をキュレーションしています。「誰でもミュージアム」はwebメディアだけでなく、各SNSアカウントや音声コンテンツなど、さまざまな媒体のそれぞれのプラットフォームに合わせた手法で配信。アートの新しい楽しみ方を探ります。
◆「誰でもミュージアム」プロジェクト、始動! パブリックドメインの作品で自分だけの美術館をつくろう
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