6月から8月にかけては、じめじめ・むしむしと、過ごしにくい日々が続きます。
しかし、登山やハイキングが好きな人にとっては、この時季こそが待ちに待ってたオン・シーズン!
都会では目にすることができない手つかずの自然や、澄みきった空気を楽しみながら、心地よい汗を流しつつ頂上を目ざして歩く……。
道すがら、かたわらに咲く高山植物に癒され、山頂からの絶景にときめき、標高が高いからこその涼しさもまた格別です。
そんな夏の登山・ハイキングの目的地として、どんなところが人気があるのか――。
阪急交通社から、6月~8月限定でツアー申込者数を調査したランキングが発表されました。
人気ベストテンを10位から順に、特徴や見どころとともにご紹介します!(注:9位が同率で2か所あるので10位はありません)
登山・ハイキングの人気ベスト10
9位「上高地」長野県
「特別名勝」「特別天然記念物」という輝かしい称号をもつ、日本有数の山岳リゾート上高地(かみこうち)。その登山・ハイキングコースは、上高地バスターミナルの近くの河童橋を起点にして、大正池を往復するコース、明神池を往復するコースのふたつ。時間の余裕度によって、ひとつだけにするか、両方を堪能するかが選べます。
見どころは、焼岳の噴火によって水没し立ち枯れた木々が織り成す幻想的な雰囲気の大正池。まさに手付かずの自然の営みが生み出した絶景です。
上高地はかつて、イギリス人宣教師ウォルター・ウェストンによって世界に紹介されました。彼の案内人を務めた上條嘉門次(かみじょうかもんじ)の名が付いた「嘉門次小屋」では、炭火で焼いたイワナが味わえます。
9位「千畳敷カール」長野県
「カール」とは、 氷河期の氷で削り取られたお椀型の地形のことで、畳を1000枚も敷けそうなことから千畳敷(せんじょうじき)カールと呼ばれています。
標高2,500mの高所ながら、高低差日本一という「駒ヶ岳ロープウェイ」とバスを使って、一気にたどり着けることも人気の秘密です。
千畳敷カールは高山植物の宝庫! その見ごろは7月下旬あたりで、シナノキンバイやコバイケイソウをはじめとした豊富な種類の花が楽しめます。
8位「乗鞍岳」長野県・岐阜県
乗鞍岳(のりくらだけ)は日本百名山のひとつ。標高2702mの場所に畳平バスターミナルがあり、初心者でも容易に登頂できるところに魅力があり、標高3026mの最高峰・剣ヶ峰にも片道1時間半で登頂できます。
畳平バスターミナルの南側には花畑が広がり、1周約40分の木道を散策することができ、夏は高山植物の花々はもちろんのこと、特別天然記念物であるライチョウの姿が見られることもあるそうです。
7位「谷川岳」群馬県・新潟県
谷川岳(たにがわだけ)は群馬と新潟の県境にある、日本百名山のひとつ。
「トマノ耳」「オキノ耳」と呼ばれる双耳峰があるのが特徴で、山頂からは周囲の山々を見渡す絶景が広がります。
ロープウェイとリフトを使ってから尾根を歩くコース、ロープウェイのみ使って山頂を目ざす登山コース、一ノ倉沢岸壁のトレッキングコースなど、さまざまなコースがあるので、初心者から上級者まで楽しめます。
6位「屋久島」鹿児島県
90%が森林におおわれ、世界自然遺産にも登録されている屋久島(やくしま)。
島のシンボルである最大の屋久杉「縄文杉」を目ざすトレッキングが一番人気で、片道約5時間のコースの途中には、レールが敷かれたトロッコ道やハート型の天井が見られるウィルソン株などの人気スポットがあり、南国らしい木々を楽しみながら歩くことができます。
標高差600ⅿ以上の山を歩くコースは難易度がやや高いので、自信のない人にはヤクスギランドや白谷雲水峡をめぐる散策コースがおすすめです。
5位「鳥海山、蔵王、月山」秋田県・山形県・宮城県
山形県で最高峰の鳥海山(ちょうかいさん)は、富士山に似たコニーデ型の姿から別名「出羽富士」。350種類以上あると言われる高山植物が楽しめる月山(がっさん)は4月~5月の春スキーでも有名です。また、蔵王(ざおう)にはエメラルドグリーンの湖と、それを囲む火口壁の姿が神秘的な御釜があります。
阪急交通社では鳥海山、蔵王、月山を一度にめぐるツアーがあるため、まとめての順位となっています。
4位「知床」北海道
知床(しれとこ)八景と呼ばれる、知床五湖、知床峠、オシンコシンの滝、カムイワッカの滝、フレペの滝、オロンコ岩、夕陽台、プユニ岬など、見どころ豊富な世界遺産。
知床の原生林に囲まれた知床五湖には高架木道があり、湖や知床連山の見事な眺めが楽しめます。地上遊歩道はヒグマ活動期や植生保護期などによって、予約や申請することで歩くことができます。知床自然センターからフレペの滝までの遊歩道ではエゾシカに会えることも!
3位「富士山」山梨県・静岡県
標高3776.24ⅿ、日本一の高さを誇る富士山のご来光や雲海などは、一生に一度は拝んでみたいもの。安定した人気を反映して3位にランクインしました。
昨年の開山期間は7月1日(ルートにより異なる)~9月10日(毎年6月頃発表)。主要な4つのルートの内、途中に山小屋が多い吉田ルートが一番人気で、山梨県側にある「富士スバルライン5合目」から山頂を目指します。
2位「利尻島・礼文島」北海道
利尻島(りしりとう)は、人気の北海道土産「白い恋人」のパッケージに描かれた利尻山がそびえる島。登山もできるのですが難易度は高め。登山・ハイキングの初心者には、20分で一周できる姫沼や気軽に登れるポン山(「ポン」はアイヌ語で小さいを意味する)がおすすめです。
花の浮島とも言われる礼文島(れぶんとう)は、 初夏になると300種類を超える高山植物が咲き乱れます。 桃岩展望台とキンバイの谷や知床を往復するコースなら、花がたくさん咲いていて、利尻山を臨む絶景も楽しめます。
1位「尾瀬」群馬県・福島県・新潟県・栃木県
標高1,400ⅿ以上の尾瀬ヶ原、尾瀬沼のふたつの盆地に広がる湿原と、燧ヶ岳(ひうちがたけ)、至仏山(しぶつさん)という名峰を含む一帯が尾瀬(おぜ)と呼ばれます。
徹底した自然保護活動により保たれた美しい景観を楽しみながら、どこまでも続く木道に沿って歩くことができます。
5月から6月は唱歌「夏の思い出」のミズバショウやウワミズザクラ、7月~8月にはカキツバタやニッコウキスゲ、ミヤマシシウドなど、季節の花が迎えてくれます。
※対象:2018年6月1日~2018年8月31日に帰着した、登山・ハイキング関連の阪急交通社国内ツアー申込者数 発着地:発着地問わず
ランクインしたスポットはいずれも、コースによっては初心者も問題なく楽しめます。ですが、山を甘く見てはいけません。気候や環境に合わせた服装や装備をして臨みましょう。
コースごとの特徴を十分に調べて行くのはもちろん、自信がなければ専門ガイド付きのツアーに参加するのがおすすめです。
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