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2023.11.08

かわいい動物デザインも楽しめる! 崇福寺 第一峰門【異国情緒あふれる長崎の国宝を訪ねる!その2】

個性豊かな国宝と出合う長崎の旅、全6回シリーズ。第2回は「崇福寺 第一峰門」です。

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長崎市〝寺町〟にある「崇福寺」のふたつの国宝

左/扁額(へんがく)「第一峰」は、隠元の弟子で、崇福寺を盛り上げた即非如一の筆によるもの。中/「第一峰門」は、建物の赤と自然の緑の組み合わせが美しく、ありがたい雰囲気。右/扁額のまわりなど、軒下(のきした)に施された組物(くみもの)と呼ばれる装飾は、第一峰門の見どころのひとつ。このような木の組物はほかにない。

江戸時代の長崎はオランダのみならず、中国との交易も盛んにおこなわれていました。中国人が長崎に定住するようになったのは、江戸時代になってから。長崎には日本初の中華街が形成され、定住した人たちは航海の安全を守護する道教の女神・媽祖(まそ)や、自らの祖先を祀るため、出身地ごとに寺を建立しました。そのうち、明(みん)時代の福州(現・福建省)から渡来した中国人が故郷の僧を招き、江戸時代初期に開山したのが「崇福寺(そうふくじ)」です。

崇福寺にとって重要な人物が、インゲン豆に名を残す福州出身の高僧・隠元隆琦(いんげんりゅうき)。隠元は崇福寺を黄檗宗(おうばくしゅう)の寺とし、本山として京都・宇治に萬福寺を創建。その弟子・即非如一(そくひにょいち)によって崇福寺の伽藍(がらん)は拡大され、寺は大いに発展しました。

左/門外には子持ちと鞠(まり)持ちの狛犬が。中/扉に付けられた装飾品は、狛犬(こまいぬ)と思われる。右/中国語での発音から福を呼ぶ動物と信じられている、かわいい蝙蝠(こうもり)の意匠。

国宝情報

崇福寺 第一峰門 そうふくじ だいいっぽうもん
延宝元(1673)年以前創建。当時は一の門だったので、「第一峰門」。壮麗なデザインながら威圧感はなく、国宝だけれど親しみやすいイメージ。

全体像もディテールも、中国伝来の美しい意匠に満ち溢れている。

撮影/佐藤敏和 ※本記事は雑誌『和樂(2023年8・9月号)』の転載です。

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山本 毅

通称TAKE-G(たけ爺)。福岡県飯塚市出身。東京で生活を始めて40年を過ぎても、いまだに心は飯塚市民。もともとファッション誌から始まったライター歴も30年を数え、「和樂」では15年超。日々の自炊が唯一の楽しみ(?)で、近所にできた小さな八百屋を溺愛中。だったが、すぐに無くなってしまい、現在やさぐれ中。
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