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2019.08.15

令和元年の夏、京都の世界遺産「下鴨神社」が光のアート空間になる!

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世界遺産「古都京都の文化財」のひとつである下鴨神社では、令和元年8月17日(土)から9月2日(月)まで、チームラボによる「下鴨神社 糺の森の光の祭 Art by teamLab - TOKIO インカラミ」が開催されます。

チームラボが取り組む「Digitized Nature」(自然が自然のままアートになる)をコンセプトにした本展は、今回で3回目の実施。今年は昨年よりも規模を拡大し、糺の森(ただすのもり)と下鴨神社の楼門内が、人々の存在によって変化する光のアート空間に変わります。

下鴨神社 糺の森の光の祭 Art by teamLab - TOKIO インカラミ」

このイベントのイメージを説明するとしたら、それは「自然を破壊することなく生きたまま自然をアートにする」ということ。
たとえば、今を生きている人たち何十億年という計り知れない時間の中で繰り返されてきた生命の連続性の上にあります。ですが、日常でそれを知覚することはほぼありません。
そこでチームラボは、自然が長い時間かけてつくりあげた造形そのものを使うことで、普段知覚できない悠久の時間を感じることができるのではないかと考えた、その世界が下鴨神社を舞台に展開されるのです。

糺の森の参道と下鴨神社楼門内という昨年の展示場所に加え、今年は糺の森の中を流れる泉川沿いに、多様な匿名の肖像群が歩き続ける《Walk, Walk, Walk – 下鴨神社 糺の森》を展示。
永遠に変化し続ける光のアート空間を彩る展示作品を紹介します。

Walk, Walk, Walk – 下鴨神社 糺の森

/ Walk, Walk, Walk – Tadasu Forest at Shimogamo Shrine

teamLab, 2019, Digital Installation, Endless, Sound: Hideaki Takahashi, Voices: Yutaka Fukuoka, Yumiko Tanaka

糺の森の中を流れる泉川沿いを歩き続けている、匿名で多様な肖像群。
そこから何かを選び、あるいは捨て、肖像を追いかけていきながら鑑賞することができます。
この肖像群はあらかじめ記録された映像を再生しているのではなく、コンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれていくもので、永遠に変化を続けます。
目の前で展開する肖像群は、今という瞬間を投影した、2度と見ることができない世界です。

浮遊する、呼応する球体 – 下鴨神社

/ Floating, Resonating Spheres – Shimogamo Shrine

teamLab, 2016, Interactive Installation, Endless, Sound: Hideaki Takahashi

下鴨神社の楼門内の空間にただよう光の球体は、自律し、強く輝いたり消えたりして、まるでゆっくりと呼吸しているかのようです。
光の球体は、人が叩いたり何かにぶつかったりして衝撃を受けると色が変わり、色ごとに異なる音色を響かせます。
その変化はまわりの球体にも連鎖し、球体の近くの木の光も同じように呼応し、同じ空間にいる人々や動物達の存在を普段より意識することになります。

呼応する森と自立しつつも呼応する生命 – 下鴨神社 糺の森

/ Resonating Forest and Autonomous Resonating Life – Tadasu Forest at Shimogamo Shrine

teamLab, 2018, Interactive Digital Installation, Endless, Sound: Hideaki Takahashi

糺の森の中の参道沿いでは、光のovoid(卵形体)と参道の木々が光り輝きます。
ゆっくりと呼吸しているかのように明滅している光のovoidは人に押され倒れかけると、光の色が変わり、色特有の音色を響かせます。
その光は、放射状に近隣のovoidと木々に伝播し、同じように音色を響かせながら広がっていきます。
そしてその先にある下鴨神社の楼門の中の空間にただよう光の球体にも呼応し、球体の光も楼門を超えてovoidと木々への伝播が連続していきます。

水面にたちつづける呼応する生命 – 下鴨神社 御手洗池

/ Autonomous Resonating Life on the Water – Mitarashi Pond at Shimogamo Shrine

teamLab, 2019, Interactive Installation, Endless, Sound: Hideaki Takahashi

御手洗池(みたらしいけ)の水面に立つ光の物体は、それぞれ自律しており、ゆっくりと呼吸するかのように明滅しています。
光の物体は人に押されたり倒れかけたり、風に吹かれて倒れかけたりすると、光の色が変わり、色特有の音色を響かせます。そして、その光や音色は、放射状に近隣の光の物体に伝播していきます。

自立しつつも呼応する生命の森

/ Forest of Autonomous Resonating Life

teamLab, 2018, Interactive Installation, Endless, Sound: Hideaki Takahashi

下鴨神社 糺の森の光の祭 Art by teamLab – TOKIO インカラミ
会期: 令和元年8月17日(土)~9月2日(月)
会場: 下鴨神社(賀茂御祖神社)京都府京都市 左京区下鴨泉川町59 ※糺の森、南側、河合神社からご入場ください。
時間: 18時30分~22時(最終入場は21時30分まで) ※会場の混雑状況により変更することがあります。
入場料: 平日1,300円、土日1,500円
展覧会詳細 Digitized Nature

下鴨神社とは?

正式名称は賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)。鴨川と高野川に挟まれた地にあり、京都で最も古い神社のひとつとして、古くから人々の信仰を集めてきました。古代の森の姿を今に伝える「糺の森」に囲まれた境内は、12万4千㎡にもおよび、平成6(1994)年に境内全域が世界文化遺産としてユネスコに登録されました。

文化庁「記念物100年」事業

2019年は、「記念物」(史跡名勝天然記念物)の保護制度が始まって100年目となります。記念物の保護とは、文化財である記念物のうち重要なものを「史跡名勝天然記念物」に、そのうち特に重要なものを「特別史跡名勝天然記念物」に指定し、適切に保存し、親しめるものとして整備・活用することです。
世界文化遺産「古都京都の文化財(京都市、宇治市、大津市)」の構成資産のひとつで、境内が国の史跡に指定されている下鴨神社(賀茂御祖神社)のような日本全国の国宝・重要文化財や史跡等でのアート展を通して、チームラボは文化庁「記念物100年」事業が目ざす記念物の保護の取組に関わっています。
●「記念物100年」事業について

【チームラボ/teamLab】情報

47万人が訪れた「チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」(2014年)、「ミラノ万博2015」日本館をはじめ、シリコンバレー、台北、ロンドン、パリ、ニューヨーク、中国、シンガポールなど国内外で常設展およびアート展を開催。
現在は、東京・お台場に《地図のないミュージアム》「森ビルデジタルアートミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」を常設。2020年秋まで東京・豊洲に《水に入るミュージアム》「チームラボ プラネッツ TOKYO DMM.com」、2019年8月24日までTANK Shanghai(中国・上海)にて「teamLab: Universe of Water Particles in the Tank」を開催中。
また、2019年7月12日から九州・武雄温泉の御船山楽園にて「チームラボ かみさまがすまう森 – earth music&ecology」、8月9日から11月4日まで山口県宇部市ときわ公園にて「世界を旅する植物館 水の道 光の道」を開催。

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書いた人

通称TAKE-G(たけ爺)。福岡県飯塚市出身。東京で生活を始めて40年を過ぎても、いまだに心は飯塚市民。もともとファッション誌から始まったライター歴も30年を数え、「和樂」では15年超。日々の自炊が唯一の楽しみ(?)で、近所にできた小さな八百屋を溺愛中。だったが、すぐに無くなってしまい、現在やさぐれ中。