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2019.12.24

鹿児島旅行におすすめ!観光列車「指宿のたまて箱」予約方法・座席選びのポイント教えます

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北は北海道から南は沖縄まで日本各地に残る浦島太郎伝説。助けた亀が恩返しに浦島太郎を竜宮城へ連れて行く…という誰もが知っているお話で、「むっかしー、むっかしー、うっらしっまがー」というお歌も有名ですね。竜宮城で乙姫様たちと楽しく過ごしているうちにふと故郷のことが気にかかり帰ってみた浦島太郎。実際には竜宮城で過ごした年月以上が経っていて失意のどん底に。さらに「開けてはならない」と念押しされたにもかかわらず、乙姫様から貰った玉手箱を開けたとたんに白髪の老人になってしまった…というお話。
ここ鹿児島にも浦島太郎伝説は息づき、玉手箱と竜宮城のストーリーを体感できる旅が楽しめるんです!一番必要なのは亀でも玉手箱でもなく、想像力!(笑)
早速、「玉手箱」に乗って、竜宮城へと向かいましょう!

鹿児島中央駅から竜宮城へ向けて出発!

「玉手箱」に乗るってどういうこと?

今回は「玉手箱」に乗って竜宮城へ向かう旅。「亀じゃないの?玉手箱に乗るってどういうこと?」と思われるかもしれませんね。JR九州は観光列車に力を入れていて、別府と阿蘇を結ぶ「あそぼーい!」、鹿児島中央と吉松を結ぶ「はやとの風」、宮崎と南郷を結ぶ「海幸山幸」など、移動そのものが旅の目的となるような楽しい列車を走らせています。

今回利用するのは鹿児島中央駅と指宿駅を結ぶ「指宿のたまて箱」。「玉手箱に乗る」というのはこの観光列車のことなんです。

黒と白のツートンのボディは、浦島太郎が玉手箱を開けるビフォーアフターを表しています

予約方法&座席選びのポイント

「指宿のたまて箱」は2両編成。全席指定なので、旅の予定が決まれば早めに予約しましょう。乗車日の1か月前から予約ができます。ここで大事なのは、細かい座席まで指定すること。狙うのは海に向かって配置されたカウンター席。桜島や錦江湾の眺めを余すところなく楽しめます。

右手が海側席、左手が山側席です。カウンター席といってもゆとりのあるつくりなので、カウンター席のほうが圧倒的にオススメ!

車内販売が魅力的!スルーできないグルメがラインナップ!

電車が走り出してしばらくすると車内販売があります。亀に見立てて作られた2色のカメロンパン(さつまいもペースト入り)や、列車と同じくツートンカラーの「いぶたまプリン」、唐船峡の清らかな天然湧水を使用した「指宿温泉サイダー」などのご当地グルメが楽しめますよ。また、旅の記念にポストカードが配られますので、車内のスタンプを押してお土産に持ち帰りましょう。

「いぶたまプリン」の黒い部分には黒ゴマが使われています

目が離せない景色の連続!

鹿児島中央駅から指宿駅までの1時間弱の間、ところどころで沿線の観光スポット案内がアナウンスされますので耳を傾けてみてください。なんとこの日は桜島が噴火!!…と言っても鹿児島の人たちにとっては珍しいことではないそうです(笑)

桜島がよく見えるスポットの手前ではアナウンスがあります

ゆったりとしたカウンター席では、錦江湾の絶景を独り占めしているかのような時間が流れます

2両編成の小さな列車ですが、車内のあちらこちらに乗客を楽しませる工夫が沢山。本棚や海の中をイメージしたかのようなショーケースなどいろいろと見学してみてください。

指宿駅に到着。ここが目的地か?

篤姫ゆかりの薩摩今泉を過ぎたら、指宿はすぐそこ。ホームに到着すると列車から大量の煙がっ!!!ヤバい、おじいさんになっちゃう!!…ってことはなく、これは伝説の中の玉手箱の煙をイメージしたミスト。浴びても大丈夫です(笑)

乾燥シーズンならかえってお肌が潤いそうなミスト…

改札を出ると竜宮城。いや、これが目的地だったら読者のみなさんに怒られそう(笑)
これは駅の外に置かれている観光用の“なんちゃって”で、本当の目的の竜宮城はここではありませんのでご安心ください。

浦島太郎伝説の残る長崎鼻へ

開聞岳を眺めながらバスの旅

次に目指すは薩摩半島最南端に突き出た長崎鼻という岬。指宿駅前からバスで約30分。途中から、“薩摩富士”の異名を持つ美しいフォルムの開聞岳が見え隠れします。

路線バスののんびりとした時間と風光明媚な景色は、どこか浦島太郎伝説の不思議な時間の流れと共通したものを感じます。

竜宮城を思わせる外観の龍宮神社に参拝

長崎鼻のバス停で下車して坂を海の方に下っていくと、青い空と海に映える龍宮神宮に到着です。ここからの開聞岳はまさに絶景!

龍宮神社は豊玉姫(乙姫様)をお祀りした神社。浦島太郎と乙姫様が出会った場として、縁結びにご利益があるとされています。龍宮神社には、普段我々が目にするような木製の絵馬はなく、かわりに貝殻が絵馬代わりに使われています。

社務所はありませんが、御朱印は参道にあるお店でいただけます

貝殻を奉納される人は100円を納めます

龍宮神社から岬方向へ進むと‥

参拝後はぜひ長崎鼻灯台を目指してもう少し歩いてみてください。灯台までの途中に浦島太郎と亀の像があります。

ここは願い事が叶うパワースポット。女性は右回りに2周、男性は左回りに2周、最後に亀をなでたら願いが叶うといわれています。

竜宮城を目指して岬の先端へ

長崎鼻灯台

岬の先端には長崎鼻灯台があり、下へ降りられる階段があります。晴れた日には種子島や硫黄島も望めますよ。

画像:指宿市観光協会

溶岩流跡が残る岩場を歩く

灯台の下は、溶岩が流れた跡がはっきりとわかる足場の悪い岩場。約10万年前に噴火した火山のなごりです。ところどころ朽ち果てた石の遊歩道が出現しますが、崩れてしまっていて繋がってはいません。ヒールを履いている人や体力に自信のない人は無理をしないように。

長崎鼻は別名「竜宮鼻」。浦島太郎が竜宮城へ旅立った場所といわれています。確かに長崎鼻の灯台の下から同じ目線の高さで見る海は、その先に別の世界が広がっているのではないかと思わせる果てしない風景でした。

ストーリー性のある旅の楽しさ

その時々の目的やテーマを持って旅に出かけることもあるかとは思いますが、例えば浦島太郎伝説のような一つのストーリーをなぞるような旅もまた面白いもの。「指宿のたまて箱」と「龍宮神社」は、伝説の世界観を楽しめるおすすめの移動手段と旅先。どっぷりと空想の世界に入り込むには人の少ない閑散期を狙うのもポイントですよ。

「指宿のたまて箱」と「龍宮神社」の旅 基本情報
公式サイト:JR九州 特急 指宿のたまて箱 いぶすき観光ネット 龍宮神社

書いた人

生まれも育ちも大阪のコテコテ関西人です。ホテル・旅行・ハードルの低い和文化体験を中心にご紹介してまいります。普段は取材や旅行で飛び回っていますが、一番気持ちのいい季節に限って着物部屋に引きこもって大量の着物の虫干しに追われるという、ちょっぴり悲しい休日を過ごしております。