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2019.08.15

そうだ、縄文へ行こう。長野県諏訪地方、現代人でも行ける縄文観光8選

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DAY1: 諏訪湖付近の縄文ホットスポット

今回は、一日目と二日目に分けて、大きく「諏訪湖付近」と「八ヶ岳付近」のスポットを巡る旅をご案内します。1日目は、長野県の代名詞とも言える諏訪湖の周辺からスタートです!

黒耀石体験ミュージアム

JR茅野駅あるいは上諏訪駅で降りたら、まずは縄文人の「黒曜石鉱山」、星糞峠(ほしくそとうげ)を目指しましょう。車で山道を1時間ほど行き、本当にこんなところに施設なんてあるのかと不安になり始めた頃、他に何もない場所にポツンと建つ「黒耀石体験ミュージアム」が見えてきます。


黒耀石体験ミュージアム。こちら、実は諏訪の中心地から結構距離があります。しかし他の「ホットスポット」密集地からもかなり離れた場所にあるので、旅の最初に訪れることをおすすめします。

諏訪地方が縄文時代に「銀座」となったのは、この地域原産の黒曜石がブランド化していたからです。(連載記事第2回参照)ミュージアムでは星糞峠の黒曜石採掘跡が実物で移設展示されている他、縄文人や旧石器時代人が実際に作った黒曜石のギャラリーもあり、当時の空気に直に触れることができます。


左が縄文人の作品、右が旧石器時代人の作品です。ふむ、さすがに美しいのであります。

そしてここに来たら絶対にやっていただきたいのが、黒曜石の加工体験です。黒曜石は天然のガラスですから、わりと簡単に砕けるんですが、だからこそ、思った形に加工するのは至難の技。縄文人の器用さ、技術の高さに改めて惚れ惚れすること間違いなしです。


制作風景。諦めの悪い私は、皆さんをずいぶんお待たせしました。

矢じりなのだから「尖ってりゃいい」のですが、実際にやってみるとこだわりたくなるのは人間のサガでしょうか。ハマると夢中になって誰もしゃべらなくなる、カニを食べている時のような空気が流れます。

ちなみに、私達は専用のツールを使用させてもらえますが、縄文人は鹿の骨を使ってぱぱぱっと加工していたそうです。「鹿の骨でぱぱぱ」であのクオリティ! やっぱりかっこいい、縄文人。


完成品はこんなにキュートな弓矢にして持ち帰れます。石鏃だけじゃなく、ペンダントコースやキーホルダーコースもあります!

黒曜石は、縄文人にとっては文字通り「パワーストーン」です。これを身につければ、何か神秘的な力にあやかれるかもしれません。(いい加減なことを言ってすみません)

また、星糞峠からその麓一帯には、黒曜石の流通に関係した遺跡がいくつも残っていますから、時間があればぜひ訪れてみてください。地方の縄文人が「黒曜石鉱山」を目指してここに集まったのだと思うと、感動もひとしおです。

黒耀石体験ミュージアム
住所: 〒386-0601 長野県小県郡長和町大門3670-3
電話:0268-41-8050
開館時刻:午前9時〜午後4時30分(入館の最終受付は午後4時)
(体験メニューの最終受付は午後3時)
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝祭日の場合は、その翌日)
公式サイト:http://www.hoshikuso.jp

諏訪大社

星糞峠を後にして、信州のおいしいそばでも食べたら、山を降りて諏訪湖を目指しましょう。続いてのホットスポットは、信濃国一ノ宮「諏訪大社」です。


諏訪大社上社本宮

諏訪大社は上社(前宮・本宮)と下社(春宮・秋宮)を合わせて全部で4社ありますが、諏訪湖を挟んで北側と南側に密集しているので数時間あれば4社全て回れちゃいます。

諏訪大社の大きな特徴は、太古の信仰形態が濃厚に残っているということ。たとえば、諏訪大社には上下4社とも、拝殿があるだけで本殿がありません。これは、自然そのものを御神体とする日本の古い信仰の形を表しているんだとか。


諏訪大社前宮の横を流れる川

また諏訪大社といえば、社(やしろ)の四つ角に巨木を立てて「御柱(おんばしら)」とする諏訪独自の信仰形態です。日本三大奇祭の1つ「御柱祭」(みはしらさい・通称「おんばしら」)は有名ですね。ニュースで見てその激しさに興奮した方もいるでしょう。


諏訪大社上社前宮の「四之御柱」。上下全4社にそれぞれ4本ずつの御柱が建っています。実物を見ると、その圧倒的存在感に感動してしまいます。

諏訪の「御柱」は、縄文時代に起源があるとする説があります。縄文遺跡である「三内丸山遺跡」(青森県)や「真脇遺跡」(石川県)にも、同じような「マツリの場」が作られていたからです。


石川県「真脇遺跡」の環状木柱列(「真脇遺跡公園」HPより)

御柱とは「結界」なのだとも、神の依代なのだとも言われますが、納得のいく理由はまだ見つかっていません。そもそも、縄文人が木柱列(もくちゅうれつ)を建てた理由もよくわかっていません。しかし、これだけの巨木をわざわざ山から切り出すには、大変な時間と人手を必要とするわけで、何か大切な理由があったに違いないのです。ぜひ御柱の前に立って、縄文人がどんな理由で巨木を建てたのか、彼らの祈りを想像してみてください。

諏訪大社
上社本宮
住所:長野県諏訪市中洲宮山1
電話:0266-52-1919
上社前宮
住所:長野県茅野市宮川2030
電話:0266-72-1606
下社春宮
住所:長野県諏訪郡下諏訪町193
電話:0266-27-8316
下社秋宮
住所:長野県諏訪郡下諏訪町5828
電話:0266-27-8035

公式サイト:http://suwataisha.or.jp/index.html


書いた人

横浜生まれ。お金を貯めては旅に出るか、半年くらい引きこもって小説を書いたり映画を撮ったりする人生。モノを持たず未来を持たない江戸町民の身軽さに激しく憧れる。趣味は苦行と瞑想と一人ダンスパーティ。尊敬する人は縄文人。縄文時代と江戸時代の長い平和(a.k.a.ヒマ)が生み出した無用の産物が、日本文化の真骨頂なのだと固く信じている。