滋賀県は京都からすぐ近くなのに、新幹線を利用した場合には見過ごされがちなところがあります。
平安京より前に飛鳥時代に天智天皇が大津宮を営んだという古い歴史や、日本最大の湖「琵琶湖」と周囲の山々が織り成す自然など、さまざまな魅力に溢れた滋賀県は実は見どころいっぱい。
通過するなんてもったいないポイントが幾つもあります。
見どころいっぱい!見逃し厳禁!滋賀県の最新人気スポット情報
四季折々の美しさを各地で目にすることができる滋賀県の中から、今回は梅雨から夏へのこの時季ならではの見どころがある寺社に焦点を当ててご紹介します。
天気がぐずついている梅雨の日に、京都や大阪などの混雑とは無縁の滋賀県の穴場的寺社を、スマホやカメラ片手に散策してみませんか?
「青岸寺」の名勝庭園に寺カフェがオープン!
湖東(琵琶湖の東部)に点在する「近江(おうみ)七福神」のひとつである「青岸寺」は、南北朝時代に近江守護職であった佐々木道誉(ささきどうよ)によって建てられたのが始まりといわれます。
こちらで見逃せないのが、本堂裏手にある庭園。
山腹に築かれ、裏山を借景にした回遊式と観賞式を兼ねた庭園は、昭和9(1934)年に国の名勝に指定。京都にある芸術大学の学習の場としても提供されているこの庭園は、雨上がりの美しさが格別で山水画を思わせるような深山幽谷の世界が現出します。
そんな庭園のそばで、心安らぐひとときを過ごしてもらうための寺カフェ「喫茶去(きっさこ)」が昨年オープンしました。
「お茶でもどうぞ」を意味する禅語を名乗る寺カフェでは、こだわりのサイフォン珈琲やケーキセット、お地蔵様を描いたラテなどバラエティーに富んだメニューを提供。店内はまた、素敵な撮影スポットになっていて、日常の雑事から逃れて、ちょっと一服するのに最適です。(喫茶は庭園拝観者のみ利用可)
庭園喫茶去セット一例(抹茶ガトーショコラと薄茶)600円(税込)
【青岸寺 せいがんじ】
住所:滋賀県米原市米原669
拝観時間:9時00分~17時00分
拝観:300円
寺カフェ「喫茶去」営業時間:9時00分~16時30分(冬季15時30分まで)、火曜・第4月曜休
アクセス:JR「米原駅」より徒歩5分
公式サイト
滋賀を代表するアジサイ寺、長浜市「全長寺」
1597年に開山した長浜市の全長寺は、賤ヶ岳(しずがたけ)の戦いで活躍した毛受(めんじゅ)兄弟の供養寺。
こちらはまた、6月下旬~7月上旬にかけてのアジサイの美しさでも有名なところです。
そもそも、ご住職が地域の活性化と境内の美観を保つために植え始めたアジサイが、今では60種1600株も。色とりどりの花は、SNSで自慢したくなることは請け合いです。
【全長寺 ぜんちょうじ】
住所:滋賀県長浜市余呉町池原885
拝観時間:9時00分~17時00分
拝観料:300円
アクセス:JR「木ノ本駅」よりバスにて「今市」下車後、徒歩5分
公式サイト
竹生島で、かわいいダルマを奉納し、かわらけ投げで願掛け
琵琶湖に浮かぶ島・竹生島(ちくぶじま)にある「宝厳寺」は奈良時代、聖武(しょうむ)天皇の勅命を受けた高僧・行基(ぎょうき)が開基。
こちらでは「弁天様の幸せ願いダルマ」という、小さくて赤いかわいいダルマの内部にお願い事を書いた紙を収め、本堂に奉納するという願掛けができます。
また、隣の「都久夫須麻(つくぶすま)神社」では「かわらけ」と呼ばれる素焼きの小皿に名前と願い事を書き、眼下に見える鳥居に向かって投げる「かわらけ投げ」ができ、鳥居の間をくぐれば願い事が成就するといわれています。
【宝厳寺 ほうごんじ】
住所 滋賀県長浜市早崎町1664
拝観時間:9時30分~16時30分 (観光船就航時間に基づく)
入島料:大人400円・小人300円
宝物殿拝観料:大人300円・小人250円
※入島には竹生島への乗船料(往復)が別途必要です
かわらけ投げ(1セット2枚):300円
アクセス:長浜・彦根・今津の各港より、船で約25分~40分
宝厳寺 公式サイト
都久夫須麻神社 公式サイト
大津市「三尾神社」の神様のおつかいは、なんとウサギ!
地元では「みおんさん」と呼ばれ親しまれている「三尾神社」は、伊弉諾尊(イザナギノミコト)が長等山(ながらやま)の地主神として降臨したのが縁起の始まりとされます。
神は、赤、白、黒の三本の腰帯が尾のように見えたことから「三尾大神」と名づけられ、腰帯も赤尾神、白尾神、黒尾神となり、本神の赤尾神の出現が卯の年、卯の月、卯の日、卯の刻に、卯の方角からであったことから、ウサギが神の使いとされたのです。
そのため、境内のいたるところにかわいいウサギの置物やイラストがあり、拝殿のそばに立つ 2 羽のウサギは「めおと卯」と呼ばれ、安産や子宝にご利益があります。
【三尾神社 みおじんじゃ】
住所:滋賀県大津市園城寺町251
拝観時間:9時00分~17時00分
拝観料:無料
アクセス:京阪「三井寺駅」より徒歩7分
三尾神社 紹介サイト
時間によって景色が変わる、琵琶湖畔に建つ「七本柳の鳥居」
令和2(2020)年の大河ドラマの主役である明智光秀の銅像が建つ坂本城址公園のそばに、琵琶湖にせり出す「七本柳の鳥居」と呼ばれる大きな鳥居があります。
上部に三角形の破風(はふ 屋根)がある山王鳥居と呼ばれる珍しい形の鳥居は、日の出の時間には鳥居の間から昇る朝日が見られ、時間ごとに刻々と変化する琵琶湖や空の色との取り合わせが美しく、フォトスポットとしても大人気。
ここはまた、毎年4月14日、日吉大社の山王祭で街を練り歩いた7基の神輿を船に乗せる、船渡御が行われる場所としても有名です。
【日吉大社 七本柳鳥居】
住所:滋賀県大津市下阪本1-32
アクセス:京阪「松ノ馬場駅」より徒歩20分