私たちの生活に欠かせない鉄道。通勤や通学、そして旅行へと、目的地にまで連れて行ってくれる便利な交通機関です。「鉄道オタク」という言葉が生まれるほど、鉄道愛が深い人もたくさんいますね。現代ではカメラで鉄道の写真をおさめるのが主流ですが、かつては浮世絵師たちによって、鉄道のある風景が盛んに描かれました。
日本で初めて鉄道が走行したのは、明治5(1872)年6月12日。今から150年以上も前に、品川~横浜間が全線開業前に仮開業したのが最初です。そして同年10月14日、新橋駅ー横浜駅間の29kmが正式に開業。その後、東京をはじめ関西や北海道、東海と全国へ普及していきました。新橋停車場をはじめ、日本初の鉄道の幕開けを描いた、珍しい浮世絵をご紹介します!
まるで、おもちゃ!?想像で描いた蒸気機関車
鉄道開業前には、想像で様々な浮世絵が描かれていて、鉄道への期待の大きさがうかがえます。想像で描いている分、ちょっとファンタジー色が強めですね! まるでおもちゃのように見えるのもご愛敬。
日本初の鉄道開通の高揚感が伝わる!
実際に鉄道が開業すると、やはりリアルな描写の浮世絵に変貌しています! 浮世絵師たちの感動や、興奮している様子が作品から伝わってきますね。
駅の外側から、貨車や貨物を描いた作品です。面白いですね!
鉄道開業当時の新橋駅構内の様子。和装の人々に混じって洋装の乗客が多く描かれています。
風景に溶け込む美しい鉄道
浮世絵師の絵心が触発されたのか!?周囲の風景と鉄道がマッチした、こんな作品もありました!
当時の人々の暮らしも垣間見える
鉄道と川を挟んだ岸に佇む人々が描かれている浮世絵もあります。いまだ江戸時代と感じられるような和服の2人連れとの対比がユニークです。人力車や馬に乗る姿もあり、鉄道は最先端の乗り物だったのでしょう。
鉄道の浮世絵を見ると、当時へタイムスリップしたような気分になれますね。
アイキャッチ:「品川蒸気車鉄道之図」国立国会図書館デジタルコレクション