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2023.12.21

「ハトシ」ってなんだ? 長崎はグルメも国宝級! 美味ガイド 食事編【異国情緒あふれる長崎の国宝を訪ねる!その5】

個性豊かな国宝と出合う長崎の旅、全6回シリーズ。第5回は国宝鑑賞とあわせて味わいたい長崎「美味ガイド 食事編」です。

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長崎といったら元祖の「ちゃんぽん」
そして、茶碗むし&ハトシ(!?)

長崎には、3つの国宝と同様に、江戸時代にもたらされた海外のテイストを上手にミックスした名物フードがたくさんあります。その代表格は、中国由来の麺料理・ちゃんぽん。日本と中国、オランダの美味を組み合わせた長崎名物・卓袱(しっぽく)料理のほか、茶碗むしも大人気。そこに最近、食べ歩きで人気を集めている〝ハトシ〟という、長崎独自のフードまで現れて、まさに百花繚乱(ひゃっかりょうらん)!

長崎市内はとてもコンパクトなので、国宝を鑑賞して、これだけの名物を楽しむこともスムーズに実現できます。歩くのに疲れたら、路面電車に揺られてみるもの一興(いっきょう)です。

幕末からずっと愛されてきた!
「長崎茶碗むし」吉宗浜町本店


長崎市民熱愛の名物料理として、必ず名が挙がるのが吉宗の「茶碗むし」です。大きめの丼サイズですが、見てのとおりのかわいらしさで、とろりとした口当たりはまるで飲み物感覚。だしがきいていて具材も豊富で、地元民のソウルフードというのも納得の美味です。慶応2(1866)年創業の店は、伊予藩士であった吉田宗吉信武(よしだそうきちのぶたけ)が、長崎の肥後藩邸で味わった茶碗むしに魅せられ、やがて自ら店を構えたのだとか。以来約160年、不動の人気を誇っています。

店舗情報

吉宗浜町本店 よっそうはままちほんてん
住所:長崎県長崎市浜町8-9 
電話:095-821-0001
営業時間:11時~15時30分、17時~21時(各1時間前L.O.)
休み:月・火曜(祝日・繁忙期は除く)※変更の場合あり
公式サイト:https://yossou.co.jp/

右の「茶碗むし」880円。左の「蒸寿し」660円と一緒にいただくと、長崎の美食体験は完璧!

長崎グルメで絶対欠かせない!
「ちゃんぽん」中国料理 四海樓


大浦天主堂やグラバー園から長崎湾方面へ歩いて約5分。「中華料理 四海樓」は5階建ての瀟洒(しょうしゃ)なホテルのような外観で、上階にある客席は、長崎湾を見渡す大きな窓があり、気持ちのいい空間になっています。実はこの店が、長崎ちゃんぽん発祥の店。錦糸(きんし)玉子をのせたちゃんぽん1,210円は、コクも味わいも深いのに、しつこさは皆無。上品な姿そのままの味わいで、箸が止まらなくなるほど。福建省出身の陳平順(ちんへいじゅん)が明治32(1899)年に創業した店は、長崎の中華料理の草分けで、皿うどんもこちらから生まれた名物料理。ベーシックで優しい味つけの中華料理には、今も多くのファンがいます。

店舗情報

中国料理 四海樓 ちゅうごくりょうり しかいろう
住所:長崎県長崎市松が枝町4-5 
電話:095-822-1296 
営業時間:11時30分~15時、17時~20時(最終入店は各30分前)
休み:不定
公式サイト:https://shikairou.com/

中華街を彩るのは赤い提灯。

長崎市民の定番おやつを発見!
「ハトシ」を知ってますか?

長崎市内の飲食店や露店、テイクアウトコーナーでよく見かける「ハトシ」。聞き慣れない名前ですが、食パンで具を包んだ揚げ物で、長崎市民にとっては欠かせないお惣菜のよう。その人気の秘密とは…。

「中華料理 四海楼」ではロール状で、660円。メニューには「合多司 ハトシ」と書かれていて、もともと中国由来の料理であったと推察できる。

「海鮮市場 長崎港 新地店」のハトシは、三角形3個入りで500円。店頭販売のハトシは、ロールよりもサンド型が多い。

新地中華街の「中華菜館春夏秋冬売店」ではサンド型が1本380円。具材の定番はエビで、油も軽く、ちょっと贅沢な味わいと香ばしさが楽しめる。

撮影/佐藤敏和 ※本記事は雑誌『和樂(2023年8・9月号)』の転載です。

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山本 毅

通称TAKE-G(たけ爺)。福岡県飯塚市出身。東京で生活を始めて40年を過ぎても、いまだに心は飯塚市民。もともとファッション誌から始まったライター歴も30年を数え、「和樂」では15年超。日々の自炊が唯一の楽しみ(?)で、近所にできた小さな八百屋を溺愛中。だったが、すぐに無くなってしまい、現在やさぐれ中。
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