昭和レトロな純喫茶に学生御用達喫茶室、サードウェーブコーヒーまで。学生と文学と美術が町の空気をつくり上げている京都は、時代とともに生まれ、時代が変わっても流されず、そしてまた時代が生んだ新店舗をも受け入れる、成熟した喫茶文化が息づく町です。今回は、旅行者がはじめて訪れても心地いい、そんなおすすめの3軒をご紹介。どこも店主が素敵なお店です。
京都の喫茶店1. 寺町李青
出町柳(でまちやなぎ)の季朝喫茶「李青(りせい)」。店主の鄭玲姫(チョンヨンヒ)さんが「70歳の私もくつろげる店を」と、2017年秋にはじめた喫茶店です。チョンさんと女性スタッフがテキパキと、けれどせわしくはなく仕事をしてる姿から、店の雰囲気はインテリアでも味でもなく、人がつくるのだと実感。チョンさんの「ゆっくりサービスしたい」という思いがすみずみにまで行き届いています。
ナツメやクコの実、クルミに煮出した漢方茶などを用いた薬膳ケーキや、漢方茶、コーヒーももちろんおいしいけれど、韓国の僧が常飲していたという、温かい禅食シェイクも気になるところです。
店内には、古い道具や現代作家の食器、漢方茶など、購入できる品も。丸太町通と寺町通の角にあるので、骨董店めぐりの際にぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょう。
◆寺町李青(てらまちりせい)
住所 京都府京都市中京区下御霊前町633
京都の喫茶店2. 市川屋珈琲
京都喫茶の代表格「イノダコーヒ」に18年間勤めた市川陽介さん。2015年に独立し、陶芸家の祖父の工房兼自宅を京都らしい風情の店にしたのが「市川屋珈琲」です。使用しているうつわはもちろん、陶芸家である父や兄の作。
店内で焙煎した煎りたて挽きたての豆を、一杯ずつ丁寧にハンドドリップ。「甘さをふわっと感じて後味すっきりなコーヒーを」と市川さん。ブレンドは3種類で、2杯目からは半額で提供しています。
ひと月かふた月で替わるフルーツサンドは絶品!写真は2種類のメロン。生クリームの泡立て加減が絶妙なのです。
◆市川屋珈琲(いちかわやこーひー)
住所 京都府京都市東山区渋谷通東大路西入ル鐘鋳町396-2
京都の喫茶店3. 喫茶葦島
インテリアからうつわまでオリジナルというこだわりぶりが光る「喫茶葦島(きっさあしじま)」。建築関係の会社勤めから一念発起。「街中のオアシスでありたい」と、好きだったコーヒーを極めた店主の佐々木晨人(あきひと)さん。前職からの交流と経験を存分に生かして2010年にオープンしました。
カウンターの椅子は、国産葦を使用した松本民芸家具製。そこでいただく中深煎りの葦島ブレンドは絶品です。
写真のシナモンショコラのほか、ヨーグルト仕立てのアイスクリンやチーズケーキもおすすめ。昼間はクラシック、夜はジャズが静かに流れています。心が落ち着く、まさに街中のオアシス!
◆喫茶葦島(きっさあしじま)
住所 京都府京都市中京区三条通河原町東入ル大黒町37 文明堂ビル5F
公式サイト
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